医院を良くしたい
多くの患者さんに来て欲しい
より良い治療技術を身に付けたい
患者さんが来るのが苦痛ではない
来たいと思える環境を作りたい
など、医院を向上させたいと思っていますか?
きっと、これをいつも読んでくれている人は
そのような気持ちがあると思っています。
ところで、このように医院を
良くするために
院長はセミナーを受けたり
ビジネス、経営系の本を読んだりすると思います。
それは、すごく良い事です。
そして、それらから学んだ事を
基にして何か新しい取り組みを
院内で始める事があるでしょう。
その取り組みも良いことです。
しかし、新しい取り組みを始める時に
注意してほしい点が2つあります。
その1つは
『何の為にやるのか?』
その意味をスタッフに伝えるという事です。
何の為にやるのか?の
意味を伝えなくても
やる事だけを伝えれば
スタッフは言った通りにやってくれます。
でも、その行動は継続するでしょうか?
あなたがやる意味も分からずに
『3時間ランニングしてきて』
と言われて、その言葉の通りに
素直にずっとランニングを
3時間もするでしょうか?
『え!?なんで?』
と誰だって思いますよね。
スタッフだって同じです。
もちろん仕事だと言うのは
分かります。
ただ、同じ行動をするにしても
意味を理解してやるのと
意味を理解しないでやるのとでは
大きなモチべーションの差が生まれます。
モチベーションの差は
言い換えれば
その仕事のクオリティーの差や
継続率の差になって表れます。
あなたがセミナーなどで学んだこと
本を読んで得た情報や知識
そして、それを取り組みとして
行おうと思った理由は何でしょう?
その取り組みを行うことによって
達成できる目標があるからですよね。
目標があれば、途中の経過も
楽しめます。
しかし、目標がなければ
ゴールがどこか分からないので
途中で疲れてしまいます。
そうすると、モチベーションは下がります。
だって、どこにゴールがあるか
分からないのに
しんどい思いなんて
誰もしたくありませんよね。
例えば、売り上げを上げて
目標金額を達成したら
社員旅行にみんなを連れて行って
更なる仕事のモチベーションを
上げてあげたい
と思っていて
「自費のカウンスを、どんどんする」
「保険の治療も、予約枠を多くする為に
今までは30分枠で取っていたのを
15分枠にして
1日の予約数を多くする」
と言う取り組みをしたとします。
しかし、スタッフにこの理由を
説明せずに
することだけを伝えたとします。
スタッフは言われた通り
自費のカウンスに力を入れ
保険治療の患者さんが増えて
忙しくなっても
頑張ります。
明らかに忙しくなって
しんどくなっているし
売り上げが上がっているのに
スタッフも気付きます。
しかし、すぐに給料が増えるわけでも
院長からの労いの言葉が
あるわけでもなく・・・
こんな状態で、スタッフはどう
感じるでしょうか?
きっと、
「前より仕事量も増えて
しんどい思いをしていて
売上も上がっているのに
自分達には、何も反映されない」
「これだけ忙しいのに、
まだまだ患者数を増やしたり
自費治療を増やして
一体、どこまで達成すれば
院長は満足するんだろう?
ずっと、この大変な状況が続くのは嫌だな」
「院長は一体、
何を目指しているのかな?」
と思います。
頑張っても、真面目に取り組んでも
評価されることがなければ
衛生士や助手のモチベーションが下がるのは
目に見えています。
だからこそ、あなた自身が
この行動の意味って何だろう?
としっかり考えたうえで
それをスタッフに伝えると良いと思います。
先ほどの例で言えば
スタッフに頑張ってもらって
その成果で、みんなで社員旅行に
更なるモチベーションアップと
医院としての、親睦も深めたい
と言う目的があるならば
それを、きちんとスタッフに
伝えれば良いだけです。
その目的や目標、ゴールが明確であれば
スタッフ達はアポイント枠が増えて
忙しくなったり
自費のカウンスを積極的にして
売上が上がっても
給与に反映されなかったとしても
モチベーションを下げることなく
そして、仕事のクオリティ
統率性も保ったまま
仕事を遂行してくれるでしょう。
場合によっては、クオリティも統率性も
「保つ」だけではなく
もとより向上することもあります。
それは、やはりスタッフの
モチベーションが上がり
言われたことだけをすると言う
受動的な状態ではなく
自発的な状態になるからです。
自発的になれば、
「院長に言われているから
とりあえず・・・」
ではなく、
「こうすれば、もっと良くなる」
と、行動をしてくれるようにさえ
なるかもしれません。
院長から見て、やる気がないなと
感じるスタッフはいませんか?
院長が、言ったことは一応するけれど
そこに、自発的な要素はなく
やらされている感が丸出し・・・
この子は、なんだかなぁ・・・
この子には、何を言っても
変わらないだろうな。
と思ってしまうスタッフ。
もし、こんなスタッフがいるならば
スタッフをその態度にしてしまっているのは
院長である自分だと言うことに
気づいて下さい。
そのスタッフのせいではありません。
もちろん、いろんなスタッフが
いるのは分かっています。
協調性のある人・ない人
モチベーションの高い人・低い人
積極的な人・消極的な人
いろんなタイプがいるのは当然です。
しかし、その中で、モチベーションが
高い、低いは
院長がコントロールできることです。
もともと、高い人は常に自発的に
何か目標を決めて
仕事をしてくれるかもしれません。
しかし、もともとが低いからと言って
モチベーションがずっと低い訳ではないはずです。
モチベーションを上げて
仕事を出来るようにする方向に
院長が持っていけていないだけなのです。
モチベーションが上がらない理由は
行動しても成功しない
認めてもらえないからです。
ゴールや目標がわからないと
成功は出来ませんよね。
そうなると、褒められることも
周囲に認められることもありません。
頑張っても、成功も
認められることもないのに
頑張るのなんて
誰でもバカバカしくなります。
逆を言えば、成功体験や
周囲に評価されることがあれば
自信がつき、モチベーションアップになるのです。
そして、それを経験させるのが
院長です。
モチベーションが上がれば
自発的になり、その行動が
また評価されれば
更にモチベーションが…
と、良い連鎖になっていきます。
そうなれば、院長が苦労しなくても
スタッフが、どんどん行動を
起こしてくれて
より良い医院になるでしょう。
したがって、院長は衛生士や助手の
モチベーションを上げることで
結果、院長としても
もちろん医院全体としても
向上していけることになるので
とても重要なことだと思います。
スタッフのモチベーションが低くて
困ると嘆く前に
自分の行動の意味を、きちんと
スタッフに伝えられているのか
を考えてみて下さい。
では
次回は、もう1つの注意点をお伝えします。
伊勢海 信宏
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