あなたの歯科医院は楽しいですか?
『え!楽しい?
なんか医療を勘違いしていませんか?
クリニックは治療をする所で
患者さんを楽しませる所ではありません!』
とお叱りを受けそうですが
実は、患者さんは
楽しいクリニックを求めています。
「そんなの求められても無理…」
と絶望しないで下さい。
患者さんが求めている「楽しい」とは
別にテーマパークの様な楽しさではありません。
それを求められているのなら
確かに私も「それは無理かも…」となってしまいます。
患者さんの求める
「楽しいクリニック」とは
ただ、受付周りがキレイに飾られていたり
季節の花が活けてあったり
洗面所のハンドソープが
とても良い香だったり
小さい心遣いがあるクリニックか
どうかです。
当然、患者さんは病気を治したくて
歯科医院に来ます。
でも、歯科医としては悲しい事実ですが
歯科医院は、出来る事なら行きたくないと
多くの人に思われている場所です。
そんな来たくない場所なのに
無機質な受付周りや待合室
無表情な受付や歯科医だったらどうですか?
いくら治療が問題なく出来ても
患者さんの気持ちとしては
やはり来たくない場所だと思うでしょう。
きっと、そんな小さな心遣いがされていない
クリニックに来た患者さんの心は
クリニックにいる間中
ザワザワしています。
患者さんは、ただでさえ行きたくない
歯科医院と言う場所で、さらに
「なんか嫌なクリニックだな~」
「次は行きたくないな~」
などと思うことでしょう。
テーマパークの様な凝った楽しさは
やり過ぎですが
患者さんの気持ちを
リラックスさせる様な
楽しさを取り入れるのは
良いと思います。
人間は理論では生きていません。
ほとんどを感情が支配しています。
どれだけパーフェクトな治療をしても
そこに「楽しい」や「嬉しい」と
感じる事ができる要素がなければ
患者さんにとっての
パーフェクトな治療ではありません。
もちろん、技術的に完璧な治療を
することは大事ですが
患者さんが100%完璧な治療と
90%の治療の差に違いを感じるかと言えば
答えはノーでしょう。
それよりも、丁寧な対応をしてくれたこと
少しでも患者さんが歯科医院に
通院することが嫌にならないように
考えられていることの方が
素敵な歯科医院だと感じられます。
したがって、技術面などだけでなく
感情を満たすことも大切です。
実際に、知人の歯科医院でも
「楽しい歯科医院にしよう」
と思い、色々なことに取り組んで
成果をあげた歯科医院があります。
その歯科医院は
その取り組みをするまで
清潔感を売りにしていました。
歯科医院に清潔感は必要不可欠です。
しかし、清潔感を大事にしているのは
良いのですが
実際には、その清潔感は
無機質とも言えるものでした。
真っ白の壁や床に
絵は飾っているけれど
クールな印象を与えるもの。
スタッフも仕事は
そつなくこなすけれど
そこまで笑顔が溢れると言う感じではなく
淡々ときっちり仕事をこなす感じでした。
清潔感があって
仕事をしっかりしているスタッフがいる歯科医院なら
なんの問題もないじゃないかと
思われるのですが
この状況を患者さん目線で
想像してみて下さい。
歯科医院怖いなぁ
行きたくないなぁと思いながら
歯科医院に行って
受付で、淡々と受付手順を済ませ
待合で待ちます。
待合も綺麗だけど
どこか冷たい印象。
治療も淡々と終え
ドクターやスタッフの対応も
きっちりとしているけれど
笑顔や談笑はなし。
会計を済ませ、次回予約をとり
診察終了。
・・きっと、医院を出た後
一気に緊張が解けたような感覚になって
どっと疲れが出てきちゃいそうです。
そして、この知人の院長も
通院される患者さんが
中断する事が多いことに気づき
不安に感じていました。
そこで、患者さんにとって
通院するのに楽しみがある医院にしようと
考えたようです。
まず、受付に毎週お花を活けるようにしました。
そして、各チェアーにも
色のある絵を飾り
その絵も定期的に変えて
いろいろな絵を飾るようにしました。
もともとBGMとして
クラッシック調の音楽を流していましたが
派手すぎないボサノヴァ調の音楽を
小さな音で流すようにしました。
治療中に患者さんのお顔にかける
フェイスタオルの柔軟剤も
柔らかい香りのものに変えました。
そして、スタッフにも今まで特に
対応に関して指示したことはありませんでしたが
笑顔で対応することと
患者さんの緊張を少しでも解せるように
会話をしたりするようにも
伝えました。
すると、この取り組みを
するようになってから
患者さんからスタッフに
よく話しかけて来られるようになり
全体的に患者さんとの
会話が増えました。
今までは、診療をして
次回の予約をとるくらいしか
会話がなかったのが
自分の家族のことだったり
お花のことや趣味のことだったりと
様々なお話を患者さんから
されるようになったそうです。
また、BGMに流している音楽が
とても良いから、教えて欲しいと言われたり。
会話が弾むと言うことは
患者さんが、歯科医院に対して
心を開いてくれていると言うことです。
心を開いてくれていると
信頼関係を築き易くなります。
患者さんにとって
最善の歯科治療をするためには
患者さんとドクターの
信頼関係が必要不可欠です。
ゆえに、会話が増えたと言うのは
この医院にとって、とても良いことです。
そして、医院の雰囲気も和やかになり
中断患者さんが減少したそうです。
これまでは、清潔感はあるけれど
どこか冷たい印象があり
通院することを憂鬱な気持ちに
してしまっていました。
しかし、少し花を生けるだけ
絵を飾るだけ
スタッフに少し明るい対応を
してもらうだけで
患者さんの気持ちがガラリと
変わるのです。
内装を変えないと・・・
リニューアル工事をしなくちゃ!
なんて、そんなことはしなく
大丈夫です。
そんな風に大掛かりなことをしなくても
ほんの少し変えるだけでも
十分に医院の印象は変わります。
ポイントは、患者さんの緊張が
解れるようにすることです。
患者さん達は歯科医院に行くと
どうしても無意識のうちに
緊張してしまいます。
それが、花を見ると少し緊張が解れる。
スタッフの笑顔で、緊張が和む。
フェイスタオルの柔軟剤の香りも
同じです。
お風呂上がりに、ふわふわの良い香り
のバスタオルで顔を拭いた時に
幸せな気持ちになった経験はないでしょうか?
治療痛かったら嫌だなーと
思いながら
チェアーを倒されて
緊張しているところに
ふわふわで良い香りのフェイスタオル
を掛けられたら
きっとその嫌な気持ちや
緊張は少し軽減されます。
どれも、小さなことですが
緊張を解すことに繋がります。
歯科医院が患者さんにとって
楽しい場所でないことは
仕方のないことです。
しかし、その中でも
いかに患者さんに楽しい歯科医院だと
感じてもらえるようにするか
考えてみましょう。
伊勢海 信宏
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