スタッフへの声掛けをしていますか?
忙しいからと言って
スタッフとの会話と言えば
出勤時や退社時の挨拶と
仕事上の業務連絡だけになってしまっている人
多いのではないでしょうか。
確かに、診療が開始すると
なかなか時間が取れずに
『照射器とって来て』
『印象の用意お願いします』
など業務の話ばかりになると思います。
もちろん、仕事の最中は
業務の話だけでもOKです。
ただ、キャンセルが出て
少し時間が出来た時や
お昼の休憩時などは
多少でも良いので
歯科助手や衛生士に声掛けをして下さい。
あまり過度にすると
「休憩時間短くなっちゃうから
やめてほしいなぁ」
なんて、思われてしまうので
その辺は、適度にしましょう。
前回の
『歯科院長のリーダーシップ』
(http://haisyakaigyo.com/?p=1124)
でも、中国史の話を少ししましたが
良い将と言うのは
軍営で休んでいる時に
自軍の兵に声掛けに行ったりします。
そこで、将は兵士に
労いの言葉をかけたりするのです。
兵士達は、声を掛けに来てくれる側の
位が高い程、ありがたみを感じます。
自分達、一兵士のことを
しっかり考えてくれると感じるからです。
そして、偉い人なのに
自分達のことを気にかけてくれて
自分のことを認識してくれている
と感じることにより
将に対し、より信頼と忠誠心をもちます。
前回同様、将と院長は違いますが
上司や目上の人に
自分のことを気にかけてもらって
嫌だと思う人は少ないでしょう。
もしかすると、天邪鬼で
院長の声掛けを鬱陶しそうに
するスタッフがいるかもしれません。
しかし、それは院長の声掛けの
内容やタイミングが良くないのか
今まで、声を掛けられていなかった為
どう対応して良いのか分からずに
そのような対応をしているか
だと考えても良いかもしれません。
確かに、今まで会話などがなかったのに
いきなり話しかけられ出すと
「どう言う風の吹き回し!?」
と思うスタッフの気持ちも
分からないでもありませんよね。
しかし、それも声掛けを
続けていくことで無くなります。
めげずに、声掛けをしてみると
スタッフとのコミュニケーションを
取ることも難かしくなくなります。
なぜ自分がスタッフに気を遣い
歩み寄ってコミュニケーション取らないといけないんだ!?
なんて言う考えが、もしあるなら
一刻も早く、そんなプライドは捨てましょう。
スタッフから信頼され
スタッフが「この院長の下で働きたい!」
と思える環境を作る事が
成功できる医院です。
それを自分の変な固定観念やプライドで
少しの努力も出来ないのであれば
この先、他の成功できるポイントも
何も完全には成し遂げられないでしょう。
業務連絡ばかりで
一日が終わるのであれば
是非、少しでも良いので
スタッフに労いの言葉をかけては
いかがでしょうか。
歯科医院は閉鎖的な環境です。
患者さんからは
『先生』と呼ばれ
スタッフも
『先生、先生』と呼びます。
そして院長になると上司もいないので
自分を律しないと
なんだか変な方向になってしまいます。
院長として、スタッフに給料を
支払っているのは、事実です。
しかし、その給料は
何もお小遣いであげているわけではありません。
スタッフが医院のために
勤労してくれている対価として
支払っています。
歯科医院の運営は、院長一人では
出来ません。
ドクター、衛生士、助手、受付がいてこそ
患者さんを診ることが出来ます。
そして、そのスタッフ達がいるからこそ
自分は院長として歯科医院を経営できている
と言うことを忘れてはなりません。
雇用主として相手を見るのではなく
一緒に働いている仲間として
スタッフ達、一人一人を見る事が
大切だと思います。
今までスタッフに話しかけることが
あまりなかったなら
何を話し掛ければ良いのか?
と悩むかもしれませんが
そう難しいことではありません。
もともと、スタッフとの距離が
近かったり、会話も多い院長なら
プライベートな話題でも
日常的にできるかもしれません。
しかし、今まであまり話さなかったのに
突然プライベートな話題をしたり
聞いたりするとスタッフも
戸惑うかもしれませんので
それは、コミュニケーションを取ることが
普通になってからにした方が良いでしょう。
初めは、先ほども言った通り
普段の仕事ぶりを労うのが良いと思います。
ただ、この労いに「嘘」があっては
スタッフも、すぐに気付き
余計にスタッフとの距離ができてしまう
危険性があります。
嘘とは、どう言うことかと言うと
本当は思ってもいないことや
上っ面だけの労いの言葉です。
実際に、あるスタッフが以前
勤務していた医院で
「いつも、ありがとね〜」
「助かってるよ〜」
と誰にでも声掛けをする
院長がいたそうです。
確かに、従業員数も多く
院長も忙しいのに
その中でスタッフに
声掛けをする姿勢はすごいと
スタッフ自身も感じていたようです。
しかし、その院長はドクターにも
衛生士にも、助手にも、受付にも
勤務歴が長いスタッフにも
昨日入ったばかりの新人スタッフに対しても
常に「いつもありがとね〜」
「助かってるよ〜」だったそうです。
そして、その労いの言葉を受けた
スタッフ達は、誰もそれを院長の本心とは
受け取っていませんでした。
せっかく労ってもらっても
個人として把握されているわけではない
ということが露骨だったからでしょう。
せっかくの労いの言葉も
これでは、全く価値がありません。
そんな風に、誰にでも同じことしか
言わないよりも
少しでも、その個人のことを
きちんと見て労っていたら
スタッフの受け取り方も
全く違っていると思います。
ところで、春と秋の年に2回
天皇陛下が「園遊会」を開催されるます。
その様子がテレビで放映されりのを
観たことがある人は多いと思います。
あの園遊会に招待されるのは
内閣総理大臣や議員など
政治関係の人たちに始まり
各界の著名人や
メダリストなどの功績者と
とても幅広い人たちです。
しかし、それだけの人を相手に
天皇ご夫妻は、一人一人の前に立ち止まり
その人に合ったお話をされて
声掛けをされていますよね。
きっと、出席された方達は
天皇ご夫妻に
「自分のことを
きちんと知ってもらえている!!」
と思うことができ
それは、とても光栄で嬉しい体験だと
思えることでしょう。
院長も、こんな風に
一人一人に合った労いの言葉を
かける事が出来れば
スタッフの士気も間違いなく高まります。
そんな大きなことを労う必要はありません。
ただ、個人に合った内容で
受付なら、受付の対応に関して
衛生士の手技が上達しているなら
そのことを労えば良いのです。
スタッフは、自分の頑張りを
見てくれていると感じる事ができれば
自分も、もっと医院のために
貢献しようと思えます。
余談ですが
もし中国史に興味があれば
項羽と劉邦を読んで下さい。
漫画もあります。
対照的な2人であり
絶対的な戦力や能力を持っていた
覇王項羽が
なぜ最終的に劉邦に負けるのか?
どこが違うのか。
君主としての違いは何なのか?
そんな視点で
読むと分かると思います。
伊勢海 信宏
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