あなたの歯科医院は綺麗ですか?
「もちろん綺麗!」
「開業したばかりだし
建物も内装も、まだピカピカ!」
では、「新しさ」を除いても綺麗でしょうか?
例えば…
歯ブラシを飾っている棚に
ホコリは被っていませんか?
洗面所に水垢はついていませんか?
スリッパは汚れていませんか?
ユニットの下にゴミが落ちていませんか?
ガラス窓に指紋や汚れが
付いていないですか?
お金を受け取るトレーは
ボロボロじゃないですか?
白衣がシワシワじゃないですか?
ユニットのライトに
汚れがついてないですか?
スピットンに黒ずみや
前の患者さんの血液などは飛んでいませんか?
スタッフ、ドクターの履物が
黒ずんでいたりしませんか?
待合のソファーの裏に
埃が溜まったりしていませんか?
患者さんが通るところに
物が乱雑に置かれていてないですか?
こんなに矢継ぎ早に聞かれると
ギョギョッとしちゃいますよね。
小姑の様なポイントを挙げましたが
これらはどれも
患者さんは無意識で見ています。
特に女性は清潔か否かに対して
とても敏感です。
飲食店やお店、スポーツジムなど
どんな場所でも、清潔さを重視します。
それが命や健康を扱う
医療の場となれば尚更です。
開業したての医院であれば
建物も設備も内装も全て綺麗なのは
当たり前です。
しかし、古い新しいではなく
清潔に保たれているか否かが重要です。
どれだけ、古い医院でも
とても清潔にしている医院と
新しいけれど、清掃が
徹底されておらず清潔感に欠ける医院だと
患者さんは前者を選ばれます。
もちろん、最初に集患しやすいのは
新しい医院です。
建物自体が綺麗で新しいと
目を引きますし
建物が綺麗で新しいなら
診療室も綺麗だろうと思うからです。
しかし、初診では来院されても
清潔でないことがわかると
患者さんは、すぐに離れて行ってしまいます。
飲食店などでも清潔感は大事ですが
これらの店ならば、
「汚いけれど美味い店!」
と言う新たなジャンルがありますが
医療である歯科医院は
そんなジャンルはあり得ません!
医院が汚いけれど、治療が上手い
先生は勿論いるでしょうが
医院をきちんと綺麗にしていて
治療が上手い先生も山ほどいます。
それなら、絶対に医院を
綺麗にしている方を選びますよね。
どれだけ、腕が良かったとしても
医療行為を行われるのに
不潔な場所や道具を使用される
なんて怖すぎます。
自分が受診する側になって考えても
絶対に清潔な場所や道具で
治療してほしいですよね。
そもそも、医療現場なのに
清潔に重きを置いていない感覚が
患者さんからすれば
信じられないでしょう。
常々言っていますが
私は歯科治療を円滑に
そして最良に行うには
間違いなく患者さんの信頼を
得ないと無理だと思います。
清潔を重視していない事に
信じられないと感じている患者さんが
信頼を寄せることは
絶対にありません。
世間でも度々、歯科器具などを
滅菌している、していないと言うテーマが
ニュースにもなっていますが
それだけ、一般の人も関心が高いと言うことです。
「スタッフが毎日サッと掃除してるし
大丈夫でしょ。」
「そんなに分かりやすく
不潔にしていなければ
患者さんも、そこまでじっくり見ないよね。」
「血液が飛んだりしていなかったら
大丈夫でしょ?」
「毎日、掃除機かけたりくらいは
しているから大丈夫!」
と軽く考えてしまうドクターもいますが
そのままだと確実に患者さんの
評価は下がって行きます。
確かに、床が綺麗でないからと言って
器具も綺麗にしていない
滅菌しない!
なんて医院はないでしょう。
床掃除は、少し手を抜いているけれど
器具の滅菌消毒は当然のこと
しかし、それは歯科医院にとって
当然のことであり
患者さんにとっての当然のことではありません。
どこか不潔なところが目につくと
他のいろんなものを信じられなくなります。
先ほどの「汚いけれど上手い店」は例外として
ファミレスや居酒屋に行った際に
出されたグラスやお皿、カラトリーに
水滴跡や、汚れが付着したままだったら
どう感じますか?
このお皿はザザーッと食洗機に
まとめて放り込まれて
そのまま乾燥して
それを提供しているんだろうなぁ
と思いますよね。
「一枚一枚を丁寧に洗って
きちんと清潔なタオルで
拭いたりはしていないはずだ」
と思うでしょう。
「となると、厨房もそこまで
衛生管理をしっかりしていない中で
料理を作っているんだろうな…」
とか、考えちゃいますよね。
もしかすると、実際には
厨房の人たちは皆
髪の毛一本落とさないような
帽子を着用させられて
清潔なグローブをつけて
殺菌消毒された調理器具を使って
料理を作っているかもしれないのに。
お客さんの目につく
お皿やグラス、カラトリーが少し
清潔でなかっただけで
お店全体が清潔でない印象を
もたれるのです。
歯科医院も同じことで
掃除が雑だと
治療も雑で適当だと
連想されてしまいます。
残念ながら、あなたがどれだけ
「掃除と治療は別だ」
と思っていたとしても
患者さんは、そう判断してしまうのです。
せっかく治療技術があるのに
掃除を徹底しないばかりに
患者さんがいなくなってしまうのは
悲しいですよね。
だからこそ
しっかり清潔感のあるクリニックを
保つことは重要です。
あなたも大切な人を
家にお呼びする時は
家の中を綺麗に掃除しますよね。
それが礼儀だと思うし
汚い家だと、相手に自分自身の
人間性を疑われてしまうからですよね。
どれだけ、外面を綺麗に着飾ったり
高価なものを身につけていても
家の中が綺麗でないと
「あー、この人は外面ばかり
気にしているけれど
本当はだらしない人なんだなぁ」
なんて思われたりもします。
逆を言えば、高価なものや
流行のものを持たなくても
身ぎれいにしている人は
「きちんとしている人だな」
と思われて、好感ももたれ
信頼もされます。
医院も同じで、最新でなくても
綺麗にしておくことで
患者さんが安心して
来院できる環境を作ることが出来ます。
それは、確実に院長への
そして、医院に対しての信頼にも繋がります。
だから、患者さんをお迎えするには
清潔感のあるクリニックを保つことが重要です。
そのためには、自分の主観ではなく
患者さんの目線になって
本当に自分の医院が隅々まで
綺麗に清掃できているかを
きちんと確認してみて下さい。
掃除するスタッフやドクターは
どうしても、自分の視界の範囲で掃除します。
そして、自分の視界内が綺麗になれば
それで良し!と思ってしまいます。
しかし、実際は患者さんの目線と
スタッフの目線は違います。
床や、鏡などはスタッフでも
汚れに気付きやすいので
比較的みんな綺麗にします。
しかし、スピットンの内側の汚れ
毎回、治療が終わる度に確認していますか?
チェアーに実際に座ってみて
自分がうがいをするような目線で見て下さい。
スタッフやドクター側から見ていると
大して汚れているように見えませんが
実はスピットンの内側って汚れています。
前の患者さんのうがいで
飛び散った水滴。
水滴だけなら、まだしも
血液が混じっていることも・・・
こんなの見たら、患者さんは
一気に「この医院、不潔!!!」と思います。
制服も同じです。
こちらは、毎日洗濯も
きちんとしているし綺麗と思って着ていても
患者さんは
毎日洗濯していることよりも
制服についた染みやシワで
清潔感の無さを感じてしまいます。
自分たちが思う清掃と
患者さんが思う「清潔」の違いは
数多くあります。
とは言っても、自分たちでは
問題点が分からないと言う人は
一度、スタッフの中で
一番、厳しい目をもつ人でも良いですし
誰か身内の人でも良いので
きちんと忖度なしに
意見できる人にお願いして
患者さんが医院に入ってきてから
会計を終えて帰るまでの
流れ通りに動いてもらい
隅々まで見てもらうのも
良い方法です。
大事なのは「忖度なしに!!!」ですよ。
ここで気を遣われて
問題点を見逃されては
無意味になります。
どれだけ忙しくても
掃除をすること
清潔を保つことは、とても大切です。
医院の清潔を保つためには
患者さん目線で
医院の清潔を判断する目を持って下さい。
伊勢海 信宏
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