リーダーシップをとれていますか?
と質問をして、自信満々に
「はい!」と答えられる院長は
意外と少ないものです。
そもそも
リーダーシップの定義がわからない
リーダーシップって必要?
と考える人もいます。
今回は歯科医院における
リーダーシップについて考えてみましょう。
クリニックで働く人が多くなると
必ずリーダーシップをとれる人が
必要になります。
そして、これは必然的に
院長の役目になります。
院長と衛生士、助手の3人だけで
している歯科医院なら、わざわざ
「院長がリーダーシップをとらないと!!」
と思わなくても
関係性が成り立っていると思います。
しかし、クリニックの規模が
大きくなってくると
いろいろなスタッフが増えてくるので
リーダーシップを
きちんととれる人がいる事が
歯科医院を運営していく中で
非常に大事になってきます。
では、歯科院長に求められる
リーダーシップとは一体なんなのか?
実際には、リーダーシップは
様々な要素があるので一言で言えませんが
まず大切なのは
自ら先陣切って最初に動くことです。
具体的に言うと
自分は何もやらないのに
口だけで正論を言って
『あれやれ、これやれ、こうしろ。』
と言う人は先陣を切れていない
と言うことです。
こういう院長には
人はついていきません。
もちろん、院長とスタッフは
会社でいうなら上司と部下の様な関係性なので
表面的にだったり
短期的には
「あれやれ、これやれ…」方式でも
効果があります。
しかし、長期的な結果や
指示を受けたスタッフ達が自らの意思で
「しっかりやろう!」
と思うような環境を作り上げるには
「あれやれ、これやれ…」方式では成り立ちません。
自らの意思でできるスタッフを育てることは
院長の指示した通りに動くスタッフ
言い方を変えれば、
「院長の指示した通りのことしか出来ない
又は、しないスタッフ」
にするよりも、一見、時間がかかり
大変に思われます。
しかし、結果としては
自らの意思で動けるスタッフを育てた方が
確実に医院のためにもなり
時間も労力もかからないのです。
そして、この自らの意思で動ける
できるスタッフを育てるためには
先ほども言った通り
リーダー自らが最初に行動して
手本を見せることが大切です。
中国史などを読んでいると
分かりますが
将が先陣をきって行くと
軍の士気が物凄く上がります。
将がダメダメで
口先だけだと軍の士気は
物凄く下がります。
確かに、自分が兵士ならば
命がけで戦おうと思っているのに
口先だけのリーダーだと
それに従う自分たちはいつ裏切られるか
自分たちを捨てて逃げるか
わかったものではありませんよね。
そんなリーダーのことを信頼して
その人のために、自らを犠牲にしてまで
戦いたくなんてありません。
どうせ、同じように危険な目に遭うのなら
「この人のためなら!」
と思えるリーダーと共に戦いたいです。
もちろん、歯科医院での院長は
軍の将ではありませんし
スタッフも命がけで
仕事をしているわけではありません。
しかし、院長に院長としての
資質があるかないかで
スタッフが院長に
しっかり付いてきてくれるか
それとも、給料のためだけに働いて
なんの信頼も寄せられないかは決まります。
そして、後者であれば
そこそこ上手くやっているようには見えても
本当に成功する歯科医院になれることはないでしょう。
せっかく歯科医院を開業したのなら
医院を成功させたいと思うのが当然です。
そして、給料だけのために働く
スタッフに囲まれて仕事をするよりも
自分を信頼し慕ってくれるスタッフと
共に仕事をしたいことと思います。
このような信頼関係ができていた場合
歯科医院での離職率は、ものすごく下がります。
歯科医院は女性が多いので
どうしても結婚や出産を機に
退職していく人が多い職場です。
そのため、患者さんがスタッフの
顔と名前を覚えたと思ったら
またスタッフが変わって・・・
なんてことも、よくありますよね。
それが、たまにであれば良いのですが
あまりにもコロコロと
スタッフが変わる歯科医院は
患者さんに良くない印象を
与えてしまうことになるでしょう。
しかし、院長が正しいリーダーシップを
とってくれていて
スタッフとの信頼関係が
成り立っている医院では
結婚や出産などがあっても
スタッフは産休や育休をとることはあっても
辞めることはありません。
ゆえに、開業して10年経っても
初期メンバーからスタッフが
変わっていない医院もあります。
これは、患者さんにとっても
安心感につながるので
患者さん自身も転院したいと思わず
ずっとかかりつけにしてくれる事が多いです。
したがって
面倒だと感じるかもしれませんが
院長が率先して実行し動くことで
リーダーシップをとると言うのは
患者さんにとっても
スタッフにとっても
院長にとっても
そして、医院にとっても
メリットでしかありません。
この好循環を作るため
そのためには、まず自分が動くこと。
小さなことからでも
スタッフはそれを見ています。
例えば、スタッフ達の
患者さんへの対応が丁寧でなかったり
愛想がないと感じて
改善した方が良いと思っていた場合
スタッフミーティングで
「もっと、愛想よく
丁寧な対応をするようにして下さい。」
と指示することは、簡単です。
そして、それが本当にスタッフだけの
問題の場合は、簡単に改善できるかもしれません。
しかし、スタッフにも言い分がある事もあります。
例えば、予約時間より遅れて
来院する患者さんが多い。
こちらの話を全く聞いてくれない
患者さんが多い。
など、このような問題があった場合に
その指示だけでは
スタッフは指示に対して
腑に落ちないものを感じることでしょう。
しかし、そんな患者さんに対して
院長が、有言実行で丁寧な対応をしていたら
スタッフもそれを受け入れ
従う気持ちになってくれることでしょう。
逆に、スタッフには
「丁寧な対応をして愛想よくするように」
と指示しておきながら
院長は、患者さんが遅れて来たり
話を聞いていないと
すぐイライラした態度をとったり
そっけない態度をとったりしていたとしたら…
「院長自身は、患者さんに対して
全然、丁寧な対応が出来ていないのに…。
スタッフがいくら、対応良くしても
院長の態度のせいで
結局患者さんは
嫌な気持ちになっている」
と思うようになります。
そして、それなら自分が
どれだけ努力しても
院長が無駄にしてしまうし
丁寧な対応もしても一緒のこと
と、改善することをやめてしまいます。
これは一例ですが
院長が、率先して行動をしないで
スタッフに指示するばかりでは
スタッフは、付いて来ません。
また、その積み重ねは
どんどんスタッフのやる気を
奪ってしまいかねません。
そして、スタッフに
「また、新しい指示出して来たけど
どうせ、一過性のものだし
院長自身がダメにしちゃうんだし」
と努力すらされなくなってしまいます。
そんな状況では、医院として
間違いなく良い医院にはなれませんよね。
もし、スタッフや衛生士、ドクターに
高いレベルでの仕事を求めるのであれば
まず自分が率先する事も
一つ大事な要素だと思います。
伊勢海 信宏
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