前回、前々回と開業資金について
お伝えしてきました。
〜その①〜
(http://haisyakaigyo.com/?p=6917)
〜その②〜
(http://haisyakaigyo.com/?p=6920)
前回には、開業資金として
投資する金額は
・自分のキャラクターに合った金額
・自分の夢に合った金額
にした方が良いとお話しました。
そして、注意点としては
夢に合った金額だけど
夢を見過ぎないと言うことも大切です。
なぜなら、誰もが結果を
出せるわけではないからです。
その点は冷静に自分のキャタクターも
合わせて見極めた方が良いでしょう。
前回もお伝えしましたが
雑誌やインターネットに
掲載されている様な人は
皆、成功者ですが
その人達の話を盲信してしまう事があります。
成功者の話は説得力もありますし
聞いていると、その方向に
引っ張られていきます。
しかし、その通りにすることで
結果として金銭面的な負担に
なってしまう人も
かなり多くいますので
私は、「お金をかけない開業」と言うのも
とても重要だと思っています。
「お金をかけない開業」は、
言い換えれば、
「リスクの少ない開業」です。
開業にあまりリスクを取りたくない
上手くいっている人の話は聞くけど
自分にそこまでのバイタリティは無い
それ程、いろいろなアイディアを
思いつくタイプでも無い
と言う人には
リスクの少ない開業が良いと思います。
「リスクの少ない」と言うのは
開業資金にお金を投資し過ぎない事です。
例えば、物件も一から
建てるのではなく
居抜きを利用すると言うのも
1つの手です。
開業して自分の歯科医院を持つ!
と考えると、一から作るものと
思い込みがちです。
確かに一から作るのは良いですが
コスト面で考えると
やはり高くなってしまう事が多いです。
しかし、居抜き物件を利用できれば
そのコストを比較的抑えることが
可能になります。
実際に、最近では居抜き物件を
利用する人も増えています。
また、居抜きは買取をする
イメージですが
場合によっては、買取をする前に
その医院で1〜2年間勤めて
その後、買取をさせてもらえる
と言う事もあります。
只、これに関しては
どこでもしてくれるワケではなく
その条件の居抜きに出会えるかどうか
と言う運的なものもあります。
運的なものを別とすれば
数年勤務してから居抜きで買取をする
と言う方法も良いと思います。
そして、居抜きのメリットは
既に患者さんがある程度付いているので
開業して、すぐに稼働できることです。
とは言え、私は居抜きの買取を
したのは1軒だけです。
もう2、3軒経験していれば
もう少し具体的なことを
お伝え出来たのかもしれません。
しかし、1軒でも居抜きの
買取をした経験談として
自分なりに思うところを
お伝えしたいと思います。
まず居抜きを買取する時に
考えるべき事は
立地です。
いくらレセプトがあったとしても
立地が悪いと後で尾を引くことになります。
一等地である必要はありません。
只、それなりには良い立地であるか?
は、重視するポイントだと思います。
また、居抜きの場合に
意識して欲しいポイントは
他にもあります。
それは、レセプト枚数などだけに
囚われないことです。
それ以上に見て欲しい所は
その物件の前の先生が
・マーケティングなどに積極的に
取り組んでいたのか?
・先生のキャラクターが立っていたのか?
と言う点です。
例えば、レセプト枚数が300枚程の
クリニックがあったとします。
そして、何かしらの理由があって
前の先生はそのクリニックを
居抜きで売り出しています。
この場合、そのクリニックが
これまでマーケティングや
院内から啓蒙活動をしたり
小冊子を作ったり
動画コンテンツを利用したり
先生のキャラクターがきちんとあって
お話をしているのかを見ます。
もし、これらをどれも取り入れて
行なっているにも関わらず
レセプトが300枚程
だと言うならば
この物件は注意が必要です。
なぜかと言うと
その先生は様々な努力を
してきたけれど
レセプト300枚と言う状況なのです。
居抜きに入った場合は
自分がそれ以上の
パフォーマンスを上げられるのか?
が、とても大きなポイントです。
もし自分が、院長としての
キャラクターや
マーケティング力で
前の先生に、ちょっと追いついてない
と思うのであれば
そのレセプト枚数300枚さえも
絵に描いた餅であって
そのうち、どんどん下がってくる
可能性が高いです。
これは当然のことですよね。
前の先生のキャラクターや
マーケティングで付いてきている
患者さんが沢山いるので
それらを辞めた途端に
患者さんは離れます。
居抜きで開業しても1〜2年経ったら
どんどん減っていくでしょう。
しかし、逆にレセプトが
300枚でも、前の先生が
ホームページも全然していない
もしくは、ホームページは
作っていたけど
すごく古臭い感じで、イケてない。
検索順位も全然、上位に
上がっていないような物であったり
診療に関しても
普通に治療をするだけで
コンサルもあまりしていない
と言うような状態の
クリニックであったならば
レセプト300枚であったとしても
居抜きを買取するのは良いかもしれません。
なぜなら、その状態のクリニックなら
自分が少しテコ入れするだけで
どんどん良くなっていくからです。
したがって、前の先生がどれだけ
マーケティングなどに力を入れて
してきたのかを意識して
見て欲しいと思います。
勿論、前の先生が
酷い治療をしすぎて
地域で悪評が広まっているなどは
問題外です。
そこまでいってしまっている
クリニックはダメです。
しかし、これまでに
色々なマーケティングなどを
取り入れてない
いろいろな取り組みを
していないのであれば
逆に伸び代があって良いと思います。
実際に私が手を掛けた
居抜き物件でも
3千万円台後半くらいで
購入した物件が
開業後10年も経っていない段階で
売り上げが1億5千万円程
いくようになりました。
この事からも、居抜きでも
物件と自分のやり方次第で
どんどん上手くいく事も
出来る事がわかります。
したがって、居抜きで
開業する場合は
前述したようなポイントを
しっかりと見るようにして下さい。
繰り返しになりますが
レセプトの数字だけに囚われない
と言うことが、とても重要です。
そして、居抜きで開業しようと思うならば
まずは、業者さんなどに早い段階から
声をかけることです。
前述しましたが、居抜き物件は
タイミングと運の要素も大きいです。
居抜きで開業したい!
と思っても
その時に、すぐに良い物件が
見つかるとは限りません。
そのため、業者さんには
「前向きに検討しているので
良い物件があれば、
どんどん紹介して下さい。」
と伝えておく事です。
この場合は、現在勤務している先の
院長先生にも事前にその旨を
きちんと伝えておきましょう。
そうしないと、良い物件が出てきて
突然、辞めると言うことになってしまいます。
そうなると、院長先生は
今の患者さんはどうするの??
となりますし、患者さんにも
院長先生にも迷惑をかけて
揉めてしまうことになります。
ゆえに、きちんと筋は通して
院長先生にも話をしてから
業者さんにお願いすると良いでしょう。
そして、開業資金を抑える
と言う点では
他にも方法があります。
それは、マイクロやCTは開業時に
買わないことです。
開業して2〜3年経って
結果が、しっかりと出てきて
患者さんも定着して
このままやっていけば大丈夫そうだと
思った段階で買うと良いです。
開業時、最初から機器が欲しい
と思う気持ちはあると思います。
しかし、リスクを減らす
と言う観点から言えば
開業後数年して
安定してからの購入をお勧めします。
只、内装に関しては
すごく高級感溢れるものにする
必要はありませんが
あまり「コスト削減!安く!」と
安さ重視にしてしまって
ビニールっぽい感じになると
やはり患者さんから見た
クリニックのグレードが落ちます。
開業資金を抑える
コストを下げると言っても
一番安いものを選んでしまって
クリニックのグレードを下げてしまうのは
流石に勿体無いと思いますので
内装に関しては
ある程度見栄えがするように
した方が良いでしょう。
無駄に高い内装にする必要はありません。
しかし、それなりにきちんとした物で
その中で、少しコストを抑えられる物を
選ぶと言うのが、良いと思います。
是非、コストを抑えて
安く開業すると言うのも
1つの手なので、
取り入れて頂ければと思います。
伊勢海 信宏
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