患者さんからのクレーム対処はまず話を聞く。

前回の

『患者さんからのクレームや

 不満があった時に。』

 

http://haisyakaigyo.com/?p=1680

 

 

の続きで

 

患者さんからクレームや

不満があったら、どうするか?

 

についてお伝えします。

 

 

 

 

クレームや不満が出た時に

大事なことは、その後の対応です。

 

 

クレームは良い事ではありませんが

その後の対応の仕方で

 

 

患者さんの信用は回復出来ますし

対応の仕方でクレームが出る前よりも

 

 

患者さんとの良好な関係を

築けるようになる可能性もあります。

 

 

 

逆を言えば、クレーム後の対応1つで

関係は修復できず

 

 

より悪い印象を

与えてしまうことになります。

 

 

 

したがって、クレーム後の対応は

非常に重要になります。

 

 

そして、そんな重要な対応ですが

 

・申し訳ないと謝る。

 

・原因をしっかりと伝える

 

と言う2つは、やってはいけないこと

だと前回お伝えしました。

 

 

 

そして、最善の対応として

まずは、患者さんの話を聞く事が

一番大切だとお伝えしました。

 

 

 

では、なぜ話を聞くのが

大切なのでしょうか。

 

 

それは、クレームを言う時の

患者さん側の心理、思考が関係しています。

 

 

 

クレームや不満がある時と言うのは

理論よりも感情が先行しています。

 

 

それは人間だれでも同じです。

 

 

 

そんな状態の時に

いきなり理論で話しても

 

 

全く受け入れられません。

 

 

 

それがいくら正論であったとしても

患者さんには言い訳にしか聞こえませんし

 

 

正論と気づいていたとしても

怒りや不満がある状態では

 

 

火に油を注ぐことになってしまいます。

 

 

 

患者さんからクレームを言われた時に

確かに患者さんが勘違いしていたり

 

 

受け取り方が違ってしまっている時も

あります。

 

 

 

そんな時は、すぐにその誤解を

訂正したいと思う気持ちから

 

 

思わず、こちらの意見を

伝えたくなりますよね。

 

 

 

しかし

 

 

それよりも、まずは怒っている方の

言い分や気持ちを

 

 

しっかり受け止めて

理解する事が大切です。

 

 

人間は、攻撃されると

防衛本能が働きます。

 

 

 

それは物理的にも精神的にもです。

 

 

 

 

そのため本能的に

すぐに反論や釈明、言い訳をしようと思います。

 

 

しかし、それでは相手の感情は

収まりません。

 

 

 

だから、まずはあれこれ言わずに

しっかり相手の話を聞く事が大切です。

 

 

怒っている人は

何か言い分があるのです。

 

 

何もないのに、怒る人はいません。

 

 

 

だから、まずは

 

「なぜ怒っているのか?」

 

「何に不満を感じたのか?」

 

を知る必要があります。

 

 

 

 

それを分からないのに

どれだけ、こちらの話をしても

 

 

それは相手の望んでいる回答ではない

可能性もあります。

 

 

 

患者さんの話を

しっかりと聞くことに徹すると

 

 

何に怒っているのか?

 

何に不満を感じているのか?

 

明確になってきます。

 

 

 

 

そして、もう1つ。

 

 

患者さんの話をしっかり聞く

と言うのには理由があります。

 

 

それは

 

 

人間はそんなに何分も

怒り続けることが出来ないからです。

 

 

 

クレームを言った瞬間

不満を爆発させた瞬間は

 

 

怒りのボルテージが

かなり上がっていますが

 

 

ある程度話すと

少し怒りのテンションが下がります。

 

 

 

 

怒りを感じた時などに

すぐに吐き出すのではなく

 

 

とりあえず5秒間、我慢すると言う

方法があります。

 

 

 

この5秒間、ぐっと堪えるだけで

不思議と怒りが鎮まっていき

 

 

最初に感じた

「怒鳴りたいほどの怒り」は

消えてしまうと言うものです。

 

 

 

 

それくらい、怒りというのは

一過性のものなのです。

 

 

 

ただ、この怒りが鎮まる前に

誤った対応をしてしまうと

 

 

怒りを増幅させてしまう事になるので

気をつけなければなりません。

 

 

 

 

相手の怒りを増幅してしまわない為にも

 

 

まずは、『あなたのお話をしっかり聞きますよ。』

 

 

と言う姿勢で、患者さんのお話を

聞くことに徹する事で

 

 

相手の怒りエネルギーが少しずつ

下がって行きます。

 

 

 

 

例えば、美容院でシャンプーの時に

作業が荒いように感じたり

 

 

スタッフの対応が馴れ馴れしくて

不快な感じだったり・・・

 

 

極め付けに、オーダーした髪型と

全然違う仕上がりにされたとします。

 

 

 

そこで、不満を感じ、思わず

 

「こんな髪型にしてくれとは

 言ってない、全然違う!」

 

とクレームを言ってしまいます。

 

 

 

すると、美容師さんがすぐに

 

「お客様の髪質ですと

 オーダーされた髪型通りにすると

 

 

 まとまらない為

 オーダーされたものをベースに

 

 

 この形にするのが最善なので

 このようにしました。」

 

と言われたとします。

 

 

 

 

どう感じますか?

 

 

 

大抵の人は

 

え???

 

と、なるのではないでしょうか?

 

 

 

多分、クレームを言った瞬間よりも

怒りが増幅しちゃうパターンですよね。

 

 

 

本当は、髪型は全く同じにならない事

分かっているし

 

 

仕方ない事も理解しているけれど

そんな風にすぐに言われると

 

 

納得できなくなります。

 

 

 

だって、髪型が気に入らないだけで

怒っている訳ではないからです。

 

 

 

本当は、シャンプーが荒かったり

店員の態度が馴れ馴れしかったり

 

 

と言うことへの不満が積もった結果

クレームにしたのに

 

 

相手は髪型のことだけだと思って

そのことに対してだけ弁解しているからです。

 

 

 

もし、このスタッフが

クレームを出した時に

 

 

きちんと話を聞くと言う対応を

していたら、原因の全てを

 

 

把握することが出来ていたでしょう。

 

 

 

そして、原因を知ったら

カットだけではなく

 

 

それまでの幾つかの不満にも

気づくことができるので

 

 

クレームに対して

どうすれば良いのかがわかります。

 

 

 

そして、クレームを言った側も

しっかり話しているうちに

 

 

怒りも鎮まってきます。

 

 

 

ゆえに、クレームが出たら

まず話を、そこまでしっかり聞いて下さい。

 

 

 

相手の話をしっかり聞いてから

 

初めて次のステップに行きます。

 

 

 

自分の防御反応を一旦無くして

相手を知ろうと言う気持ちを持つこと

が最も大切です。

 

 

 

では、話を聞いた後は

どうすれば良いのかについては

次回お話します。

 

伊勢海 信宏

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