前回の
『あなたの歯科医院の受付対応は
感じが良いですか？』
（http://haisyakaigyo.com/?p=1106）
の続きです。
前回は感じが良い受付のポイント
の１つ目として
「あなたの事を知っている」と言う雰囲気を出す。
について、お話しました。
そして、今回は
感じの良い受付のポイントその②です。
感じの良い受付になるには
笑顔と立ち振る舞いが重要です。
私はお店に行って
笑顔が無く無表情で仕事している人を見ると
そこに通う気が無くなります。
なぜなら、その店員からは
「表情や雰囲気は関係なく
物だけ提供すればそれで良い」
と思っている感じがするからです。
それは、仕事に対する意志が
全く感じられません。
何度も言っていますが
人間はそんな理論的には動いていません。
嫌な人からは物を買わないし
好きな人からは少しくらい割高でも
買いたいと思います。
理論で言えば、嫌な人からでも
安ければ買った方が良いのですが
無理な話です。
受付で嫌だと思われるタイプは
無表情で雑な人です。
患者さんは愛想よく
『お手洗いは、どちらにありますか？』
と聞いてこられているのに
受付が気力もない態度と
無表情で、トイレを指差し面倒くさそうに
『あっちにありますよ。』
と言ったら、どうでしょうか？
患者さんは、この対応を受けて
決していい気分にはならないですよね。
それどころか、これを見ている
他の誰もが嫌な気分になると言っても
過言ではないでしょう。
同じ状況でも
感じの良い対応であれば
受付は当然ながら笑顔で
声のトーンも明るく
指を指すのではなく
手のひらを上にし
丁寧にお手洗いの方を指し示して
『そちらの扉を出て頂いて
右手に行かれた突き当りにございます。』
と言います。
先ほどの、対応の受付と比べて
どうでしょうか？
同じ質問に答えるだけなのに
さっきとは印象がまったく違いますよね。
受付という仕事は
ただ会計が完璧であること
予約を取り間違いないこと
電話に出られること
だけではありません。
それだけなら、今の時代なら人間でなくても
無人で人工知能にしてもらえるでしょう。
AIなら、初期費用はかかりますが
下手をすれば人間の受付がするよりも
確実にミスなく、会計・予約
電話対応をしてくれることだと思います。
しかし、歯科医院や医療機関では
今も、受付という仕事が確立しています。
それは、患者さんに対して
AIでは出来ない対応が
必要とされているからです。
医療は、飲食店やその他のお店などとは違い
そこに来られる方は不安を抱えています。
その不安の度合いは、人それぞれですが
「痛いことされるのかな？」
「これ治るのかな？」
などと思いながら医院に行きます。
そこで、無人でAIに対応されたら
不安が軽減されることはないでしょう。
しかし、これが対応の良い受付であれば
不安を軽減することも可能です。
しかし、逆を言えば
AIであれば、不安を軽減することも
増幅させることもなかったのに
対応の悪い受付のせいで
患者さんの不安を増幅させてしまう
可能性もあります。
もしかしたら
あなたが真剣に診療して
丁寧に治療説明をして
患者さんのラポールを高めている時に
見えないところで
受付が患者さんからの信頼を
下げてしまっているかもしれません。
以前にもお伝えしましたが
どれだけ院長の腕が良くても
スタッフの対応が悪ければ
患者さんは思うようには来院されません。
スタッフというのは
もちろん受付だけでなくて
衛生士や助手もです。
そして、成功している歯科医院で
「院長の腕は良いが
スタッフの対応がなっていない」
と言う医院は、ほぼありません。
成功している歯科医院は
治療技術だけでなく
患者さんに対する対応のスキルも
良いものです。
極端な話をすれば
治療技術は、頂点を極めなくても
そこそこ出来ていれば
十分成功する可能性があります。
しかし、そこそこで成功するには
確実にスタッフの対応の良さが
必要になります。
余程、特別な治療の場合は
それを専門にした歯科医に
診てもらいたいと思いますが
一般的な治療をするだけなら
患者さんには、その治療の優劣は
つけにくいものです。
患者さんは、その治療が
痛いのか
痛くないのか
で、ドクターの治療技術を判断しています。
そして、痛くなければ
「治療が上手な歯科医院」
となるでしょう。
もし、歯科医である自分が
他院に行って判断するなら
患者さんに痛みを感じさせることも
当然、判断基準にはなります。
しかし、それ以外の技術面も見て
本当に腕が良いドクターなのか
評価しますよね。
しかし、一般の患者さんは違います。
となると、重要になるのは
ドクターの治療技術よりも
その医院が安心して行けるか
信頼できるのか？と言う点です。
そして、この「信頼できるのか？」と言う中には
受付などでの対応が大いに関係しています。
もし、治療が痛かったり
少し不安に感じると思うことがあっても
治療後の受付での対応ひとつで
それは払拭されます。
患者さんの表情を読み取り
不安を取り除けるように
治療の説明をしたり
疑問を感じられているようなら
それに対して丁寧に説明したり。
治療をしているのはドクターですが
いろんな医院の口コミや評判を見ていると
それは、ドクターのことだけを
書いているものは、あまりありません。
「治療は丁寧で、受付の方も
なんでも質問に答えてくれて安心できた」
「スタッフの人が、気が利いて
不安なことを事前に説明してくれたりして
安心して治療を受けることが出来た。」
など、スタッフの対応で
医院の印象が決まっている口コミが多いのです。
そして、この口コミや評判を
見たり聞いたりして
患者さんは来院されます。
院長だけがどれだけ頑張っても
スタッフの対応力、受付の笑顔、立ち振る舞いで
医院の口コミ、評判は大きく左右されます。
特に、受付は患者さんが来院されたら
一番初めに会うスタッフです。
そこで、笑顔でいるだけでも
一気に患者さんの緊張は緩和され
医院の印象が変わります。
また、受付は立ち振る舞いの一つ一つを
一番、多くの人に見られる存在です。
待合で、待っている患者さんも
見ていないようで、見ています。
もし、外から見える受付だったら
外の道を通りすがりの人も見ています。
ただ、会計や予約をすれば良いのではありません。
医院の評判を決める大事な要素です。
ぜひ、一度自分のクリニックの受付は
大丈夫だろうか？
とチェックしてみて下さい。
伊勢海 信宏
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