分院展開をしたいと思っている先生は多くいます。
これを読まれている先生も、ゆくゆくは
分院展開したいとお考えかもしれません。
では、なぜ分院展開したいのでしょうか?
分院展開をしたいと考える先生は多くても
「なぜしたいのか?」について
答えは2つのパターンに分かれます。
そして、この答えが
本当に分院展開をすべき先生と
すべきでない先生を分けるポイントになります。
もし、先生も分院展開したいと
考えているのであれば
今一度、『なぜしたいのか?』を
考えてみて下さい。
そこが重要です。
では、上述したように
「分院展開すべきでない」先生がいるのは
なぜでしょうか?
それは、分院展開と簡単に言っても
実際にはリスクがあるからです。
そのリスクを背負ってまで
分院展開する意味があるかどうか。
分院展開する最も多い理由は
「自分の経営している歯科医院の一軒目が
上手くいっているので二軒目を
出したい。」
確かに、開業して一軒目が軌道にのり
どんどん上手くいっていると余力も出てきます。
それに乗じて規模を大きくしたくもなりますよね。
そして、そこで真っ先に思いつくのは
やはり「分院展開」。
この発想は自然です。
しかし、先ほどもお伝えした通り
この発想にはリスクが潜みます。
一体どんなリスクかと言うと……
一軒目が上手く行っていても
二軒目は失敗するケースが多々あるのです。
【1+1=2】の様に単純に
上手くいくケースももちろんありますが
【1-1=0】かもしれないし
【0.7+0.3=1】かもしれない。
この数字は何を表しているかと言うと
利益です。
一軒目が上手くいっていると
安易に、二軒目も当たり前のように
黒字経営だと考えがちです。
その為、分院展開を考えるのですが
そう簡単なものではありません。
本院のクリニックの利益があっても
分院が赤字損失を出すかもしれません。
また分院に力が分散してしまい
本院の力が減衰することもあります。
もちろん【1+1=2】の様に
純粋に上手く行くケースもあります。
しかし、利益だけで見た時に
期待しているように【1+1=2】と
簡単になるかは分かりません。
利益増になるかならないかは
先にならないとわかりませんが
分院を出すと決まった時点で
明確に分かっているリスクがあります。
それは
・数千万円の投資をしないといけない
・自分の労力やストレスは莫大に増える
という事です。
一軒目で上手くいっている時は
ノリに乗っている時なので
「二軒目も上手くいって・・・」と
良いイメージが大きくなります。
しかし、その結果を得る前に
必ず通らないといけない道があります。
新しい医院をつくるためには
物件の家賃や設備、材料、人件費、
工事費などなど。
とにかく沢山の費用がかかります。
地域差は多少あったとしても
数千万円は確実に飛んでいきます。
そして、自分の労力。
実際に分院がオープンしてからは
分院のスタッフの管理や治療に関しても
一軒目を開業した時とは違った労力を要します。
ただ単に、やることが2倍になる
と言うわけではありません。
二軒目を経営すると言うことは
違った悩みがあり、労力も全く違うものがあります。
また、それらによるストレスも
多大なものになるでしょう。
だからこそ本当に分院展開する
意味があるのかを考えることが必要です。
冒頭でもお伝えしましたが
ここをきちんと理解したうえで
分院展開に踏み切らないと間違いなく
後悔することになってしまうでしょう。
分院展開をするのは、簡単です。
しかし、それを成功させられるのかは
また別問題です。
分院展開したいと考えている先生は
「二軒目も一軒目と同様
上手くいってほしい」
もしくは
「一軒目以上に成功させたい」
と思われているでしょう。
しかし、闇雲に手を出すと
痛い思いをしてしまいます。
初期費用として数千万円掛けて
「あー、失敗しちゃったな。」
「まっ、次に頑張れば良いっか」
「運が悪かったなぁ」
なんて、簡単に済ませられませんよね。
繰り返しになりますが、分院展開では
大きな負債を抱えることになります。
もちろん、それは分院展開が成功したら
返済していけるものなので
その『負債』は『投資』になるものです。
しかし、もし上手くいかなかった場合は
負債のままです。
せっかく一軒目で利益をあげていても
それを取り崩しながら二軒目の負債を
返済していくことになります。
そうなってしまうと
分院展開をしたら必ず生じる
労力と莫大なストレスが
更に上乗せして負担になるでしょう。
分院展開が成功すれば
このストレスと労力があっても
それを辛いながらも「やりがい」と
感じることもできるでしょう。
しかし、二軒目が赤字経営で
上手くいかなかった場合
それは本当に辛く重く自分に
のし掛かってきます。
忙しくてしんどいけど
利益増収できて規模拡大できているのと
しんどい思いはしているけれど
繁盛していなくて
今まであった余裕が金銭面的にも
精神面的にも失くなってしまった状態では
全く違いますよね。
一軒目の利益で二軒目をなんとか
やりくりするような分院展開ならば
無理して、する必要はありません。
「そんな風になってしまうと
分かっていたら分院展開なんて
しなかったのに…」
と思う人がほとんどだと思います。
したがって、分院展開を考えているならば
良いイメージだけを考えるのではなく
悪い状態も想定してみましょう。
そして、それでも分院展開をしたいと思えるのか?
そんな悪い状態になったとしても
なんとしてでも乗り越えると
思えるほどの気力と体力があるのか?
これらを、しっかり考えた上で
分院展開をするようにしましょう。
では、次は分院展開しても
上手くいくケースは
どんな場合かについてお伝えします。
伊勢海 信宏
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