今回はスタッフさんに
仕事を振る時の注意点について
お話ししたいと思います。
歯科医院経営をしていると
日々いろいろな仕事が発生します。
その中には、
今までやってこなかった仕事を
スタッフさんに頼まないと
いけないこともありますよね。
例えば
・保険の制度の変更に伴い
保険点数が変わるので
それを患者さんに
告知するための資料を作る
・滅菌関係を今までより
良くしたので
みんながきちんと実践できるために
仕組みづくりをする
・患者さんへの電話対応を
もう少し良くする
などなど。
色々な仕事やクリニックの
目標があり
そのために、すべき仕事が常に発生します。
こんな風に発生した仕事は
全てを院長だけが負担するのではなく
必ずスタッフに任せたり
お願いしていると思います。
各々の仕事の部門を分けていて
それに当たる部門の人の中でも
特に1人を責任者として
仕事を任せるようにしている
医院もあると思います。
そんな中で
『仕事を誰に振るか?』
という時に多くの人が
「この仕事は結構大変だから
入社して長く経っている人
経験ある人に振ろう」
とか
「この人は今あまり仕事を
担当していないから
ちょっと手が空いているし
この人に仕事をお願いしよう」
と言う風に決めています。
これは、人選の明確な理由はなくて
「まぁなんとなく」
で選んでいますよね。
もちろん、「手が空いてる人」や
「経験がある人」に仕事を振るのも
1つの選択ですが
今後仕事を振る時には
考えて欲しいことがあります。
確かに、ある程度の経験があれば
仕事は誰にでも振ることが出来ます。
例えば
何か資料を作ろうという時
スタッフにAさん・Bさん・Cさんの3人がいます。
皆、手が空いていて仕事の経験年数も同じ。
この状況では、3人の誰にでも
仕事を振ることができます。
しかし、ここで院長と言う立場で
考えて人選する必要があります。
その考えるべき点は
振った仕事が結果として
どれだけ精度高く
効果が出せるものになるのか?
それを出来るスタッフなのか?
と言う点です。
つまり、仕事は振ったけど
完成した仕事が、効果が出ない
精度が低いとなると
そもそも仕事をお願いする意味が
なくなってしまいますよね。
このような点から考えると
「誰に振るか?」と言うのは
とても重要なことです。
では、何を基準に
仕事を振るスタッフを
決めたら良いのか?
これについては
まず仕事をする時に
その人のキャラクターを
考える必要があります。
人間誰しもキャラクター
と言うものがあり
それが仕事に影響します。
勿論、院長も例外ではなく
キャラクターがあります。
そして、院長のキャラクターは
クリニックがどれくらい
良くなっていくのか。
又、どういったクリニックに
なっていくのかにも
かなり影響している部分があります。
これについては、今回のお話から
少し脱線してしまいますので
またの機会に。
それでは、本題に戻りますが
院長にキャラクターがあるのと同様
スタッフがどのような
キャラクターであるかによって
振った仕事が
上手くいくか否かは
ほぼ決まります。
世の中には様々なキャラクターの
人がいます。
その中で、仕事をする時に
考えるポイント
見るべき点があります。
それは、そのスタッフが
人とのコミュニケーションが
好きなのか?
それとも、1人で黙々と
作業するのが好きなのか?
と言う点です。
1人でコツコツ作業をしたり
人とコミュニケーションをとる事が
あまり得意でない内向的な
タイプの人に
人と関わる要素が強い仕事を
振ってしまうと
その人に相当なストレスが
かかってしまいます。
院長先生が外交的なタイプで
人と話すことや
コミュニケーションを取ることを
苦手としないタイプだと
・人と話す
・コミュニケーションをとる
と言うことにストレスを感じないので
それらを必要とする仕事に対して
「これくらい当たり前じゃないか?」
と思ってしまいます。
でも、実は内向的な人からすると
社交的な人やコミュニケーションを
取ることが苦手ではない人にとって
すごく簡単なことでも
本人には、すごくストレスがかかります。
ゆえに、そのスタッフは人との
コミュニケーションが得意なタイプか
得意じゃないタイプかという点を
よく見てください。
加えて
コツコツ作業をするのが好きなのか?
と言うのも見てください。
指示された事を
コツコツ毎日やっていて
それに飽きることがなく
何年も同じことを正確に行い
積み上げていくのが
好きなタイプの人もいます。
そういうタイプの人には
コツコツ正確に行う必要のある
仕事をしてもらうべきです。
逆に言えばコツコツやるのが
すごく退屈だと感じる人もいます。
「毎回同じことやって
面倒くさいな〜
単調な作業っぽくって嫌だな〜」
と感じる人です。
このタイプの人に
コツコツ作業を頼むと
そのスタッフは本当に
モチベーションが下がってきます。
そうなると
頼んだ仕事の成果が出ないばかりか
他の仕事も含め
仕事自体に対して
全体的にモチベーションが
下がってきてしまいます。
だから、とても注意が必要なのです。
ここで、もう1つ
見定めて欲しいタイプがあります。
これは、歯科医院経営していく中で
是非見つけ出したいタイプです。
それは、
新しいことを考えたり
アイデアを出すのが
好きなタイプか?です。
お願いする仕事の中に
仕組みを作ったりする仕事や
形になっていないものを
形にすると言う作業があると思います。
このような、作業や仕事は
考える力がある人でないと
なかなか上手くいきません。
コツコツタイプとは逆で
考えるのが、ものすごい好きな人
考えてアイデア出して
何かを創り上げていくのが
好きな人もいます。
このような何かを考え
創り上げていくタイプを
クリエイティブタイプ
と言いますが
このタイプの人は本当に少数派です。
もし、クリエイティブタイプではない人に
「これ考えといて
なんか仕組み作っといて」
「なんかこう言うこと出来ないかな?
ちょっと考えて、やってみてくれない?」
と言うように
漠然とした抽象的なことを言って
結果を出してもらおうと
してしまう事は
避けるべきです。
なぜなら、それは本人に
大きなストレスをかけてしまうからです。
更に、それで出てきたアイデアも
ほとんどの場合
大したものは出ずに
結果が伴わないことが
よくあるからです。
したがって、スタッフの性格や
キャラクターをよく把握して
・今からお願いする仕事は
どういう項目なのか?
・人と関わる仕事なのか?
コツコツすることなのか?
それとも新しい事を生み出していくのか?
そういった仕事の中身を
しっかり考えた上で
この仕事を託すのに
合う人は誰なのか?
を考えて、適任者に仕事を
振っていくと
仕事の成果が出やすいです。
ところで、前述した
クリエイティブタイプですが
このタイプが一番難しく
本当に少数です。
頭を使って考えて
無いものを生み出すスキル
抽象的な話から形ある
具現化したものにする作業は
とても難しいですよね。
そのため、今の医院に
クリエイティブタイプがいなければ
仕事を丸投げするのではなく
仕事をお願いする方法を
変えてみましょう。
丸投げではなく
お願いする仕事の
アイデアの土台となるネタは
本から取ったネタでも良いですし
セミナーから聞いたネタでもいいですし
何かそのネタとなる
資料があるならば
それらを、少し提供するようにしましょう。
自分でやってみると
分かるのですが
ゼロの状態から
何かを生み出すことは
本当に、すごく難しいです。
少しでもアイデアのネタとなるものを
「こういう感じでやってみると、
いいんじゃない?」
と、スタッフに渡すだけでも
方向性の土台になり
仕事がスムーズにいくかなと思います。
また、自分のクリニックを
どんどん変化させて
どんどん良くしたい
何か改善していきたい
と考えているのであれば
このクリエイティブタイプの人は
大切にしてください。
口を酸っぱくして言いますが
これが出来る人は本当に少ないのです。
コツコツやるタイプの人の方が
比較的多いので
コツコツタイプの人には
正確性を求められる日々の仕事を
しっかりやってもらうようにして
クリエイティブなことは
クリエイティブタイプの人に
任せるようにする方がいいでしょう。
しかし、この方法にも色々と
弊害が起こるのですが
それについては
次回お伝えしたいと思います。
伊勢海 信宏
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