仕事をする上で
必ずかかってくる費用はなんでしょうか?
材料費?光熱費?
いろいろとありますが
何よりも一番大きいものが
『人件費』です。
ひとりで仕事をする
スタイルではない限り
人件費は必ずかかります。
そして、歯科医院は
一人で出来る仕事では
決してありません。
正確には、もし一人でしようと思えば
不可能ではないけれど
滅茶苦茶コスパが悪い仕事になるでしょう。
受付も、滅菌も、スケーリングも
器具の準備も、医院の清掃もレセプトも・・・
なんて膨大な仕事を
一人でこなすなら
一日で診れる患者さんは
数人になります。
人件費を削減したいからと
自分一人で運営して行くとなると
歯科医師と言うスキルがあるのに
多くの時間を
そのスキルがなくてもえきる作業に
使うことになってしまい
人を雇う以上に
無駄な費用になりますよね。
とは言え、基本的には
人件費のウェートが重くなっている
と言うケースが
歯科に限らず、ほとんどの業種で
当てはまります。
歯科医院の人件費は、いくら?
歯医者では歯科医院の人件費率
ってどれくらいなのでしょうか?
平均的な人件費率は
20~25%です。
この人件費率ですが
これは個人事業主としての人件費率なので
もちろん院長の
給料は含まれていません。
衛生士・受付・助手の人件費での
計算です。
では平均を取って
ちょっと計算してみましょう。
一般的な歯科医院の売り上げが
300万円として
300×0.225=67.5万円 です。
300万円の売り上げがあっても
人件費だけで67.5万円もかかるのです。
かと言って、先ほど言ったように
スタッフなくして
医院は回りませんよね。
もちろん、人件費を抑えた方が
利益は上がります。
これは、歯科医院に限らず
言える事ですよね。
ゆえに、世の企業は
リストラをしたりします。
以前、外資の金融系に勤めている
友人にびっくりする話を聞きました。
「このあいだ昼食に行って帰って来たら
直属の上司が突然クビを勧告されて
お昼の間に荷物を
まとめて帰っていた。」
と言うのです。
お昼休みに言われて、お昼中に・・・
上司というのですから
それなりのキャリアもあったはずです。
それに、家族や生活は。。。
すべての外資系が
そうではないのでしょうが
これを聞いて
「おー外資系、やることが冷酷だね。
恐ろしい・・・。」
と思いました。
もちろん、通常の雇用体系では
そんな事は法的に出来ませんし
やってはいけないと思います。
しかし、そうは言っても
実際には世の中の企業は
シビアにリストラ敢行をしています。
では、これに倣って歯科医院でも
リストラ敢行!
と言うわけにはいきません。
歯科医院で利益を上げるには
もし、歯科医院で人件費を減らすために
スタッフの数を減らしてしまうと
どんな事が起こるでしょうか?
スタッフ一人ひとりの仕事の量の
負担が増えてしまいます。
そして、辞めずに残っている人が
しんどくなって
結果辞めてしまう・・・
当然、スタッフが減ってしまうと
その分、治療やサービスの質が低下します。
これは悪循環ですね。
利益を上げるために
したはずの人員削減が
売り上げ自体を下げる事になります。
これでは、本末転倒です。
では、利益率を上げるためには
どうしたら良いのか?
人件費以外の経費の削減も
できる事ならしたいところです。
しかし、そこまで無駄も
していない場合
これらを削減する事は
難しいですよね。
となると、
やはり大きなウェイトを占める
人権費を削減するしかないのか…
となってしまいがちですが
人件費削減ばかり考えるよりも
売り上げ自体を上げてしまえば良いのです。
冒頭で出てきた300万円の売り上げなら
67.5万円の人件費というお話を
例えば、500万円の売り上げにすると
どうでしょう?
500×0.225=112.5万円
112.5万円と聞くと
そんなに!!
と思われるかもしれませんが
その分売り上げが
500万円あるので
利益は
500−112.5=387.5万円
300万円の売り上げの場合は
300—67.5=232.5万円
どちらも、ここから他の経費が
必要になるので
これが全て利益になるわけでは
ありません。
しかし、当然のことながら
500万円売り上げがあった方が
利益も大きくなります。
と言って、売り上げを
300万円から500万円に上げることは
そう簡単ではありませんよね。
ここでは、分かりやすいように
少し大きな金額にしましたが
ここまで上がらなくても大丈夫です。
人員削減よりも求められる医院へ
大切なことは、院長が頭をつかって
患者さんに喜ばれるクリニックを作り、
患者さんであふれる歯科医院にすること。
そうすることによって
すぐにではなくても、
副産物のように売り上げも
自ずと上がる結果になります。
患者さんに喜ばれる医院を
作るためにスタッフは
とても重要な存在です。
良いスタッフなくして
良い医院にはなりません。
そして、スタッフが
良いと思える環境で
仕事ができていないと
その空気は医院の空気に
繋がってしまいます。
良い環境と言うのは
給与が良いだけではありません。
いくら給与が良くても
人間関係が殺伐としていたり
仕事へのモチベーションが
みんなバラバラだったりすると
なかなか良い環境とは
言えません。
まず院長は
患者さんのことを考える事と
医院で働くスタッフのことを
考えてみて下さい。
そうすると、スタッフも
患者さんの事を考えるようになります。
しっかり患者さんのことを
考えてくれる院長とスタッフのいる歯科医院。
患者さんからすると
とても信頼できますよね。
そんな歯科医院があれば
きっと患者さんは集まってきます。
人件費削減を考えて大切な
スタッフを切ることよりも
優秀で素敵なスタッフを育てて
スタッフからも、患者さんからも
愛される医院を作っていけると
いいですね。
伊勢海 信宏
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