前回、
『スタッフに仕事を依頼する時の
注意点〜その①〜』
(http://haisyakaigyo.com/?p=6676)
で、スタッフには
いろいろなキャラクターがあり
キャラクターにある程度合わせて
仕事を振るようにしないと
思うような成果が出ないばかりか
スタッフにストレスが
溜まってしまう事がある
ということをお伝えしました。
更に、いろいろなキャラクターが
ある中で、クリエイティブなタイプの人が
非常に少ないと言う話でしたよね。
おさらいになりますが
クリエイティブタイプとは
今ある問題を改善する方法を
創り出したり
今までになかった
新しいことをする
自ら考え創り出す人です。
目標を持って、それに向かって
新しいことにチャレンジしていく。
そのための道を見つけて
挑戦するタイプです。
このクリエイティブなタイプが
クリニックにいると
クリニックが良い方向に動く
可能性があります。
ただ、このクリエイティブタイプは
院長が舵をうまく取らないと
逆にクリニックをごちゃごちゃに
してしまうこともあります。
まずは、クリエイティブタイプがいると
『なぜクリニックが良くなるか?』
についてお話します。
歯科医院経営だけに限らず
どんな種類でも経営は
普通に同じことを
続けているだけでは
どんどん衰退していきます。
それは、なぜか?と言うと
クリニックの最初はどれだけ
最新と言われた設備も
日が経てば、当然ながら
古く劣化していきます。
クリニックがしている戦略も
開業当初から同じ事を
続けているだけならば
時代と合わないものになるでしょう。
治療も新しい方法、知識を
勉強しなければ
どんどん古い治療になっていきます。
新しいことを取り入れる
常に学び続ける医院と
そうでない医院では
今日と明日ではあまり差は出ませんが
今日と1年後を比べると
少し差が出てきます。
更に、今日と5年後、10年後を
比べると大きく差が出てきます。
つまり、何か変化をしていかないと
経営においての
「現状維持」はできないのです。
変化をしないと
その先にあるものは
「衰退」です。
逆に大きく飛躍するためには
現状を少し変化させるだけでは足りません。
どんどん変化を速くする必要があるのです。
そのスピード感のある
変化のためには
クリエイティブな考え
新しい考えを取り入れて
新しい戦略をしていくことが重要です。
そのためには
新しいことを考えられる人
自ら新しい提案をして
医院を改善できる人の存在は
とても貴重になります。
自身のクリニックを
どんどん良くしたいと思うのであれば
変化を恐れずに
変化を楽しんでやれる人
クリエイティブタイプの人を
歓迎すると良いです。
では、なぜこの歓迎すべき
クリエイティブタイプの存在で
クリニックがぐちゃぐちゃになってしまうのか?
クリエイティブタイプの人は
新しいことをしたいと考えます。
何か問題があるならば、
率先して改善したい!と思うでしょう。
しかし、実際にはスタッフの
7〜8割の人は
現状維持派である事が多いです。
もしかすると、現状維持派の割合が
もっと多いこともあるかもしれません。
現状維持派は新しいことをするのが嫌です。
現状維持派は
例えば、多少問題があっても
その問題を解消するために
何か新しいことをする方が
労力を要するし
体力的にも精神的にも
負担がかかって
面倒くさいと考えます。
問題解消のために
出来ることは既にしてきたし
新しいことをする労力を
使ってまで改善する位なら
多少問題があっても
そこまで大きな問題ではないし
今のままで良いと言う結論に達します。
読んでいると
「え・・・なんと、やる気のない…」
と思われると思いますが
実際にこの考えが大半です。
そんな現状維持派からすると
クリエイティブタイプの人は
「面倒な提案ばかりする人」と
感じるでしょう。
そうなると、両者の間には
溝が出来てしまいます。
ところで何故、大半の人は
現状維持派で
新しい事や変化を拒むのか?
これは何も
「スタッフ個人に
やる気がないから悪い!!」
と言うわけではありません。
これを説明するには
「生物の進化論」 の話になります。
「いきなり、何の話!?」
と思われるかもしれませんが
ちゃんと関係がありますので
最後まで読んで下さいね。
では、生物の進化論上ですが
人間が、まだ類人猿だった時は
決まった森の中などの限られた
狭い場所で生きていました。
その中で、その決まった所から
変化を恐れずに飛び出して行った
一部の類人猿がいて
その類人猿達は基本的には死にました。
変化を恐れずに飛び出す類人猿は
どんどん死んでいき
逆に元の決まった場所
安全な場所から出ずに生息している
類人猿が大半生き残りました。
その生き残った類人猿が
進化を遂げたのが
今の「ヒト」です。
そのため「安全の中で生きる」
と言う事が、私たち人間の中に
遺伝子として備わっています。
もし、一歩外に行けば
今までとは違う新しい豊かな世界があって
飛び出して行けば
食べ物にも困らない森が
あるかもしれないと思ったとしても
「とりあえず、このまま生きてた方が安全だ」
「今までと違う行動を起こすと
他の獣に襲われるかもしれない」
など、色々な不安要素を考えた結果
これまでと変化のない
行動を選択して
生き延びてきた状況です。
もちろんその中で
少しずつチャレンジをして
人類は世界に広がり
いろんな進化を遂げているわけです。
しかし、基本は、そのままの
ステージにいる事を好むように
遺伝子に組み込まれています。
だから、大半の
「仕事の変化を求めない人」が
悪いわけではなくて
それは人間の根底的な考えにあるのです。
只、今は文明の進化
テクノロジーの進化が
どんどん早くなっています。
今後は更に速くなるでしょう。
だからこそ、変化を拒んで
今までと同じことをしていると
本当に衰退していくだけなのです。
新しいことを、やりだす若い人達に
どんどん負けてしまうばかりです。
世の中の変化のスピードは加速しています。
したがって、常に変化し続けないと
経営も含め、いろんなことが
上手くいき難い時代になってきています。
変化ばかりするのは嫌だとか
変化をするのは好きだとか
個人の好き嫌いは別として
実際にそういう時代になっている今
それに適応していかないと
いけない状況になっています。
結局、それに適応できる人が
歯科医院を上手く
繁栄させることができるのです。
では、変化をすることを恐れずに
面倒がらずに繁栄するために
どういうことをしたら良いのか?ですが
まず「院長が変化をしていく」ことを
第一歩として始めて下さい。
クリニックのトップである院長が
変化を嫌っていたら
クリニックは絶対に変わりません。
院長を差し置いて他のスタッフが
変化して改革していくことは
まず起こりません。
99.9%起こらないと言えます。
なぜなら、そんなことをする意味が
スタッフには無いからです。
院長が何か変化することを恐れて
「そんなことやる必要ないよね
面倒くさいよね」
「今のままでいいよ。
別に今年も去年と
何も変わってないし
このままでいよう」
といった感じで
スタッフに言ってしまうと
クリニックのために変化したい
変化を起こそう
と思っている人たちは
「なんかこの先生に言っても無駄だな」
と感じて、どんどん離れていきます。
だから、まずは院長先生が
少し変化する訓練をして下さい。
それが出来たら、次にスタッフにも
変化をすることが大切だ
と言うことを話しましょう。
例えば、同じことをしているだけでは
現状維持すらできず衰退してしまう
と言う話からでも良いので
お昼休みの時や飲み会の時、
ミーティングの時でも良いので
話してみましょう。
ミーティング以外の時にする時は
あまり重く堅い話にならないように
軽い感じで話して下さいね。
他にも
・些細な問題でも少しずつ
変化して変えていこう
・変えていくことが
自分の進歩や成長になり
クリニックもその分良くなっていく
・変化をすることで
歯科治療の価値を
患者さんに、より提供できる
と言うような話も何回もしていきます。
院長が変化を恐れずに
積極的に変化をしていれば
これらの話は説得力があり
スタッフも感化されるはずです。
そして、きちんと変化をしようと
努力していたり成果が見えたら
その都度、スタッフを褒めましょう。
何か少しの変化を起こした人に対して
そんな大袈裟でなくて良いので
「できたね」という感じで話しかけて下さい。
これは、変化をすることは怖くないんだと
スタッフさんに理解してもらうためです。
変化が怖くないと思える事が
とても重要です。
スタッフは変化して
何かうまくいかないと
怒られるんじゃないかなとか
変化するのは面倒だ
という気持ちがあるので
変化の必要な事をしたがらないわけですが
変化したときに褒められたり
変化してうまくいってる事を実感できれば
それは成功体験になります。
一度、成功体験ができれば
人間は同じように成功体験を
どんどん、していきたくなります。
人間も動物と同じなので
犬に餌をあげて訓練をするのと同じで
犬も最初はしたことのない
訓練をさせられて
怖さや不安がありますが
怖くない事がわかって
更にご褒美がもらえるとなると
次も新しいことを
覚えようとするようになりますよね。
私も含め人間も動物なので
根本は一緒で
褒められたり、
その成果を感じたり
自分の成長を感じたり
と言う経験を
何回も体験することによって
「変化していくことは
すごく楽しいことだったのか」
と感じてきます。
だから、院長含めスタッフも皆で
変化を恐れずに成長を楽しめたら
ベストだと思います。
そのためにも
もともとクリエイティブタイプの人がいれば
その人をサポートしてあげて
院長自身も自分で変化を恐れず
新しいトライをしていく。
そして、変化することを
恐れない事が大切です。
「変化することは楽しい」
と言う風潮を院長が
できるだけ作って下さい。
貴重なクリエイティブタイプの人を
生かすも殺すも院長次第です。
院長がクリエイティブタイプの人が
思い切り力を発揮できる環境を
作る事ができれば
変化を好まない大半のスタッフと
溝を深めることはありません。
それどころか、変化を好まない
スタッフを巻き込んで
良い変化をできるようになります。
変化を楽しいと思える風潮が
出来たら、間違いなく
クリニックの成長が早くなります。
やればやるだけ成長が加速していきます。
そのためには
まず院長が変化をしていくことが
とても重要なので
是非やってみてください。
では次回は、変化をするために
院長がまず普段何をすれば良いのか?
についてお伝えしていきたいと思います。
伊勢海 信宏
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