前回の
『生き抜くためのお金の使い方①
〜フローとストック〜』
(http://haisyakaigyo.com/?p=6689)
に引き続き、人生を生き抜くための
お金の考え方について
お伝えしていきます。
今回は「お金の使い方」に
フォーカスします。
前回にもお話しましたが
今後寿命が100歳前後にまで延びていく
「人生100年時代」と言われています。
寿命はおよそ70歳と
言われていた頃から
80歳、90歳と延びていき
ついには100歳です。
今現在、お金がある人
収入がある人は
人生100年時代になっても
お金の心配はないように思われます。
しかし、100歳まで生きると考えた時に
本当にそこまで生きられるだけの
ストックはあるのでしょうか?
仮に現在年収が2000万円あったとして
ストックはいくらあるのでしょうか?
どれだけ今、年収があっても
100歳まで生きていけるだけの
ストックがなければ意味がありません。
今どれだけ収入を得ているかよりも
ストックがどれだけあるのかが
とても重要です。
年金があるから大丈夫と
この状況で楽観視している人は
少ないと思います。
日本の年金制度は
これだけ破綻していると言われているので
自分たちが受給する頃に
期待はできません。
こうなると、年金分も
アテにはできないため
その分も今のうちに
自分たちで貯めていって
おかなくてはなりません。
更に、100歳まで生きると
仮定するなら
その分多く貯めておく必要が
ありますよね。
お金の使い方に関しては
前回もお伝えしましたが
・高級車に乗る
・高級レストランで食事を楽しむ
・高級な服を身につける
などなど、色々な使い方があります。
これ以外にも、使い方は
人それぞれあると思います。
そして、私はどの使い方に対しても
個人の自由なので良いと思います。
それぞれの価値観によって
使い道も変わります。
何が良い、悪いと言うのはありません。
ただ、生き抜くために
どうすれば良いか?
となると、やはりお金の使い方を
考えなければなりません。
お金にはフローとストックがあります。
その中でも大事なのは
ストックです。
要は蓄えです。
ストックを多く持つためには
大きく分けて2つの戦略があります。
まず1つ目は「節約」
2つ目は「収入アップ」です。
これはフローを増やす方法です。
これ以外には
宝くじが当たったり
親から遺産を相続されることも
あるかもしれませんが
それに期待していても
なかなか上手くいきません。
もし、親の遺産があると
思っていても、意外と無かったり
兄弟がいて分配して手元には
少ししか入らないこともあります。
宝くじなんて
もっと期待する事ができませんよね。
これは確実性のないお金なので
自分のお金と算段しないでおきましょう。
では確実性の高い方法をとるとなると
先述したとおり、節約をするか
収入を増やすかの2択になります。
私はこの記事を
開業されている歯科医や
勤務医の方に向けて発信していますが
そんな先生方には
「今の段階から、節約を選択するのは
やめておいた方が良い」
と言いたいです。
だからと言って無駄遣いをして
良いと言うわけではありません。
しかし、節約戦略には限界があります。
例えば、
「将来100歳まで生きられるかな。
その年まで生きていたら
お金が不安だな。
老後、お金がなくて病院にも
通えないようになったら、どうしよう…」
と将来に不安を感じた時に
まず思い浮かぶことは節約だと思います。
今収入があるうちに、節約して
お金を貯めておくことを考えるでしょう。
では、手取り30万の人が
普段生活をしていく中で
どれだけのお金が必要でしょうか?
・子供の学費 ・食費 ・光熱費
・通信費 ・被服費 ・通信費
・医療費
などなど、色々なことにお金はかかっています。
となると、手取り30万円の人の
毎月の支出は20万円以上あると思います。
もしかすると、30万円ギリギリの
支出が毎月ある人もいるでしょう。
では、この中から節約するとなると
どれくらい支出を減らす事ができますか?
多分、かなり頑張って
10万円減らす位しかできないと思います。
そして、10万円減らしたら
最低限の生活になると思います。
子供を塾に行かせたり
たまに外食をしたりして
リフレッシュすると言うことを
全てやめなければならなくなります。
こんな生活では
きっとストレスが溜まりすぎて
すぐに節約をやめたくなるし
非現実的です。
現実的な数字で言うと
多分毎月2〜5万円くらいまでが
節約できる限界の額だと思います。
仮に月に4万円節約できたとして
4✖️12ヶ月 = 48万円 です。
確かに何もしないよりは
貯まってはいますが
それは人生の楽しみと
引き換えにして捻出したお金です。
節約しようとすると
・家賃 ・光熱費 ・食費
・子供の学費 などは削ることができないため
削るのは「楽しみ」の部分になります。
そして、無理をしてする
節約をしていても
節約の限界値はもう見えています。
ゆえに、節約も勿論良いのですが
それよりも「収入を増やす」方に
目を向けてください。
ここで、よく間違われる方がいるのですが
ストックを増やすために
株式投資や不動産投資といった
投資を始める人がいます。
不動産投資に関しては
もともと資産があってしている方もいるのですが
株は最近始めた方
又は、これから始めようとしている方
も多いと思います。
ただ、ご自身の年齢にもよるのですが
クリニックを開業して
しっかり安定するまでは
株などはしない方が良い
と私は考えています。
株も上手くすると、すごい儲けが出る
と思われるかもしれませんが
実際にはある程度上限が決まっていて
年間で3%くらいの利回りです。
銀行での預金利息を考えると
確かに3%の利回りは良いですし
魅力的です。
しかし、株をすると言うのであれば
ある程度の知識が必要になりますので
その勉強をする必要もあります。
しかし、投資で儲けを出して
ストックを増やすよりも
圧倒的に増える方法があります。
それは、歯科医院の収入をあげることです。
この方が、圧倒的に早く多くの収入を
増やす事ができます。
確かに若い時から
株式投資の勉強をしていて
投資していれば
1年間で100万円の投資が
103万円になったりと
少しずつお金は増えていきます。
でも、それよりも自分の収入を
上げる方が圧倒的に
ストックを増やすことができます。
ストックを増やすためには
まず収入を増やすと言うのが
一番早くて、多くストックを
増やすことができるのです。
しかし実際には、収入が増えても
ストックが増えない人のお話を前回しました。
この原因は
単純にせっかく収入が増えたのに
その分支出も増えてしまうからです。
要は、使いすぎです。
収入を増やす方法について
次回お伝えしますが
今回は、収入が上がったら
どのようにそのお金を使えば良いか
についてお伝えします。
これを分かっていれば
収入が増えた時に間違って
または、使いすぎて結局
収入は上がったけど
ストックは増えないなんて事になりません。
例えば現状の収入より
年間100万円収入が上がったとします。
では、この100万円で
旅行に行ける!
車を買おうか、高い服を買おうか…
と考えていると
結局、ストックは増えません。
そうではなく
100万円収入が増えた場合
そのうち30%は、現状の生活よりも
生活が豊かになる事に使って下さい。
その使い道は人それぞれ、違います。
旅行が好きなら、それをプラスして
例年よりも少しグレードアップした
旅行をするも良し。
車が買いたいのであれば
30万円を購入資金として貯めておいて
貯まったら購入するも良し。
外食の回数を増やすも良し。
家電を買うも良し。
要は、生活が豊かになったと
家族やご自身が思えることであれば
なんでも良いのです。
次に100万円のうち
30〜40%を貯蓄してください。
これで最低30万円はストックが
確実に増えます。
そして、最後の残り30〜40%
この使い道が実は一番重要になります。
その残り30〜40万円は
今後の自分の収入を上げる
可能性があるものに使ってください。
もし、この最後の使い道をせずに
100万円のうち50万円を
生活を豊かにするために使い
残り50万円を、全て貯蓄に回した場合
確かにストックは
年間50万円で増えています。
しかし、今後の収入が上がっていく
確率はどんどん減っていってしまいます。
年間100万円は上がったけど
それ以上は上がらず伸び悩みます。
ここで思い出してほしいことは
ストックを増やす一番早い方法は
収入を上げることだと言うことです。
増えたお金を、次に自分の収入を
上げられる手段のために使っていく
と言う意識を持っていないと
只々、貯めていくだけか
楽しみのために使うかになってしまいます。
そうならない為には
まずは明確に、どれだけを使って
どれだけを貯めて
どれだけを今後の収入アップのために使うのか
を決めておく必要があります。
人によっては、貯めることが好きで
どんどん貯蓄に回していく人もいます。
確かにストックも増えますし
良いことのように思います。
しかし、これでは収入が上がり続けることはありません。
自分が何一つ変わっていないのに
収入だけが上がっていくなんて
よほど幸運な人でない限り
あり得ません。
収入を上げるためには
何かを変えていく必要があり
そのためにはお金を使わなければ
変わらない可能性が、とても高いのです。
だからと言って、好きな車を
どんどん買い換えることや
高級レストランに頻繁に行くことで
お金を使うのは違います。
それをしていて
収入が増えるなら良いのですが
それでは増えませんよね。
この使い方はあくまで
自分や家族の楽しみのため
満足のための部分です。
そうではなくて、収入が増えたら
・貯蓄
・生活を豊かにするため
・収入を上げるため
に分けて使うようにしましょう。
この「収入を上げるために」に
自分にお金をかけることを
疎かにしてしまう人が
意外と多いのですが
これがとても大事なので
しっかり自己投資しましょう。
では、少し話が戻りますが
先ほど、ストックを増やすために
開業した初期は投資はしない方が良い
とお伝えしました。
これについて、もう少し詳しく
お伝えします。
なぜ、投資をはじめはしない方が良いか
と言うと、まず1つ目に
投資の勉強をする時間が勿体無いからです。
この時期は投資の勉強をするより
収入を上げる勉強をすることに
時間を割いた方が
確実に収入が上がります。
投資よりも、遥かにリターンが大きいです。
ストックがかなり多くなって
余裕が出たら
その時は投資の勉強をするべきです。
しかし、収入を上げる勉強をすれば
収入が上がっていく伸び代のある段階で
ストックもあまり無い状態ならば
株や不動産投資などは
まだしない方が良いと私は考えています。
そして、もう1つの理由です。
それは、ストックの多くない人が
投資をすると何が起こるか?
生活していると
まとまった金額のお金を
使わないといけない時期が
突然やってきます。
例えば、
マンションを購入することになり
頭金が必要になりました。
株式投資をしていて
200万円ほど投資用口座にあるので
この投資を売って現金化して
頭金に充てることにします。
これ、よくあるパターンです。
本来、株などはベストな
タイミングで売却して
そこに大きな利益を
求めていますよね。
しかし、これはお金が
必要になったタイミングで売却しているので
ベストなタイミングかどうかを
選べません。
と言うことは
損をする可能性もあります。
投資をするならば
貯蓄とは別と考えて
長期的に売却しなくても良い
投資として、寝かせておけるお金が
ストックとして出来てから
始めた方が良いと思います。
とは言え、これにはいろいろな
考え方があり
「投資は初期からしたほうが良い」
と言う考えもあります。
ただ、私の周りにいる
成功してお金もしっかりと
蓄えている先生方を見ても
投資をして、お金を増やした
と言う人は極端に少ないです。
その先生方も、まずは収入を
増やしてストックに余裕を作ってから
投資をし、結果として
投資も増えたと言う感じです。
歯科と兼業で、株式投資家になる
と言うのは初期の段階では
かなり無理があります。
そうなるためには
まず収入を上げて
ストックに余力を持てるまで
待った方が賢明です。
開業をすることになると
銀行との付き合いも必然的にできます。
銀行と付き合いがあると
投資信託などの投資を勧められます。
それは、とても魅力的なもので
良いもののように説明されます。
しかし、実際は手数料ビジネスです。
その投資をすることで
取引の手数料を銀行に払うことになるので
銀行は手数料のために
商品である投資をセールスしています。
その投資に利益が出て
投資する人が儲けるか儲けないかは
銀行員は、どちらでも良いのです。
銀行員は、手数料で儲けています。
だから、投資を顧客に売ることを
主体としています。
銀行員は、セールストークで
「これがお勧めです!
これから上がっていきますよ」
と、さも良い投資商品のように
勧めてきます。
しかし、実の所、銀行員の人も
上司から「この商品を売れ」と言われて
商品を売っているに過ぎません。
なんなら、ノルマがあり
売らされていることも多いです。
よって、自分で投資の勉強も
まだ出来ていないし
丁度良いのを勧められたからと
銀行でお勧めされた投資を
始めてしまうのは
やめた方が良いです。
損をする可能性が高いです。
他にも外貨預金も危険が多いものの1つです。
外貨預金をしたいと考えた時に
外貨預金をできる場所は
銀行か証券会社が思い浮かぶかと思います。
では、外貨預金をする際に
どちらも手数料が同じなら
どちらでするのが良いと思いますか?
証券会社は、あまり馴染みがないけど
自分の利用している銀行でも
外貨預金をやってくれるみたいだから
銀行でしようと考える人は
少なくありません。
実は、これがすごく危険です。
なぜなら、銀行で預けている外貨預金は
もし銀行が潰れてしまった場合
戻ってこないからです。
ペイオフ制度により
預金額1000万円までは
保証されていて
お金が戻ってきますが
もし預金額が1000万円を
超えていた場合は
超えた分は戻ってきません。
これは、預金額が1000万円を
超えなければ、問題ありません。
いつ1000万円を超えるかは
個人により違いますが
危険性を孕んでいます。
一方で、証券会社の場合はと言うと
もし、証券会社が潰れてしまった場合に
預金していたお金は全額戻ってきます。
銀行のように
1000万円までと言う縛りはなく
1000万円を超えた分も
100%戻ってくるのです。
ここでは、手数料が同じなら
銀行か証券会社
どちらでするかを尋ねましたが
実際には手数料や税金など
他にも色々と銀行と証券会社でする
外貨預金には違いがあります。
しかし、それをしっかり調べて
始める人はなかなかいません。
銀行に勧められたから
銀行でする言う人が多いのですが
これでは、よく分からぬまま
言われたからお金を入れていき
気づいたらお金が無くなっていた
なんてことになりかねません。
ゆえに、投資をする場合は
よくよく考えて、きちんと調べて
理解した上でする必要があります。
何よりも、株式投資や外貨投資などをする前に
まず収入を増やすことが最優先です。
次回は、収入を増やすために
一体何をすれば良いのかについて
お伝えしたいと思います。
伊勢海 信宏
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