今回は
治療の流れと、そのポイント
についてお伝えします。
あなたのクリニックでは
診療の流れは決まっていますか?
例えば、基本的には全ての患者さんに
基本検査を行う。
口腔内写真を撮影する。
デンタルを14枚法で撮る。
唾液検査をする。
など、クリニックによっては
その方法、流れは様々です。
そして、どのような治療の流れがあっても
それはクリニックごとの決まりなので
良いと思います。
只、治療の流れが決まっているならば
必ずしてほしいことがあります。
それは、治療の流れを
紙に書き起こすことです。
もし、自分のクリニックが
患者さんの主訴を聞いて
主訴の部分だけを見て
少し検査をして
患者さんに治療をどうしていくか
聞きながら決めていくような流れで
診療をしているのならば
紙に書き起こす必要性はそれ程ありません。
しかし、主訴を聞いて
患者さんに委ねるだけではなく
自院では、こういうルールで
治療を進めていきたい。
その1つとして
14枚法でデンタルを撮影することや
初期治療を進めていくと
言うのであれば
それを、最初に患者さんに
伝えることが重要です。
只、これを全て口頭で
患者さんに伝えることや
全てをスタッフさんが
患者さんに伝えるのは
なかなか大変なことです。
かと言って、歯科医師が伝えるのも
時間がかかってしまうので
実際には難しいでしょう。
したがって、先ほどお伝えしたように
クリニックに治療の流れがあり
ある程度決まっているならば
紙面に書き起こしましょう。
そして、書き起こしたものを
ラミネートで加工しておきます。
それを、問診票を記入してもらった
患者さんに、問診票と引き換えに
お渡しし見て頂き
治療の流れを知ってもらいます。
当然、基本的な流れの通りに
いかないケースもあるとは思いますが
大まかな流れ
基本的な流れとして
自院のやり方を患者さんに
知っておいてもらう事も大切です。
治療を始める前に
患者さんに、これを読んで頂けていると
口頭で説明する時も
細かく説明しなくても
患者さんも簡単に理解する事が出来ます。
その為、流れを説明する時間が省けます。
更に、患者さんにとっても
先が読めるので
「次は何されるのかな」
「私が思っていることじゃない・・・」
と言うことになりません。
すると、知っている通りに治療が進んでいき
安心できます。
只、この方法をしていく上で
1つ重要なポイントがあります。
まず、この方法を実践しようと思い
クリニックの「治療の流れ」を紙面化します。
そうすると、多くの人は治療の項目を
列挙していきます。
例えば、
・基本検査をします。
・14枚法でレントゲン撮影します。
・診断します。
・処置をします。
更に、様々な処置の流れを順を追って書く
と言うのが、多いと思います。
しかし、これでは患者さんにとっては
不親切な治療の流れの説明になります。
何が不親切かと言うと
この「治療の流れ」で
大まかな治療の流れは理解できます。
しかし、この説明には
大事な事が1つ抜けているのです。
それは何か?
答えは、その検査やレントゲン撮影、
処置をする『意味』です。
例えば、デンタル14枚法は
なぜ撮るのか意味を知らないと
「なんで小さいレントゲンを
14枚も撮られなくちゃいけないの?」
「面倒そうだし、費用もすごくかかりそう・・・」
「詰め物が取れて来ただけで
そこだけ治してほしいだけなのに
それって、患者の為じゃなくて
クリニックの儲けのためなんじゃないの??」
と考えてしまう患者さんも
少なくはありません。
したがって、患者さんが
疑問を感じるような処置
「こんなの必要なの?」と
感じそうだと思う内容には
なぜ、それが必要なのか?
を説明する文を必ず入れてください。
これが、「治療の流れ」を
紙面化する上での大切なポイントです。
この説明を書き入れないと
折角、治療の流れを読んでもらっていても
患者さんに
「この検査は結構です。」
と断られてしまうことになります。
また、説明文を書かない代わりに
口頭で説明すれば良いと思っていても
それでは結局、1つずつの流れを
細かく説明することになり
時間も労力もかかってしまうので
意味がありません。
治療の流れを作成したら
その全ての内容に細かく説明文を
入れる必要はありません。
患者さんが疑問に感じると思われる点
患者さんに必要性が伝わりにくいと
思われる内容のものにだけ
必ず説明を入れるようにしましょう。
これにより、患者さんの治療に対する
意識も上がり、治療に対して
少し前向きになります。
何をされるか分からない
何の意味があるのか分からない
理解できていない状態で
「されている」と感じる治療が
「治療の流れ」を読んで
全貌が見えた状態で受ける治療は
「患者さんの感じ方、受け取り方」
が全く違います。
自院のクリニックに
治療の流れがあるならば
それを紙面化して
患者さんに知ってもらいましょう。
クリニックにとっても
方向性を示せますし
患者さんも治療の方向性が分かり
不安を軽減することができます。
是非、実践してみて下さい。
伊勢海 信宏
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