前回、
『家庭や歯科医院の収支を考えみる。
そして投資です。』
(http://haisyakaigyo.com/?p=732)
の中で、
利益の浪費と再投資について
お話をしましたが
今回はそれに加えて
もう一つお金の考え方について
お伝えします。
それは
経営者としてのお金に対する
心構えです。
心構えなんて必要か?
と思われるかもしれませんが
これを知っているか
きちんと理解できているか否かで
今後が大きく変わります。
と言うと
ものすごく難しいことを言われるのか
と身構えてしまいますよね。
でも安心して下さい。
内容はシンプルかつ
当然のことです。
とは言っても、いざ自分の立場に
なると、この心構えをできていない人
が多いのも事実です。
ですので
今回は自分がそうなってしまわない
ように、今のうちに、そして今一度
『お金に対する心構え』を
理解していきましょう。
では、早速ですが
あなたの「お金持ち」の概念は
なんでしょうか?
「お金持ち」と言えば
当然のことながら、収入が高い人だと
答える人がほとんどです。
しかし
実は
「収入が高い人がお金持ち」
ではありません。
どう言うことかと言うと
世の中で
年収1000万
や
年収1500万
と、ある人でも
あまり貯蓄がない人って結構います!
いや・・・・・
結構どころか、めちゃくちゃいます。
これは、前回の記事にも書いたのですが
年収1000万円以上の世帯では10%の
世帯が年間の貯蓄額が0と言う調査結果
があります。
年収1000万円以上の世帯では
この貯蓄額の差が激しく25%の
世帯が3千万円以上の金融資産を
持っている一方、全く資産を築けて
いない世帯もあるのです。
ただ
すごく消費行動をするので
周りからは、ものすごくお金持ちに
見えます。
でも、当然ながら
すごく消費行動しているので
全然お金が残っていないのです。
仮に、もし現在の年収が500万円の
人からすれば、年収が1000万円や
1500万円となれば
夢のような金額です。
そして、きっと自分が1000万円の
年収になったら、絶対に貯蓄する!!
と思うことでしょう。
生活は年収500万円時代と同じに
すれば、単純に貯蓄額が
年間500万円は増やせることに
なります。
だから、そんな風に思うと思います。
しかし、前回と前々回
『歯科医院の売り上げと利益は
どうなるのか?』
(http://haisyakaigyo.com/?p=730)
でもお話したように
そうは上手く行かない人が
ほとんどです。
収入が増えると、その分生活していく
費用として全体的に少しずつ消費額を
上げてしまうからです。
なので、どれだけ高収入だとしても
貯蓄をしていない人は大勢います。
逆に、年収が500万でも
しっかり貯蓄している人もいます。
年収が高い人でも貯蓄をきちんと
出来ている人も、もちろんいます。
しかし、年収が高い人で
すごく消費行動をして、貯蓄を
出来ていない人は
もしかすると収入が高いが故と
言うこともあります。
例えば、
月収30万円の人と100万円
の人がいたとします。
月収30万円の人は生活をして
いくのに、少しだけ余裕がある程度で
毎月の生活費を差し引くと
豪遊できるほどは残りません。
ですが、500万円の車が
欲しいと思っています。
月収30万円なので年収にすると
360万円。
年収より高い車です。
となると、毎月生活費を差し引いた
数万円を貯金します。
なんなら車を購入するための
目標額まで生活費を切り詰めてでも
貯金に回します。
逆に、月収100万円の人も
同じく500万円の車を購入しようと
考えています。
年収にすれば1200万円。
年収の半分以下の額です。
月収30万円の人と同じように生活
していれば、すぐに手に入る
でしょう。
しかし、なかなか車購入資金が
貯まりません。
なぜか?
それは、いつでも貯められると
思うからです。
月収100万円もあるのです。
「今月は出費が多くて、
ほとんど残らなかったな」
と思っても
「とは言え、来月になれば
また100万円入ってくるんだ。
本気になれば、500万円くらい
いつでも貯めれる」
と思ってしまいます。
月収30万円の人が、いくら本気に
なっても、すぐに500万円を貯める
ことは出来ません。
それに反して、月収100万円の人は
それが可能です。
でも、その本気、
いつになれば
やってくるのでしょうか?
塾講師のようなことを言いますが
いつでもできる と思っていることは
いつまでもしない事 です。
そして、実際にやろうと思えば
いつでも出来る高収入者の方が
こういったスパイラルに陥り易い
のです。
誤解しないで欲しいのですが
貯蓄が崇高と言っている訳では
ありません。
消費活動をする事は
世の中の経済にプラスの影響が
あります。
みんなが、消費行動をせずに
貯め込むようになってしまうと
経済は停滞してしまいます。
ただ、私がここでお伝えしたいのは
世の中どうなるか分からないという事
だけです。
地震や経済危機が、
いつ起こってもおかしくありません。
実際に、新型インフルエンザが
パンデミックを起こし
世界中がパニックに陥ったのは
記憶に新しいことだと思います。
当然ながら、株価も大暴落
世界各地でロックダウンがあったり
医療崩壊も起こり、経済もストップ
しました。
また、同じような状況になったり
もしくはそれ以上の何かがあれば
個人としての生活も
大変になるかもしれません。
そして、歯科医師として考えるので
あれば
そういった時に患者さんが激減する
ケースも考えられます。
歯科医院を経営していき
組織のトップの立場ならば
しっかり雇用者を守る事、
クリニックを守ること
を第一に考え
経済的な体力を作る必要が
あります。
ですので、開業してある程度
経済的な体力がつくまでは
消費を抑えるのも経営者として
重要な事です。
収入が上がると自然と消費を
増やしたくなると思います。
消費をしたい感情との戦いですね。
なので、消費をするにしても
それが『浪費』ではなく『投資』
であるならば、その消費には意味が
あり、大事な事だと思います。
どうせ消費するなら
是非とも『投資』して下さい。
収入のうちの消費が
全て本当に必要な
「必要経費」と「貯蓄」と「投資」
であれば、安心です。
盤石な歯科医院をつくりたいと
思うのであれば
この心構えは
心に留めといてもらえたらと
思います。
伊勢海 信宏
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