今までに患者さんから
治療の値引きを求められた事は
ありますか?
もちろん自費治療に関してです。
『白い歯が良いのですが、
金額が高くて・・・。
何とかなりませんか?』
『インプラント2本やるので
値引きしてもらえませんか?』
こんな風に言われた経験
たぶん、ゼロでは無いと思います。
これをどう受けるか?
値引きに応じる
値引きに応じない
人によって対応が分かれる所だと
思います。
いろいろな考え方がありますが
このような状況になった場合
私の対応は決まっています。
患者さんに、少し値段を安くして欲しい
値引きして欲しいとお願いされた時に
私の答えは「No!」です。
もちろん、ノー!!と突っぱねるわけでは
なく、丁寧に応じていますが・・。
では、なぜ私がオールセラミックやジルコニア
またそれら以外の自費治療について
値引きや値下げ交渉に応じないのか?
私は、
経営努力はしますが
医療を商品化したいとは思わない
からです。
自費治療は価格設定を自由に出来るので
多少は利益が出るように、価格設定をして
いるはずです。
ですので、多少、値段を下げても
利益があるし
値段交渉に応じないせいで
患者さんが他のクリニックに
行ってしまったら嫌だと
言う想いから
値引きに応じる人もいると思います。
しかし、私の考えからすると
それをしてしまうと、歯科医院としての
軸がぶれます。
歯科だからと言うのは関係なく
お店などでも
値引きは
頭を使わなくても
お客を獲得できる方法です。
価格が安いことは、誰にとっても
魅力的なことですよね。
でも値引きにも限界があります。
だから
薄利多売ビジネスは消耗戦であり
企業の体力がある方が勝ちます。
もちろん、薄利多売商品で集客して
高価な商品を同じだけ売ることが
出来ているならば、その薄利多売は
とても有益な宣伝材料になります。
これを上手く出来ている企業は
業績良好ですし
逆に薄利多売ばかりだと
倒産が迫ります。
歯科医院では、倒産ではありませんが
薄利多売を続けると、診療の質も低下
し自分の理想の治療とは
どんどん離れていってしまう
でしょう。
どんな歯科医院を思い描いて開業する
のかは、人それぞれです。
しかし、働いても働いても、
大した利益も出ず、忙しいばかりで
患者さんも治療の質よりも
価格のことばかりを重視する人ばかり。
忙しいので、スタッフたちも、
毎日バタバタで自分もイライラしたり、
いっぱいいっぱい。
スタッフも、ただ診療を回す事が大事
なのでスタッフ自身の理想の治療とは
違い、離職が激しく
常に人材募集している・・・
常に忙しい医院を理想としている人は
多いと思いますし、それだけ患者さん
が通院する歯科医院は素晴らしいと
思いますが
忙しさにも質がありますよね。
そして、こんな忙しいさを理想と
している人は、いないでしょう。
しかし、薄利多売だけになってしまう
と、こんな歯科医院になってしまい
ます。
そうなってしまわないためにも
自費治療の値引きに応じて
他院との価格競争に焦るよりも
患者さんに、うちのクリニックで
治療したいと思ってもらえるように
努力をすることが大切だと
思っています。
私なら、もし1万円を値引きしない
ことが原因で
その患者さんが他のクリニックに
行ったとしても
それは只、うちのクリニックや
自分の魅力が足りなかったからだ
と思って次に向けて努力をします。
値引きや
価格を下げる事は
すべての努力をした後にやる事だと
思います。
安さを最重視している患者さんも
いるでしょう。
歯科の自費治療は、相場があるようで
無いも同然です。
インプラント治療1つとっても
使用するメーカーによって
原価からして全然違います。
自費の補綴も同じです。
材料や作ってもらう技工所によって
価格が全く違って来ます。
もちろん、価格に比例して品質も
違います。
なので、自分が治療に関しての
こだわりやプライドが無いのであれば
低コストのものを使用し
患者さんの値引き交渉にも応じるのも
良いかもしれません。
しかし、この記事を読んでいる先生方
には、そんな人はいないでしょう。
自分が理想とする治療スタイルや
患者さんとの関わり方があると
思います。
自費治療の価格を
安ければ良いと思っている患者さんが
悪いとは言いません。
誰でも少しでもお得に
そして安くなるのは嬉しいです。
しかし、その価格の裏にある
治療の内容・質を理解せずに
値段が安いと言うだけで良しと思う
患者さんを、あなたが必要と思うかは
よく考えてみて下さい。
安いものを求める人は
とにかく安いものを追い求めます。
そこには値段以上の執着は
ないでしょう。
良い治療・良い質のものだから高い
なら質が劣っても安いものが良い
と考えます。
もし、その歯科医を信頼して
これからもずっと口腔内を任せたい!
この歯科医が良いから、
通院している!
と言う理由があれば、価格の値下げに
応じなくても患者さんは納得して
治療を受けます。
しかし、安さを求める患者さんは
安いところ安いところと流れていき
一つの医院に留まることはない
でしょう。
安い医院を見つければ
常に移動していきます。
そんな患者さんを、自分の医院に
無理して繋ぎとめておきたいと
思いますか?
繰り返しになりますが
この発想の患者さんが悪いわけ
ではありません。
ただ、それが
自分の求めていることか?
を考えてほしいのです。
安さ重視に応じて
それに応じようとすると
キリがありません。
そして、近所で自分の医院より
安くするところが出てこないかを
常にビクビクしておかなければ
なりません。
そんなのしんどいですよね。
そうではなくて
ぜひ値引きしないでも
通ってくれる患者さんが
増える様なクリニックに
しましょう。
前回の
『歯科の自費治療のキャンペーン
とは』
(http://haisyakaigyo.com/?p=805)
でもお話しましたが
自分の求める患者さんと信頼関係を
構築することで
最善・最良の治療を提供することが
可能になります。
患者さんに合った最善の治療を提案し
それを患者さんが自分を信じて
受けられるというのが
私は理想の形だと私は思っています。
そのような関係性になることが
出来れば患者さんも、困った時に
「この先生に任せておけば
絶対に大丈夫」
と言う安心感が得られます。
そんな風に思う歯科医を
見つけることが出来れば
よほどのことがない限り
歯科医を変えようとは思いません。
それは患者さんにとっても
とても良いことです。
自分を理解してくれている
歯科医の存在はとても大きな
安心感があることだと思います。
自分も、歯科以外の病気になって
しまった時に信頼できる医師がいる
と言うことは
とても安心できますよね。
そして、その信頼できり医師に
治療してもらうなら
値引き交渉なんてしないでしょう。
正規の値段であっても
治療してほしいと思うこと
でしょう。
もし、同じ治療を安くしている病院が
あったとしても、自分なら
間違いなく正規の価格でも信頼できる
医師に治療してもらいたいと
思います。
同じように、
歯科の自費治療においても患者さんが
自分のことを、正規の価格でも
治療してほしいと思う歯科医として
思われるような、関係性を築けるよう
にしましょう。
値引きしないでも通ってもらえる
歯科医院
その方が歯科医師としても
気持ちがいいですよね。
伊勢海 信宏
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