歯科医師という仕事をしていく中で
人間の心理を知ると言う事は
とっても大切です。
さらに、院長として歯科医院を経営
していく立場になると
心理を知ると言うことが
益々大切になってきます。
なぜなら、スタッフも患者さんも
そして、自分自身も人間だからです。
今は、 機械が目まぐるしく進化していて
多種多様な仕事を機械が行えるようになっています。
機械と言えば、工場でいろんなものを
製造しますよね。
それは、車であったり
お菓子であったり。
大きなものから小さなものまで
色々です。
数十年前までは、全てが人による
手作業であったことが
今では機械が行い
最終チェックだけを人がするのが主流です。
人がすることは、機械が正常に動いているかの
チェックをすることです。
このように機械で何かを作る仕事の場合
そのチェックをする人は
機械のことを十分に理解しています。
簡単なことで言えば
その機械は、どうすれば動き
どうすれば停止するのか。
違う動きをさせる場合は
どうすれば良いのか。
エラーが起これば
どのように対処するのか。
それを理解し、機械を駆使します。
機械を操ることは沢山のマニュアルを
覚えておく必要があり大変ですが
相手は機械なのでイレギュラーは
ありません。
マニュアル通りにすれば動き
そして停止します。
もちろん、エラーが出ることもありますが
それにはきちんとした理由があります。
その理由を解決すれば、
また動き出します。
しかし、これが人間相手だと
そうはいきません。
すべきことは分かっている
目指すべきゴールは同じはずなのに
そこに感情や本能が介入してしまい
イレギュラーなことが起こってしまいます。
前回
『歯科コンサルや医院経営で
重要な論理・感情・本能とは?』
(http://haisyakaigyo.com/?p=2293)
でもお伝えしましたが
人間と言うのは、
思っている以上に合理的な行動をとりません。
『う~ん、言ってる事は分かるんだけどな~。』
と思っているけど
その通りに行動出来なかったりします。
誰でも、心当たりがあるはずです。
もちろん、私にも心当たりがあります。
そして、人間には先延ばしの心理があります。
分かっているけど、やらない。
分かっているけど、止めてしまう
と言うものです。
これは、大人だけではなく・・・
と言うよりは
子供の頃から大人になった今でも
続いている人が多いと思います。
子供の頃、夏休みの宿題を
早めに終わらせておけば良いと言うのは
分かっているのに
毎年、夏休みが終わる直前まで
終えていない。
なんて経験、ありますよね。
何でも合理的に考えて
常に腹八分目
毎日の有酸素運動
一日30品目を食べる。
なんて事は難しいと思います。
やらないといけないけど
それを、やれない自分がいる感じです。
数年前に出版された本で
ベストセラーにもなった本で
「すぐやる人」と
「やれない人」の習慣
と言うものがありました。
それ以外にも、「すぐやる系」の本は
数多く出版されていて
・ すぐやる!「行動力」を高める
“科学的な”方法
・ 結局、「すぐやる人」が
すべてを手に入れる
・ 先送りせずにすぐやる人に 変わる方法
などなど・・・
他にもたくさんありますが
どれも実によく売れています。
と言うことは、それだけ多くの人が
「すぐやる」と言うことに
関心を持っていると言うことですよね。
言うならば、出来ていないからこそ
興味を持ちます。
当たり前に、できることに関する本を
読もうとは思いません。
すぐやる必要があるのに
先延ばしにしてしまい困るので
その解決策を知るために
本を読んで、知識を得ようとします。
多くの人が、すぐやることが
出来ずにいるから
このような本が売れるのです。
患者さんも同じです。
治療を受けないといけないのは
分かっているけど放置してしまう。
治療を受けないといけないのは分かっているけど
中断してしまう。
歯科治療は一回で終わりでなく
5回10回かかる事も
もしくは半年~一年かかる事もあります。
歯科医からすると、それは無理矢理
長引かせているわけでも
無駄に通院回数を増やしているわけでもなく
その患者さんの治療に必要な回数や期間ですが
正直、定期的に通うことは
患者さんには負担になっています。
負担に感じることをしたくないのは
仕方のないことです。
だからこそ、患者さんが治療を
先延ばしにしてしまう心理を理解して
先延ばしにしたい気持ちが減るような
話をしっかりとして行く必要があります。
患者さんにとって最善で丁寧な
治療をすることは
歯科医として当然の仕事です。
しかし、それ以外にも
どうしたら先延しの治療中断や
放置が減るのかを考えることも
私達、歯科医師の大事な仕事です。
どれだけ、患者さんの歯を
綺麗にしよう、健康な状態にしたい
と思ってスキルを身に付けて
良い治療が出来るようになっても
その治療を受ける患者さんに
治療を先延ばしにしない気持ちがないと
治療を最後まで遂行することは出来ません。
どれだけ、根治を綺麗にしていても
根充をする前に中断になってしまって
その歯が次に痛みが出るまで
根治の途中、仮封の状態で放置されたら
絶対に良くありませんよね。
そんなことになってしまわないように
患者さんの歯が健康な状態になるまで
通院し続ける気持ちになるようにすることは
治療技術の腕を上げることよりも
先に必要なスキルになります。
患者さんにどのように伝えたら
患者さんが、通院の必要性を感じるのか?
通院を「嫌なこと」として
認識するのを最小限に留めることが出来るのか
ぜひ、考えてみて下さい。
患者さんの真理を知ろうと思う気持ちがあれば
自ずとどのようにアプローチすることが
良いかが分かってきます。
通院することで、患者さん自身に
「得」や「メリット」があることを知れば
通院を苦に感じなくなる人
通院しないことで患者さん自身に起こる
「損」や「デメリット」を知ることで
通院を真面目にされる人。
患者さんのタイプも様々です。
したがって、患者さんの心理を
理解した上で患者さん一人一人に合った
アプローチを考えるようにしましょう。
伊勢海 信宏
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