今回は
他業種から学ぶ歯科医院経営
についてお伝えしていきます。
他業種と一言で言っても
色々ありますが
今回はチェーン店のメガネ屋から学んでいきます。
さて、これを読まれている方は
普段は眼鏡をかけているでしょうか？
もし、眼鏡を持っていると言う方は
どこで眼鏡を購入されていますか？
私は、眼鏡を毎回「JINS（ジンズ）」
と言うお店で購入しています。
このお店は大手眼鏡チェーン店で
全国に店舗があります。
ご存知の方も多いと思いますが
知らない、買ったことがないと言う方
に簡単に説明させて頂きます。
JINSには数多くの眼鏡がありますが
価格は、３パターンです。
どの価格のフレームにするかを選び
あとはレンズがどんな度数であっても
価格は変わりません。
私は、いつもJINSで眼鏡を
購入しますが、初めて購入したのは
横浜駅にあるJINSでした。
後日、車に置いておく用に
もう１つ同じ眼鏡が欲しいと思い
購入することにしました。
その時期、JINSは売り上げ
利益共に上げている時だったので
一体どういうお店なのかと興味もあり
横浜の店舗以外の店舗も見てみたくて
銀座のロフトにある店舗で購入しました。
銀座ロフト店は、横浜の店舗とは
全く違った内観でした。
そして、これだけ売り上げを上げて
上手くいっているお店が
こんな風にしているんだ！
と驚いたことがありました。
JINSは全国展開していて
海外にも出店している知名度も高い
眼鏡チェーン店です。
その中で銀座ロフト店は
ロフトの中にお店があります。
私がお店に行った時
商品である眼鏡の陳列は
眼鏡をあるモノの上に
置いてある状態でした。
このあるモノは、黄色と緑の２色です。
皆さんも、知っているものです。
何だかわかります？
なんと！スポンジです。
１００円均一とかで売っているような
普通のスポンジ。
全ての眼鏡が、この黄色と緑の
スポンジに乗っていました。
これを見て、私はすごいなと驚いたのです。
何がすごいと思ったかと言うと
全然お金がかけられていないと言うことです。
ただ、遠目で見ると
スポンジの色が統一されていて
変な感じは全くしませんでした。
近づいて、よく見てみると
「これ、スポンジか」と思う感じです。
さらに、よく見てみると
そのスポンジを置いている棚も
驚きがありました。
どんな棚かと言うと
倉庫で使うようなスチール棚を
緑に塗装しているものでした。
その緑のスチール棚に
スポンジを置いて
その上に商品である眼鏡を
陳列しているのです。
これだけ有名店で
売上も上げていて
更に銀座にあるお店なのに
これほどまでにディスプレイに
費用をかけていないことに
本当にびっくりしました。
この「びっくり」は
決して悪い意味ではありません。
反対に、素晴らしい！と思った驚きでした。
JINSの眼鏡の単価は
５千円・８千円・１万２千円と
３パターンです。
と言うことは
１つ眼鏡を売ったとしても
元が５千円の中に、レンズ代、
フレーム代は勿論、眼鏡ケースも付いて
更に視力を測ってくれるスタッフの方の
人件費や家賃など諸経費を差し引くと
利益は少ないはずです。
眼鏡がいくら人気があると言っても
朝から晩までお店の前に
長蛇の列ができるほど売れている
と言うことはありません。
それを考えると、
初期費用をかければかける程
後で回収するのが大変になります。
JINSは初期費用を、あまりかけずに
店舗デザインをダサくなく
良い感じにお洒落にしていて
お客さんが
「なんかこの店の雰囲気嫌だな」
と感じることは全くないと思います。
コストをかけずに、顧客満足度を
下げることもなく
JINSのブランドイメージをそのまま
打ち出して作られていることが
本当にすごいと思います。
この価格帯の眼鏡であれば
すごい富裕層が来店されることは
あまりないですよね。
実際に来店している客層の多くが
大学生位〜３０、４０代の社会人の方でした。
この客層がターゲットであれば
お店のディスプレイを
超高級な感じにする必要はありません。
その客層の需要に合わせて
ブランドイメージを損なわずに
ローコストで店舗を作ることが
出来るのは、とても素晴らしいことです。
どんなお店でも、初期投資に
コストをかければ、かける程
それを返済していくことが
大変になります。
これは、歯科医院をつくる際にも
適用することができます。
あなたが、歯科医院をつくるときに
理想としては綺麗で高級感があり
お洒落なものを作りたいと
思われるかもしれません。
もちろん、それは素敵ですし
悪いわけではありません。
完成した時の満足度も高いでしょう。
しかし、それにかけた費用は
借金となって何十年も
返済し続けなければなりません。
では、私達がしている歯科治療は
１回当たりの平均治療単価が
およそ５〜６千円ほどで
そこから人件費などの経費を
差し引いて出る利益を考えてみて下さい。
これを考えると、綺麗で高級感があり
お洒落で・・・と全ての理想を叶えて
高級な歯科医院をつくると
その分、借金の返済は５年、１０年
それ以上と遅くなる可能性があります。
医院をつくる時には、見る人や患者さんが
「何だかチープな感じがするクリニックで、嫌だな」
と思われるような医院は避けるべきですが
だからと言って超高級な感じに
する必要はありません。
高級感があるから、患者さんが
たくさん来院されると言うわけではありませんし
通院されるようになった患者さんが
高級感があるから通院している
と言うことは少ないはずです。
大切なのは
医院のブランドイメージを損なわないことです。
そこを重視して、費用はかけすぎず
お金の投資の仕方を考えると
良いと思います。
とは言うものの、地域によっては
高級感が必要な場所や
患者さんもそれを求めている場所
もあるかと思います。
または、「高級感」を
ブランドイメージにしていて
そこで周囲と差別化を図る狙い
がある場合など
策略として費用をかけるのであれば
良いと思います。
しかし、特に高級感で周囲と
差別化を図るわけでもなく
自費治療に、すごく力を入れていて
患者層も富裕層を狙うと言う
明確な策略があるわけでもなく
「なんとなく」綺麗でお洒落で
高級感がある医院を作ろうとするのは
やめましょう。
これはよくある事で
なんとなく高級なものや内装で
揃えていっていたら
開業資金がすごく膨れ上がって
いることがあります。
これは、開業後が大変になってしまいます。
又、開業してから思ったように
売上がなかった場合でも
既にかけた借金は、変更出来ません。
よって、お金の使い方、
お金をかける部分を考えて下さい。
それに、JINSも含め、色々なお店の
内装やディスプレイはどうなっているのか？
などを考えながら
見るのも楽しいと思います。
高級路線でやっていて
上手くいっているお店もあるので
そのお店はどう言う戦略で
やっているのかなど
考えることで参考になると思います。
この時に注意するポイントは
何でもかんでも見れば良い
わけではなく
どんな業種にしても
「売れている、上手くいっているお店」
という条件でフィルターをと通して
見るようにしましょう。
もし、このフィルターを通さなければ
「このお店、お金をかけている感じだし
自分の医院もこれを参考にしよう」
と参考にしたものの
そのお店が３年後には
潰れてしまっている可能性もあります。
したがって、上手くいっている会社と
言うこと条件は大前提として
その会社のやり方は何なのか？
などを考えたり、
研究すると良いと思います。
また、お店などに行った時にも
肌感覚でも良さそうと思うものがあれば
自分なりに分析してみると良いでしょう。
マーケティングについても
別に高級店に行かなくても大丈夫です。
普段の生活、日常の中に学びは
たくさんあります。
もちろん、たまに高級店に行ってみて
学びがあることもありますので
たまに行くのも良いと思います。
しかし、良いところに行かないとダメ
一流に触れないとダメなんだと言う人もいますが
私は、そう言う風には思いません。
高級、一流のものに触れることで
そう言うものもあると知るので良いと思います。
逆に今は、日常の中でもいろんな店が
いろんな事をしています。
それらを感じ取って考えることの方が
より機会が多く、成長すると思います。
是非、スーパーマーケットに
行った時やお店に行った時に
何かを感じ取って欲しいと思います。
JINSに行って、もう１つ凄いと思った
ことがありますが
続きは次回お伝えします。
伊勢海 信宏
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