今回はスタッフの不満を聞く
重要性についてお話しします。
ご自身のクリニックのスタッフは
何人いるでしょうか?
どこのクリニックでも
少なければ2人程
多ければ10人以上の
スタッフが勤務しています。
その中で、今働いているスタッフは
自院の職場環境に満足していて
不満が全くないから働いている・・・
と言うわけではありません。
だいたいの場合、
不満を抱えている事が多いです。
居酒屋などで食事をしている時に
近くの席にいる人たちの会話が
耳に入ってくる事があります。
その内容は会社に対する不満や
他人に対する不満がとても多いです。
仕事後のプライベートの時間に
お酒を飲んで会社や他人への不満を
話すことでストレスが
発散される方も多いと思います。
これが良いことか悪いことか
と言う話ではなくて
人間は不満を募らせやすいものだ
と言う話です。
人は
「自分はこういう風な働き方をしたい。
こんな人間関係の中で過ごしたい。」
という理想を持っています。
しかし、現実がその理想から
離れていってしまうと
「こんなのあり得ない。
こんな会社どうなんだろう・・」
と言う気持ちに誰しもなっていきます。
不満の根本的な部分は
他者とのコミュニケーションによるものなので
自分一人で全て解決するのは無理です。
だからと言って
不満を抱えた人が
このまま不満を募らせていく
と言うことは一番の問題です。
スタッフに置き換えると
不満を抱えたスタッフが
そのまま不満を蓄積させていったら
どうなると思いますか?
最後はそのスタッフは
「辞める」と言う選択をしてしまいます。
もし、辞めてもらっても良いと
思っているスタッフであれば
そのまま放置で良いですが
辞められても良いと思うスタッフが
何人もいるクリニックは、ないと思います。
多くの院長は
今働いてくれているスタッフに
できるだけ長く働いて欲しい
と思っているはずです。
だからこそ、スタッフに
「辞める」と言う選択をされる前に
スタッフの不満を解消していくことが
とても大切です。
不満を抱えているスタッフは
・表情が暗くなる
・感情の起伏が激しくなる
・元気がなくなる
・裏で愚痴を言い出す
など、他にも色々な小さなサインが出ています。
これら以外にも
患者さんへの対応に
クリニックや人間関係の
不満が出てしまう人もいます。
もし、このようなスタッフの
小さな変化に気づいたら
そのスタッフと話をしてください。
その際に気をつけてほしい事があります。
例えば、患者さん対応が
上手く出来ていなかったり
適当になってしまっている
スタッフに対して
その場で
「最近、患者さん対応、良くないよ」
と言ったり
感情の起伏が激しくなっている
スタッフに対して
「そういう態度はやめて」
と言ったりすることは絶対にダメです。
そもそも、何か不満を抱えていて
そう言う態度や行動に現れてしまっているのに
そこをいきなりダメ出しだけされたら
そのスタッフは間違いなく
もっと不満が募ります。
それがキッカケになり
「辞める」気持ちが
より一層高まってしまいます。
スタッフの行動や表情などに
何か良くない変化を見つけたら
「〇〇さん、最近元気がないみたいだけど
仕事のことで
何か気になることとかあれば
聞きたいから
一度ちょっと話す時間作ろうか」
と言う感じで、時間をとって
話をする場を作りましょう。
そして、この話をする時間は
診療時間を削ってするのが良いと思います。
診療時間が難しければ
お昼休憩や仕事後でも構いませんが
その場合はどちらも残業代や
時給として給料を出すことをお勧めします。
これは、スタッフと院長の
信頼関係に依るところが大きいので
給料を出さなくても大丈夫という
クリニックもあるかもしれません。
ただ、そもそも仕事や他スタッフ
院長に不満があることで
話をする時間を設けたので
それを休憩時間や仕事後にするとなると
さらにそれが不満になってしまう
可能性が高いです。
したがって
診療時間を削ってする以外の時間なら
給料を発生させた方が
スタッフの不満も抑えられると思います。
では、話をする時にどのように話すか?
スタッフに対して
「最近、仕事の時にこう言う行動が
見受けられるけど
何か、仕事に関して不満があれば
話してくれる?
言いにくいかもしれないけど
私(院長)に対してでも、なんでも良いから」
と言うように、
なんでも聞くと言う姿勢を見せて下さい。
たまに、オレ様系の院長だと
スタッフに対して
「今、何か問題あるの??」
とすごく上から目線で
話をしてしまう人がいます。
こんな威圧的な態度で話すと
スタッフの方は
「何もないです・・・」
と、何も話さなくなってしまいます。
こんなオレ様系院長は
そう言われても
「いや、なんかあるんでしょ?
気になることあるんだったら
やるから言ってよ。」
と言うように、
上から目線を崩さずに話しますが
これでは、スタッフはどれだけ聞いても
答えないままでしょう。
特に、不満の原因が院長に対して
思うところがあると言うならば
こんな話し方の院長に
間違いなく言いません。
スタッフが院長に対して
不満がある場合
院長に不満や文句を言っても
こう言う風に改善して欲しいと言っても
絶対に怒らず受け入れてくれる
と言う感覚がないと
スタッフは間違いなく
本心を言いません。
こんなことを言うと
怒られるかもしれない
こんなふうに言うと
気分を害すかもしれない
と思うような相手には
思っている事があっても
言いたいことは言えませんよね。
だから、何を言われても
全て怒らずに、機嫌を悪くせず
最後まできちんと聞く
と言うスタンスを
スタッフにわかるように見せて下さい。
とは言え、院長に直接
院長に対する不満を言うのは
なかなか口が重くなるスタッフも多いはずです。
そう言う時には
「仕事中、忙しくて私の発言や行動で
いろんな微妙なことってあると思うんだよね。
だから、そう言うので気になる所や
気づいたことがあれば
それも併せて言ってほしい。」
と言う感じでスタッフに言うと
スタッフも少しは話しやすくなり
色々な意見が出てきます。
例えば
「実は、こう言うところが
気になっています。」
「先生が、こう言うふうに
やった方がいいと言われたので
他のスタッフにも
それを実践するように言っているけど
先生が一番やってくれていないので
それでは私が他のスタッフに
示しがつかず困っています。
先生にも、きちんと実践して欲しいです。」
などなど。
このように、自分が話をきちんと
聞くスタンスを持つと
意外とスタッフは、いろいろな事を
きちんと言ってくれます。
だから、とにかくしっかり
スタッフの声を聞く姿勢を見せて下さい。
しかし、スタッフの変化に気づける
院長は良いのですが
それ自体になかなか気づけない院長も
少なくありません。
診療が忙しくて
スタッフが悩んでいるのか
不満を持っているのか
なんだかよく分からない。
診療で手一杯と言う人は
気づけるようにしようと思っても
残念ながら出来ません。
ゆえに、こういった院長は
気づいて不満を抱えたスタッフと
話すのではなく
全てのスタッフと定期的に
個別にミーティングをするようにしましょう。
頻度は2ヶ月に1回程度30分程度
で良いと思います。
その際には
「困っていることや悩んでいること
クリニックでこうしたい
とか言うこと何かあるかな?」
と、まずは何でも聞くと言う
雰囲気を出しましょう。
こう言った質問に対して
特に不満や悩みのないスタッフもいます。
その場合は、今後クリニックを
どうしていくか?
新たな取り組みなど建設的な話を
個別ミーティングで行うと良いでしょう。
しかし、不満や悩みがある
スタッフに対しては
きちんとそれらを聞き出し
改善していくようにしましょう。
不満があるスタッフに対しても
不満のないスタッフにするのと同様
建設的な話ばかりしていても
問題解決にならず
スタッフの気持ちには
届きませんので気をつけて下さい。
スタッフの不満や悩みを
解消するためには
兎にも角にもスタッフの話を
しっかり聞くと言うことが何より大事です。
途中で、不機嫌になったり
反論を重ねたり
適当な態度になったりせずに
最後まで聞いて下さい。
院長も話をきちんと聞いてくれると
分かるだけでも
スタッフは不満が
少し解消されることがあります。
お互いに気持ちよく仕事をするためにも
辞めたい職場でなくすためにも
院長が話を聞くことは、とても大切です。
次回は、私がスタッフから聞いた
「仕事を辞めたいと思う原因」
についてお伝えしていこうと思います。
伊勢海 信宏
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