今回はクリニックの
特色を出すため
差別化するために
何を考えなくてはいけないか
についてお伝えします。
前回
『歯科医院が地域の患者さんに魅力を感じてもらうには』
(http://haisyakaigyo.com/?p=6888)
で、クリニックの価値を地域の人に
感じてもらう為に
周りと違う部分
差別化している部分を
しっかり打ち出していく方が
良いことをお伝えしました。
そこで『差別化』できる部分を
しっかりと考える必要があるのですが
それを考える上で
非常に重要な部分があります。
その重要なポイントを
抑えておかないと
折角、差別化している事を考えて
それを打ち出したのに
全く効果が出ないと言う事態が起こります。
差別化している事を打ち出せば
誰でも効果があるならば
きっと殆どの人が、そうするでしょう。
実際に、歯科に関わらず
お店やビジネスをしている多くの人は
一応、差別化していることを
打ち出しているつもりです。
でも、その「つもり」の差別化では
全く効果がないと言う事が
多く起こっています。
折角、差別化を打ち出すならば
きちんと効果を出したいですよね。
では、そのために何を考えれば良いのか?
『差別化』するために大切なことは
まず、『分かりやすい』ことです。
どう言う事かと言うと
例えば、海鮮をメインとした
飲食店を経営していて
そこで使用する醤油にこだわっていて
「ウチは醤油にこだわりがあり
他店と差別化できている」
と打ち出したとしても
それで、お客さんが増えるかと言うと
私は難しいと思います。
店主の言い分は
「魚は当然として、
醤油にもこだわっています。
厳選した醤油を仕入れています」
と言ったとしても
それがお客さんに伝わるかと言えば
なかなか伝わらないでしょう。
なぜかと言うと
醤油の味の細かな差がわかる人は
極端に少ないと思うからです。
仮に、もの凄く粗悪品の醤油が
あったとして
それと、そこそこ良い醤油だと
その違いがわかる人は
多くいるかもしれません。
しかし、飲食店ならば
元々、まあまあ良い醤油を
どこのお店も使っているでしょう。
その、まぁまぁ良い醤油と
すごく良い醤油だと
その差は分かりづらいです。
私も、もしお店で
「醤油にこだわっている」
と言われても
「この醤油!さすが、こだわってる!全然違う」
とは、ならず
「普段のよりは良い気がするけど
格段に美味しいとまでは分からない」
と言う程度の感想しか持てないと思います。
とは言え、その細かな差も分かる人は
いるでしょう。
しかし、あくまで少数です。
大多数の人は分かりません。
つまり、大多数の
差が感じられない人にとって
いくら拘りがあったとしても
お客さんにとっては
別にそこに魅力を感じません。
要は、差別化している
ポイントが分かりやすい
認識しやすいと言うことが
大切です。
歯科でも同じで、患者さんが
「このクリニックは、
こう言う事をしてくれた」
「そう言う事もしてくれるのね」
と分かり易い事が、
とても重要になります。
例えば、これは歯科の話では
ありませんが
パン屋さんで最近、少しずつ
店舗を増やしている店があります。
そのお店は
『トリュフベーカリー』と言う
お店なのですが
ここ2〜3年で、5、6軒は
増えていて、大きな駅にも入っています。
元々は門前仲町と言う
住宅地のような所にお店があり
そこから港区の麻布に店舗を拡げ
今は新橋や有楽町にも出店されています。
このパン屋さんでは
様々なパンが売られているのですが
その中でもメインのパンは何かと言うと
塩トリュフパンです。
これは塩パンでトリュフの香りがして
とても人気の名物パンです。
私も何度か食べた事があるのですが
本当に美味しいです。
この美味しさと言うのが
すごく分かりやすいのです。
勿論、元々の塩パン自体が
美味しいとは思います。
その美味しい塩パンに更に
トリュフに香りが
すごく分かり易くて
美味しさを更にアップさせています。
そもそもトリュフのパンって
あまり、ありませんよね。
そんな中で、その塩トリュフパンは
味も香りもとても美味しいです。
私は決して、人より味覚が
優れていると言うわけではありません。
しかし、そんな至って普通の
味覚であっても
このパンの香りと味は美味しいと
感じられる商品です。
私のように普通の味覚であっても
わかり易く美味しい
と思う商品であればある程
これを食べた人は、
この商品を人に勧めやすいし
自分もまた食べたいと思います。
これが、先程の醤油で差別化を
図ろうとする事との違いです。
決して、醤油にこだわる事が
悪いわけではありません。
料理に醤油が欠かせない
大切なことも分かります。
どちらが良い、悪いと
優劣をつけるのではありません。
ただ、醤油の味の美味しさの
違いが分かることと
塩トリュフパンの美味しさが
分かることの、どちらが簡単か?
と言うと
塩トリュフパンの方が
とても分かり易いと言うことです。
もし、パンと醤油を美味しいと思って
誰かにあげたとしても
パンの方は、受け取った人も
美味しいと感じ易いです。
一方で醤油だと
稀に味覚が良い人だと
「これ、なんか良い醤油だね」
と気づいてくれるかもしれませんが
大半の人は、あまり気づかないと思います。
つまり、歯科でも自分のしている
「差別化」が
患者さんに理解してもらえて
分かり易いことなのかな?
と言うことを、よく考えてみてください。
クリニックの特色は
絶対にこれじゃなくてはダメ!
と言うことはありません。
どんな事を特色にしても
構いません。
しかし、その特色が
分かりづらいものであると
打ち出しているにも関わらず
結果に繋がりにくくなる事があるので
それを踏まえた上で
打ち出す事を考えて欲しいと思います。
そして、更にもう一つ
差別化や特色について
大事なポイントがあるので
それについて次回お伝えしていきます。
伊勢海 信宏
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