前回の
『メガネ屋から学ぶ歯科医院経営について〜その① 初期投資〜』
(http://haisyakaigyo.com/?p=6737)
の続きをお伝えしていきます。
前回のお話では、
私が大手眼鏡チェーン店の
JINS(ジンズ)の銀座ロフト店で
学びを得たとお話しましたね。
こちらのJINSでは
コストをかけない店舗づくりが
素晴らしいと感じました。
そして、こちらのお店を見ていて
これ以外にもう1つ素晴らしいと
感じたことがありましたので
紹介したいと思います。
これは、銀座ロフト店だけの話ではなく
JINS全体のことでされていることです。
JINSはどこの店舗も総じて
店舗にコストはかけていないと思います。
しかし、きちんとお金をかけている所があります。
勿論、眼鏡のクオリティを
上げることには
費用をかけていることと思います。
私自身は、眼鏡の品質について
専門的なことは解りかねるので
詳しいことは
何も言えないのですが
眼鏡専門のお店なので
当然ながら
眼鏡の研究開発はされていますよね。
そこは、当然として、それ以外に
もう1つお金をかけていることがあります。
JINSでは、若い女性向けの眼鏡が
いくつも作られています。
それらの商品は
「こんなキャラクターのあなたは、これ!」
「あなたの願望に合わせた眼鏡は、これ!」
と言うようにお客さんの
キャラクターや理想像に合わせた
眼鏡として売り出しているのです。
ただ、これをJINSだけの力で
作っているとしたら
少し信憑性に欠ける
と思われる所もあります。
しかし、10代〜20代に人気の
メイクアップアーティストと
コラボした商品を
打ち出していました。
眼鏡店だけの意見で
キャラクターや理想に合わせた眼鏡
と打ち出されても
流行に敏感な若い女性たちは
そこまで興味を示さないと思いますが
それが有名な名クアップアーティスト
とのコラボとなれば話は別です。
実際に若い女性客の方は
その眼鏡の売り場を見ていましたし
陳列もその商品のスペースだけは
可愛い感じにしていました。
前回もお伝えしましたが
JINSはディスプレイなど
店舗にはそこまでお金を
かけていないようです。
その一方で
人が「これ欲しい!買いたい」
と思う気持ちや
「こういう風になりたいな」
と思う気持ちや感情を唆る
コラボ企画をしたり
広告を出したりして
そこにお金をかけています。
この戦略により
眼鏡がすぐに必要な、お客さんだけでなく
今、新しいものを買うか
買うまいか悩んでいるお客さんをも
買う気にさせてしまうのです。
例えば、若い女性で
眼鏡は既に持っていて
至急もう1つ眼鏡が
必要ではないとします。
しかし、自分がいつも読んでいる
大好きな雑誌の誌面をよく飾っている
好きなメイクアップアーティストとの
コラボ商品があると知ったら
「すぐに買わなくても良いけど
コラボ商品だし
この眼鏡をかけたら可愛くなれるかな」
と買おうと言う気持ちが
大きくなるでしょう。
買うかどうか迷っている時や
どんな眼鏡を買えば良いか?
自分にはどんなものが
似合うのか迷っている時に
悩みを明確に解決してくれる
ワクワクする商品紹介を
打ち出してくれるお店は
他にも数ある眼鏡店と比較しても
購買意欲が高まります。
このように、来店してくれる人が
どうしたら眼鏡にもっと興味を持ってくれるのか?
どうしたら、「買おう!」と
あと一歩踏み出してくれるのか?
そう言ったポイントに刺激を
与えられる新作を
どんどん出していて
そこにお金をかけられているところに
「JINSって凄いな」と感じました。
私がお店に行った時には
このようなコラボ企画などをしていましたが
期間限定だと思うので
今はもう既に終わっているかもしれません。
しかし、次々と色々な企画や
商品があると思うので
経営者としての目で
新たな発見をするために
近くの店舗に行ってみると楽しいと思います。
ここまで、 JINSについて
熱く語りましたが
何をお伝えしたかったかと言うと
JINSの眼鏡を良くすると言うのは
歯科医医院で言うと
歯科治療を良くすると同じことです。
眼鏡屋さんで、眼鏡レンズの質を上げる
フレームの質を上げる
眼鏡全体のクオリティを上げる
と言うことは我々が、歯科治療の
技術を上げることと一緒です。
しかし、眼鏡のクオリティを
上げたからと言って
若い女性の方が眼鏡を買うのかと言うと
それはまた別問題です。
それ以外にも
「眼鏡は来年買い替えれば良い」
と思っている人が
眼鏡のクオリティが上がったから
と言って、今買うかと言うと
それも別問題です。
このように今すぐ買わなくてもいい人を
買う気にさせるには
気持ちに対して刺激を与えることです。
歯科医医院も同じで
治療を上手くしていくことは当然
重要です。
JINSだって、もし眼鏡の質が悪ければ
一度買ったら次はもう買いません。
だから、クオリティを上げることは
当然で一番重要なことです。
クオリティは高いのが
大前提として
更に購買意欲に刺激を与えることが
とっても重要です。
歯科医院で、刺激を与えることが
出来れば患者さんは
治療の中断をしなくなりますし
SPTにも、きちんと通うようになります。
では、どのように患者さんの気持ちに
刺激を与えれば良いのでしょうか。
JINSもお客さん一人一人に
スタッフがついて
お客さんの気持ちに
刺激を与えられるわけではありません。
それでは、人件費なども
大きくかかってしまいます。
では、どうやってお客さんの気持ちに
刺激を与えたのか?
と言うと、
それは紙媒体のチラシや
ポスター、カタログなどの広告と映像です。
歯科医院も同様に
紙や映像で、患者さんの気持ちを
刺激できるようにする取り組みをする
と良いと思います。
ここに、しっかりと注力できれば
中断患者さんの減少、SPTの増加
自費治療の増加に繋がります。
そのため、是非患者さんの
気持ちに刺激を与えられるように
紙媒体や映像を有効活用してみて下さい。
私は『歯科開業医ネットワーク』と
言うもので患者さんの気持ちを
変える小冊子や
手間なし動画を販売しています。
この手間なし動画とは
医院内で動画をかけ流しておくだけで良いもので
内容は歯科治療に対する
患者さんの意識を
変えられるようなものです。
紙媒体も映像も、全て自分で
作るのは億劫だと思う方は
活用して頂ければ
時間もかかりませんし良いと思います。
また、自分で作っても
こちらで販売しているものの
クオリティは絶対に出せないので
自分の時間を割いて作るなら
購入した方が圧倒的に安いです。
そして、クオリティも高いです。
これまでの経験や、心理学も学び
患者さんにどのようなところに
訴えれば良いのか?
刺激すれば良いのか?
なども全て考えた上で
作ったものなので
是非これを使って
患者さんの気持ちを
変えてもらえると良いと思います。
前回からJINSから学ぶ
経営についてお伝えしてきましたが
今回でおしまいです。
次回は、また違った視点で
お伝えしていきます。
伊勢海 信宏
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