歯科医師とお金のお話の4回目です。
今回お伝えすることは
「お金の面で、自分の現状を知る」
これまでに「歯科医師とお金」のなかで
１つめ「人生で大きく必要なお金」
２つめ「人生で貯められる時期」についてお伝えしました。
この２つの内容を踏まえて
自分の今後を予想してください。
例えば、これから結婚を考えているならば
・〇年後くらいに結婚し家を購入する
とプランニングします。
次に、結婚後に購入する家は
いくらくらいのするのか？というところまで
予測しましょう。
自分が住みたい地域や、友人や周囲の人たちが
どんな家を購入しているかで
ある程度の金額の予測はできます。
家の購入以外にも、その先に子供を考えているならば
将来的に学費なども、どれくらいかかるのか予測してみましょう。
「今後、お金がかかるんだなぁ」
と漠然と思うだけよりも、
・具体的にどれくらいかかるのか？
・それは自分が何歳くらいの事なのか？
など、ライフプランとして知っておくと
貯め時も、使い時も事前にわかり不安が軽減されます。
でも、
「これで、将来のライフプランも分かったし
お金がかかる時期も貯め時もわかったから安心！」
ではありません！
将来にかかるお金や貯められるお金を
予想することは大切ですが
このライフプランを、より現実的にするためには
・現在、どれくらいの資産や負債があるのか？
・働き出してから、どれくらいの期間でいくら貯めたのか？
金銭面の現状を把握する必要があります。
現状を知れば、将来お金が必要なときまでに
あとどれくらい貯金をすれば良いのか？
具体的な数字が見えてきます。
また、貯めた期間がわかることで
今後も貯金をするときに、どれくらいの期間で
目標金額に到達できるかも具体的に予想できます。
ここで注意すべきポイントは
資産だけを見ないことです。
資産と言えば、
・貯金
・家や車
・株などの投資
などがあります。
しかし、資産の中でも家や車をもっているなら
多くの人はローンを組んでいると思います。
つまり、資産と同時に毎月のローン返済と言う
負債を抱えていますよね。
これを見落として資産だけを見て
将来の予想をすると間違った試算になってしまいます。
正しい試算をするために
現状の資産と負債の両方を把握しましょう。
当然ながら、資産も負債も
毎年変化します。
ローンを新たに組まなければ
ローン残債が減り負債は減少しますし
貯金は増加するかもしれません。
より現実的な信用できるライフプランを
つくって将来を安心できるものにするためには
できれば年に一度は資産と負債の棚卸をしましょう。
時期は、年末でも良いですし、
８月など、ご自身のお好きなタイミングで大丈夫です。
ただ、年に一度決まった時期におこないましょう。
資産と負債の棚卸を年に一度すると
「思っていた以上に一年間で貯められているな」
「もっと貯められていると思ったのに
あまり貯金できていない…」
ということが、よくわかりますよ。
では、資産を洗い出すには
・預貯金額を調べる
・所有している資産になりそうなものを洗い出す
資産になるものとは
①車
②家
③ハイブランドの時計やバッグなど
④金など
⑤保険
などがあります。
ノートパソコンなども資産ですが
仮に売却したとしても
それ程の金額にはなりません。
ここまでを資産として計上しだすと
かなり細かくなってしまい
棚卸し終えるまえに疲れてしまいますので
そのあたりは省いて良いでしょう。
では、①～⑤の資産について
簡単に説明します。
①車
車種、年式、走行距離などによって
資産価値も変化します。
自分の車と同タイプ、走行距離の近いものが
いくらくらいで中古販売されているか調べてみましょう。
販売されている金額の0.8～0.9掛け程度の
金額が買取してもらえる金額の目安です。
時計などに関しても、インターネットで
検索すると中古販売されている価格が見られます。
同じ商品でも、いろいろなお店から
価格もさまざまで売られています。
車同様、買取価格は0.9掛け程度だと
見積りましょう。
そして、参考にする価格は
一番安い価格です。
高い価格で売られているのを参考にして
資産として計算してしまうと
実際に売ることになった時に大きな誤差が生じてしまいます。
プラスになる誤差なら良いですが
マイナスになる誤差はつらいですよね。
資産を洗い出すときは、期待値よりも
現実をみて計算するようにしましょう。
②家
これも、インターネットなどで調べれば
およその金額はわかります。
特にマンションであれば、
同じマンションが売りに出ていなくても
近隣のマンションを見れば予想はできます。
地域・築年数・階層などが似ているものを参考にすると
良いでしょう。
しかし、これも仮に似た条件の物件が5,000万円で
売られているから自分の不動産価値も5,000万円とは
考えないでください。
不動産売却の際には、値下げをすることも多いからです。
例えば、5,000万円で出していても
購入希望者が「4,700万円なら即決する」
「引き渡し時期の融通は聞くので、
そのぶん値下げして欲しい」などと値下げ交渉されます。
値下げをされることを想定しておく必要があります。
さらに、ここから不動産会社に支払う手数料も発生します。
つまり、手元に入るお金は5,000万円ではなく
4,500万円程度と見積もっておく方が良いでしょう。
③ハイブランドの時計やバッグなど
これらは資産価値があるものもあります。
ただ、元値が20万円くらいのバッグで
使用品を査定に出しても、査定額はとても低いことが
多いようです。
また、今すぐ売るのではなく
将来売るかもしれないものなので
更に資産価値は下がるでしょう。
となると、資産計上するのに
ブランド品も入れておく必要はないかなと思います。
もし、ブランド品を資産として考えるならば
常に希少価値のある商品であることや
保存状態も考慮して計上するといいですね。
④金など
これも、金相場がいくらかは調べると
すぐに分かりますね。
そこから、手数料などを引いた金額を計上しましょう。
⑤保険に関しては「積み立て」の保険です。
「掛け捨て」の保険は、資産にはなりません。
もし、積み立ての保険に加入しているなら
現時点で、解約したらいくら戻ってくるのかを
調べましょう。
学資保険で加入している方はそれも調べておきましょう。
他にも投資をしていれば、それを売却したら
どれくらい入ってくるのかを計算しましょう。
これらを計算する時も手数料を引くことを
忘れないようにしてくださいね。
①～⑤の資産をすべて洗い出したら
次は、負債を洗い出します。
開業をしている先生の場合は
開業に関する借入は除いて、それ以外の借り入れを
みてください。
・家のローン
・車のローン
を借り入れしている方は多いです。
資産を計上して、プラスの面ばかり見ていても
ここからローンなどの負債を引かないと
純資産はわかりません。
ここを把握せずにローン破綻してしまう人もいます。
例えば、ローン残債4,000万円の家を
5,000万円で売りに出します。
値下げに応じた分と不動産屋さんへの
手数料3％を引いて
手元には4,500万円入ります。
ここから残債の4,000万円を引くと
マンションを売って得る資産は500万円。
これならプラスですよね。
しかし、もしローン残債が5,000万円だとしたら…
家を売っても、500万円のマイナス。
負債を抱えることになります。
資産と負債を把握しておかないと
いざと言うときに、マイナスになりかねません。
資産も負債も日々変動するものです。
毎月毎月、計算する必要はありませんが
年に一度は洗い出し純資産を把握しましょう。
この目的は「資産と負債を洗い出すこと」ではありません。
一年間でどれくらい資産を増やすことができているのか？
を確認するものです。
もし、思うように増やせていなければ
今後どうしていくかを考える機会にもなります。
面倒に思われるかもしれませんが
自分の資産状況を知ることは
今後自分が困らないためのプランを立てるために
とても大切です。
年に一度、計算してみてください。
伊勢海 信宏
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