保険治療を一通り
きちんと出来るようになると
次の課題になってくるのは
自費治療ですよね。
そして、これから自費の
審美治療をしようと思った時に
セラミックが真っ先に思いつくと
思います。
そこで、今回はセラミックについて
少しお話したいと思います。
セラミックは簡単に言えば
ガラス系の素材です。
透明感などの審美性が良く
劣化もしにくいので
カリエスにもなり難い
と言うメリットがあります。
ただ、ガラス系なので
物を食べた時などに
端がチップしたり
割れたりするデメリットはあります。
とは言え、現在の審美歯科治療では
もっともメジャーに使用されるものですので
適応症・形成の仕方・接着の仕方などを
しっかり学んでおくと良いと思います。
そして、一概にセラミックと言っても
以下の様にいろいろと種類があります。
ここでも簡単にではありますが
特性を載せておきますので
詳しくは自身で調べてみて下さい。
・e-max
オールセラミックスの中で
最も新しい素材。
メリットは、強度です。
1本の歯でクラウンを製作した場合には
とても強い耐久性を発揮 できます。
また、天然歯に一番近い強度とも言われ
対合歯に負荷をかけることが少ない
といった点でも優れています。
また、デメリットとして色付けに
関しては、自然な人工歯に近づけるための
複雑な色付けには限界があると言う点。
加えて透過性が非常に優れているので
逆に歯の色を拾ってしまうと言う点です。
ブリッジなどには不向きです。
- ・プロセラ
ノーベル・バイオケア社製の
オールセラミック。
CAD/CAM(Computer Aided Design
and Computer Aided Manufacturing)
で製作するため精密かつ
緻密な補綴物が作られます。
また、審美性・強度共に
優れています。
ブリッジの設計にも対応可能。
- ・エンプレス
ヨーロッパで開発され
世界中でシェアされています。
審美面で優れています。
デメリットを挙げるなら、強度で
奥歯やブリッジなど、
負荷が大きくかかる部位では
欠けてしまうかもしれません。
- ・ジルコニア
人工のダイアモンドと言われる
ジルコニアは、その名の通り
強度がありオールセラミックでは
弱点とされる部分をカバー出来ます。
そのため奥歯の治療に使用すること
も可能。
また、歯を削る量も少なく済む場合
があります。
一方、デメリットとしては
他のセラミックよりは透過性に劣る点です。
また強度があるので
対合歯に影響が出てしまうので
咬合調整などで、必ず影響が出ないようにします。
このように、セラミックと一口に
言っても、多くの種類があり
特性も様々です。
そして、上述しているものは
ごく一部の情報ですので
患者さんの症例に合わせて
しっかり調べ、検討する必要があります。
また、補綴物の種類や性能も
日々進化していますので
メリットが増えデメリットが減ること
も、もちろんあります。
たまに、歯科医でも自費補綴の
知識があまりなく
患者さんに簡単なカウンスをして
患者さんから突っ込んだ質問をされて
しどろもどろになっている人がいます。
その割に、自費売上アップの目標を
掲げていたりすることがあるのですが
それは、絶対に無理です。
分かりやすく、シドロモドロに
なってくれれば、患者さんにも
「ん?この先生あまり知らないのかな。
じゃあ、ちょっと不安だし
やめておこう。」
もしくは、
「ちゃんと詳しい他の先生に
聞いてから決めよう」
と思ってくれます。
しかし、口が上手く
良く理解していないことでも
うまいこと言って
患者さんに伝えてしまうと
もし、その知識が間違っていた場合
患者さんを騙してしまうことになります。
そうなると、最悪の場合
患者さんはカウンスを受けて
自費補綴にしようと決意し
いざ装着してから
「あれ!?なんか思ってたのと違う!!」
「これだけお金をかけて
こんなデメリットがあったなんて・・・」
なんてことが起こってしまう可能性が
あります。
こんな事が一度あってしまえば
もう患者さんから信頼を得ることは
かなり難しいでしょう。
そして、患者さんからすると
「騙された!」と捉え兼ねられないことは
確実に悪い口コミとして
医院の評判を落とすことになります。
では、知らないなら分かりやすく
シドロモドロに対応して下さい。
とお勧めしているのではありません。
勿論、ハッタリで上手く説明することもです。
そうではなく、
しっかりと自分で、補綴の知識を
身につけて下さい。
何を聞かれても答えられるように。
審美歯科は、どうしても自費治療に
なってしまうので、
患者さんからすると金銭面的には
負担になってしまいます。
そのことも踏まえた上で
それでも審美的に
または保険治療では
実現できない治療をしたい!
と言う患者さんの願いを
できる限り叶えられるよう
期待以上のものを装着できるように
しっかり知識をつけて
患者さんに還元できるようにしましょう。
伊勢海 信宏
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