クレームや不満が
患者さんからあった時にはどうするかを
全4回でお伝えしています。
『患者さんからのクレームや不満があった時に。』
(http://haisyakaigyo.com/?p=1680)
『患者さんからのクレーム対応は、
まず話を聞く』
(http://haisyakaigyo.com/?p=1689)
『クレームで、話を聞いた後の謝り対処法』
(http://haisyakaigyo.com/?p=1785)
前回までで
①話をしっかり聞く
②気持ちに対して謝る
とお伝えしました。
そして、次にするのは
『理由や原因をお伝えする』
と言うことです。
『患者さんからのクレームや
不満があった時に。』でも
お話しましたが
クレームを言われた時に
・申し訳ないと謝る。
- ・原因をしっかり伝える。
の2つは、してはいけない事だとして
お伝えしました。
どちらも良いことのように思いますし
してしまいがちな事なので、注意が必要です。
しかし、多くの人は
すぐに理由や原因を伝えたがります。
以前話したように
これは無意識レベルでの
精神的な自己防衛反応から
くるものなのです。
しかし、その自己防衛を止めて
話を聞く、気持ちに対して謝ること
が重要であると言いました。
しかし、最初にはしてはいけない事でも
ここのステップまで進んだら
ようやく理由や原因を
お伝えしても大丈夫です。
①話をしっかり聞く
②気持ちに対して謝る
③理由や原因をお伝えする
この段階は必ず守って下さい。
では、なぜこの段階までくれば
理由や原因をお伝えしても大丈夫なのか?
それは、ほとんどのケースが
先ほどの2つのステップを踏むことで
患者さんが持っていた怒りの気持ちが
少し終息して来ているからです。
クレームや不満を言った時は
怒りがかなり高い時に言っています。
(とは言え、この時のこちらの対応を
間違えてしまうと
更に怒りレベルは高まるので
ピークではありません。)
しかし、しっかりとこちらが
お話を聞くことと
患者さんに不安な思いや不快な気持ちに
させてしまったことに対する謝罪を
きちんとした後であれば
その間に患者さん自身の怒りも
鎮まってきているので
『ちょっと私、
言い過ぎちゃってるかも。』
と思われていたりします。
とは言え、これもクレームの
原因になった問題の程度にもよりますが。
これは何も、歯科医院で患者さんと
ドクターだからと言うわけではなく
私生活でもそうですよね。
誰でも怒りが頂点の時って
感情に任せて普段は言わない事を言ったりします。
その怒りを、こちらがきちんと受け入れると
怒っていた相手の怒りがシューっと下がります。
そして、相手が少し落ち着いてから
話すことで冷静な解決が出来ると思います。
もし、正論であったとしても
相手の怒りが落ち着いていない段階で
言ってしまうと
相手も引くに引けなくなってしまって
本当は、簡単に解決することなのに
受け入れてくれないなんてことになります。
ゆえに、気持ちが収束してから
その時に、理由をお伝えするようにして下さい。
例えば
「歯を削られてから、しみるようになった」
と言う内容のクレームであれば
患者さんの気持ちが
収束してから
『実は前回の治療で・・・・、
そのために、しみているんです。』
と言って下さい。
ただ、ここで終わってはダメです。
この言葉を言った後に
次の言葉を必ず言って下さい。
『でも、それを含めて
もっとしっかりお伝えしないといけないのに
伝えきれておらず
不快な思いやご迷惑をお掛けして
すみませんでした。』
と理由を言った後に、また謝る事です。
患者さんのクレームが
治療後に歯がしみるようになってしまった
と言うものであった場合
理由はきちんとありますし
その理由は、医療ミスでも
なんでもありません。
しかし、それを患者さんに
しっかりと事前に伝えられていなかったことは
確実にこちら側のミスです。
患者さんは当然のことながら
歯科知識はありません。
治療して歯がしみるようになれば
おかしいと感じますし
医療ミスを疑うのも
至極、当然の流れだと思います。
理由や原因を患者さんに
指摘されてから伝えるだけでは
ただの言い訳に聞こえますが
自分の伝え不足だったことを
きちんと認め謝った上で
説明すると、言い訳ではなく
説明だと受け取ってもらいやすくなります。
ここまでの流れを今一度
まとめますが
①しっかり相手の話を聞く
②気持ちに対して謝る。
③理由や原因を伝える。
④再度、気持ちについて謝る。
どうですか?
できそうでしょうか。
ちなみに、これは本で学んだ訳ではなく
実際に私が、クレームを経験してきた中で
実践し身につけました。
その行動を分解した内容です。
ここまで、マニュアルのようにして
お伝えしてきましたが
これは、あくまで流れを
分かりやすくするためのものです。
また、順番を間違って、患者さんに
更に不快な思いをさせてしまわないように
するためのものです。
一番知って欲しいのはテクニックではなく
本当に患者さんの不満を一度受け入れて
そんな不満を持たせてしまって
申し訳ないと思う気持ちが大切だと言う事です。
心が無いと、口では謝っているけど
相手にはまったく伝わりません。
心から思って言っていることと
そうでない事は
どれだけ同じように言ったとしても
相手にきちんと分かってしまいます。
そして、そんな心のない謝罪は
相手を、より不快にさせ
幻滅させてしまうだけになります。
クレームを出してしまった事は
仕方のない事であっても
その後の対応で、全てが変わります。
ぜひ、嫌な事でもしっかり向き合って下さい。
そこに、人間的成長があり
信頼性のある歯科医師へ道があります。
伊勢海 信宏
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