患者さんは、なぜ自費治療を
受けるのでしょうか?
インプラント治療、矯正治療と
言った治療以外は
義歯にしても、虫歯治療にしても
保険適応でも治療は可能ですよね。
それなのに、保険治療よりも
治療費が高額になってしまう
自費治療を受けるのは
一体なぜでしょうか?
理由は簡単です。
患者さんが、その自費治療に
価値を感じるからです。
すごく当たり前の答えなのですが
これが、とても重要なことです。
これは前回の
『歯科医院の自費治療の割合って?』
(http://haisyakaigyo.com/?p=383)
でもお伝えしたことに通ずるものです。
前回、自費の割合の多い医院と
少ない医院の違いを探し
自費の多い医院がしていることを
自院にも取り入れてみることを
オススメしましたよね。
注意点は
最初からコストのかかることを
実践しないことでした。
例えば、CT導入など。
そして、お金をかけずとも
まず実践していくべき差があると。
それを踏まえた上で
今回のお話を読んでもらいたいと思います。
あなたが患者さんに
「出来る事なら、より良い治療を
受けてもらいたい。
そして、その為には自費の治療も
必要になる」
と考えているとします。
もし、現状、自費治療を受ける
患者さんがたくさんいるのであれば
それは、あなたが患者さんに
自費治療の価値を
伝えられている証拠だと思います。
逆に、より良い治療のために
自費治療が必要だと思っているのに
保険治療を受ける患者さんばかりが
たくさんいるのであれば
それは患者さんに
自費治療の価値を
十分に伝えられてない証拠だと思います。
もちろん、クリニック自体が
保険診療だけで良いと言う方針で
診療を行っているのであれば
当然、自費治療の患者さんが
増えることはありません。
また、増やす必要もありません。
決して、保険治療だけするのが
良いとか
自費治療だけでするのが良いと
言っている訳ではありません。
そこは、先生方それぞれの考え方
だと思うので
各自で決めれば良いことだとは
思います。
自費治療の需要が多い地域もあれば、
保険治療の需要が多い場合もあります。
いくら、より良い治療をするには
自費治療が必要だと思っていても
自費治療をすることによって
患者さんの生活を圧迫するような
ことになってしまうのでは
自費治療をすすめることは出来ませんよね。
では、話を戻しますが
自費治療を受ける患者さんは
その治療に価値を感じるから受けると
冒頭でお伝えしました。
これは自費治療に限ったことではなく
あらゆる人間の行動に表れます。
例えば、私はお酒が好きなのですが
バーで一杯1500円以上の
お酒を飲んだりします。
これを高いと思われるでしょうか?
私は、特別高いとは思いません。
でも、お酒を飲まない人や
お酒は飲むけど
居酒屋でいいと言う人にとっては
一杯1500円は
高いと思うでしょう。
それは、バーでお酒を飲む事に
価値を感じないからです。
他にも、
私は靴下をユニクロで買います。
靴下が3足1000円で販売されています。
人によっては一足数千円する
ブランドの靴下をはく人もいるでしょう。
勿論、ズボンもブランドで
買う人もいると思います。
しかし、私からすると
これに価値を感じないので
それは高いと思ってしまいます。
特に靴下なんて、なんでもいいのでは?
と思ってしまいます。
男女で分けて考えてみると
女性は化粧品に
月に何万円も使ったりします。
男性は、美容代と言えば
整髪料ぐらいなので
月に数百円程度で買えるものが
多いです。
このように人がお金を使うときには
その金額に見合った、もしくは
それ以上の価値を感じるか
感じないかで
払う金額が決定されます。
と言うことは、
自費治療を患者さんが
するか否かは
その治療が、どれだけ
患者さんにとって必要なのか
そしてメリットがあるのか
を上手に伝えることが
出来ているかで
決まっていると言うことです。
ここで『上手に』と言ったのにも
理由があります。
例えば、あなたが今
風邪をひいているとします。
高熱が出て、とてもしんどい状態です。
しかし、明日は大事な会議のある日。
仕事は絶対休めません。
こんな状態で、病院へ行きました。
そして、担当医に言われたことは
『点滴を打ちます。
保険適応のものなら
数百円ほどの料金です。
効果は、点滴を打った直後は
数時間急激に解熱します。
しかし、その後また熱は上がる
かもしれません。
もしくは、そのまま回復するかも
しれません。
それか、自費治療になりますが
料金は1万円の点滴です。
100%ではありませんが
解熱して症状は落ち着くことが
とても多いです。
どちらにしますか?』
と説明されました。
数百円と1万円の料金の差は
かなり大きいですよね。
その上、数百円の方でも
解熱して症状が落ち着く場合もある。
逆に1万円のものでも
症状が落ち着かない場合がある。
とても、悩みますよね。
しかし、もし、この医師からの
説明がもう少し違ったものだったら
どうでしょうか?
『点滴を打ちます。
保険適応のものでしたら
数百円の料金ですることが可能です。
効果は、一時的に解熱しますが
その後ぶり返してくる可能性もあります。
しかし、明日は大事な会議で
お仕事もお休み出来ないとのことですので
今回は、自費治療のものになりますが
効果の高い点滴があります。
この点滴は、料金が1万円と
かなり高いのですが
その分効果はあります。
ただ、稀に解熱後
またぶり返してしまう可能性も
ゼロではありません。
しかし、保険のものよりは
圧倒的に効果があると思います。
普段でしたら、保険のもので
様子を見るのをお勧めするのですが
今回は、明日に大事なお仕事がある
と言うことなので
効果のより強い
自費の方をお勧めします。』
と言われたら、どうでしょうか?
やはり1万円が高いのに変わりはありませんが
前者よりも、
「自費の点滴の効果」
が伝わってきませんか?
また、自費の点滴をすることが
いかに自分にとってメリットが
あるかも伝わってきますよね。
このように、その時の患者さんの
立場になって
なぜその治療が必要で
それをすることによって
どんなメリットがあるか
を説明することで、患者さんは
「自分のことをきちんと
考えてくれている!」
と思われるでしょう。
これと同じことが
歯科の自費治療でも言えるのです。
患者さんが、その自費治療に
価値を感じるか、どうか?
それは、内容はもちろん、
カウンセリングによって
大きく変わってきます。
患者さんが、その価値に気づいて
自費治療を受けたいと
思ってくれるような
カウンセリングを
心がけると良いでしょう。
伊勢海 信宏
【ステップで学びたい先生へ】
メルマガ登録されると 体系的に学べ、
理解や成長が早くなります。