前回
「歯科医師とお金① ~人生で大きく必要なお金~」
で大きな出費には、どんなものがあるかを
お伝えしました。
おさらいになりますが
- ・家を買うとき
- ・教育費
- ・老後資金
- ・開業資金
この4つが大きく必要になるお金です。
そして、今回は『いつお金を貯められるのか?』
についてお伝えします。
「歯科医師として働いていれば
毎月、収入があるから
貯めようと思えばいつでも貯められるはず…」
と思いたいところですが
前回の内容でもあったように
人生の節目節目には大きな出費があります。
これは、私たち歯科医だけでなく
会社員の方でも個人事業主の方でも
皆同じことです。
貯められると思っていても
少し貯金できたと思ったら出費があり
手元には意外と貯まらないのが実情でしょう。
だからと言って、貯金することを諦めると
大きなお金が必要なときに困ることになってしまいます。
したがって、貯められる時期には
しっかり意識して貯めておくことが大切です。
では、「貯められる時期」はいつなのか?
これは、ライフスタイルによって大きく変わります。
・ずっと独身でいる
この場合は、貯められる時期は
「常に」です。
家を購入する場合や開業する場合の
出費はあります。
しかし、教育費や自分以外の
大きな支出がないので支出に波がありません。
そのため、常に貯めることが可能です。
・結婚し、子供はもたない
この場合も、夫婦だけなので独身の状態と
支出はそこまで変わりません。
どちらかが専業主婦・主夫になると
その分、養うための生活費は変わりますが
支出の時期に波はありません。
・結婚し子供をもつ
この場合は支出に波があるので
貯められるタイミングを逃さないようにしましょう。
つまり、これから結婚し子供を考えている方や
既に小さいお子さんがいる方は
貯められる時期を特に知っておいてほしいと思います。
では、「貯められる時期はいつか?」
1つめのタイミングは、独身の間です。
歯科医になりたての頃は、収入も多くなく
貯金をするのも、なかなか難しいかもしれません。
しかし、数年すると収入も増え貯金できる余力がでます。
このタイミングで、しっかりと貯めておきましょう。
2つめのタイミングは、子供が小さいうちです。
これは子供をもつ人の場合です。
子供ができると、すぐにお金がたくさんかかると
思われるかもしれません。
しかし、実際には子供が小さいうちは
それほどお金はかかりません。
小学校から私立に行くと、お金はかかりますが
それでも幼稚園卒園までの間くらいは
お金には余力があります。
小学校が公立ならば、小学校卒業までの間も
大丈夫でしょう。
この時期を過ぎると、こどもの教育費は
かさみます。
中学校から私立に行く子も増えています。
小学校から大学まで国公立に行けば
私立に行くよりも随分と教育費は抑えられます。
それでも、中学生になれば部活を始め
その費用がかさむこともあります。
あとは、塾代や他習い事代などが多くかかります。
子供が中学生~社会人になるまでは
非常にお金が貯めにくい時期であると覚悟しておきましょう。
この時期を抜けると、3つめのタイミングは
子供が巣立ってからです。
仮に子供が2人いて、大学へ行くのなら
下の子が大学を卒業してからです。
4年生大学であれば、ストレートにいけば22歳。
大学院や歯学部、医学部に行ったり
浪人することがあれば24歳、もしくはそれ以上になります。
子供が社会人になってから
自分が仕事をできる年齢の間は
最後の貯められる時期です。
つまり、お金の貯めやすい時期は
- 独身の間
- こどもが未就学、もしくは中学生になるまで
- 子供が社会人になってから
もし、就職して数年で結婚をすると
独身の期間が短いため、「①独身の間」に
貯金をすることは難しいかもしれません。
その分、子供をもつことも早ければ
子供が独立するのも早いので
「③子供が社会人になってから」の期間が長くなります。
反対に、結婚が遅ければ
その分、独身の期間が長くなるので
その期間にお金を貯めることができます。
その分、遅く結婚し子供をもつと
子供が独立してから自分が仕事をできる期間が
短くなるため、その期間での貯金は結婚が早い方と
比べるとしづらくなるでしょう。
子供がすでにいる方や
これから結婚や子供を考えられている方は
これを意識して、貯金できるタイミングを
逃さないようにして下さいね。
ところで、なぜ今回このようなお話をしたか?
これから子供をもつことを考えている方や
既にまだ小さいお子さんをおもちの方が
現実を知り、将来慌てないようにしてほしいからです。
今の生活や今の収支や貯金は考えていても
将来、生活スタイルが変わった時の
収支・貯金を考える機会は、意識しないともてません。
また、子供がいない状態やまだ小さいうちに
中学生や大学生になったときのことを
想像するのは難しくもあります。
ですので、これを読んで、少しでも将来どの時期に
お金が貯めるべき時期なのかを覚えておいてくださいね。
今、まだ小さいお子さんがいると言う方は
まだお金に余力があり貯金は増えます。
そのため、「子供がいても、こんな感じでいけるんだ」
と思いがちです。
しかし、実際には中学生~社会人になるまでの期間で
それまでとは、打って変わって支出が増えます。
子供が中学生まではたくさん貯金できていたのに
中学生になってからは、それまでの貯金を切り崩して
生活をすることにもなります。
収入も同じだけ上がれば
そこまで痛くはありませんが
支出の増額よりも収入の増額は少ないかもしれません。
また、子供が一人だけだと余力があっても
二人いると、単純に考えてもその支出が倍になります。
子供が2人いるからと言っても昇給が倍にはなりませんよね。
つまり、子供が小さいうちに余裕があっても
それは期間限定です。
その後には、お金がたくさん必要になり
貯金もかなりしづらくなります。
また、会社員の方と違った収入体系である
私たち歯科医が気をつけないといけないことがあります。
会社員の方は、年齢が上がるにつれて
給料も上がります。
例外はありますが、入社1年目と入社10年目では
年収は上がっていますよね?
だから、子供が小さいときよりも
中学生になって支出が増えても
年収も少なからず上がっています。
しかし、歯科医師は違います。
歯科医師では30代~40代前半が
一番収入の多い時期です。
そして、40代後半~は、徐々に収入、売上ともに
下がっていきます。
年収が下がっていくのに支出が多いとなると
貯金がとてもしにくいです。
これらの事実を踏まえて
目先だけの収入や支出にとらわれず
先の見通しを立て計画的に
貯金しておくようにしましょう。
- 独身の間
- こどもが未就学、もしくは中学生になるまで
- 子供が社会人になってから
この3つの時期に、しっかりと貯めておくことで
将来、自分や家族が困るリスクが大きく減ります。
伊勢海 信宏
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