以前
『オールセラミックやジルコニアなど
の値引きや値下げ対応
どうしますか?』
(http://haisyakaigyo.com/?p=807)
でも、お話したように
私は患者さんからの値引きには
応じない主義ですが
決して、どんな条件であっても
絶対に値引きや金額を変えない
というわけではありません。
私は、患者さんからの、他院との
比較などによる値引き交渉には
応じることはなくとも
私なりの値引きのルールを
持っています。
例えば
前歯を3本セラミックにする治療を
する様な人がいた場合。
そして、この患者さんが、
お金にそれほど余裕はない方と
見受けられる時。
その際には、私から見て周囲の歯を
ホワイトニングしてから
セラミックを入れた方が絶対に
キレイになる。
そして患者さんも必ず満足してくれる
と思うような場合などには自分から
提案をするようにします。
例えば、私は
『今回前歯の被せ物をするのですが
せっかく3本被せるので
周囲の歯を白くしてから
被せ物をした方が
何もせずに被せ物をするよりも
もっとキレイに出来るんです。
たぶんその方が○○さんにも
より満足して頂けると思いますよ。
その為には前歯にセラミックの
被せ物を入れる前に、ご自身の周囲
の歯をホワイトニングした方が
良いです。
ただ、ホワイトニングは保険外治療
なので通常○万円かかるのですが
今回は私がそうした方がキレイな歯
に出来ると思って
お話させてもらっているだけなので
もし、ホワイトニングをされるので
あれば、そのホワイトニングに
関しては、もちろん費用は無しで
させて頂きます。
せっかくセラミックの被せ物を
するので出来る限り良い状態で
入れたいと私が思っただけなので
○○さんがそれでも良ければ
なのですが?』
と言うように、
患者さんにお話したりします。
あくまで、こちらが患者さんにとって
より良い治療を提供できるように
提案していると言う形です。
そして、こちらが勝手に提案している
のに、自費治療のカウンスを
バンバンしていくと
患者さんに引かれます。
「自費治療するとわかったら
次から次へ自費治療を
押し売りしてくる!!」
と感じられるかもしれません。
これが、患者さんからの質問で
「セラミックをするなら、
他の歯もホワイトニングとかして
綺麗にしてからの方が
良いですか?」
と聞かれている場合ならば
カウンスしても引かれません。
しかし、こんな風に自ら質問してくる
患者さんは、そんなに多くないと
思います。
お金に余裕があって
いくらかけても良いから先生にお任せ
で綺麗にしてもらおうと思っている
人なら話は別ですが、現実には
そんな人は数少ないですよね。
質は違うけれど
保険でもできる治療をお金をかけて
自費治療でする患者さんは
少しでも綺麗に自然にと言う
審美性を考えて、自費にします。
それにかかる費用の価値は
人それぞれですが
決して安いものではないと
思います。
それをしようと思った時に
先ほど言ったように
周りの歯をホワイトニングして
から・・・なんて、それ以上に
お金がかかる発想をする人は
なかなかいません。
きっと、自分が入れるセラミックの
ことで頭はいっぱいで
それを入れれば、綺麗になる!
と言う想いがあることでしょう。
しかし、本当に前歯3本を
セラミックにしただけで綺麗になるか
と言うと、実際にはその3本は
綺麗でも周囲の歯が綺麗でなければ
綺麗でない部位を余計に目立たせて
しまう可能性もありますよね。
当然ですが、患者さんは素人です。
私たちが、当たり前だと思っている
ことも当たり前ではありませんし
思い至りません。
高価な歯を入れるんだから、
白くて美しい歯を期待していたのに
周りの歯の色味に合わせて白くない歯
が入れられたら、患者さんは
とても悲しいと思います。
そうならない為にも
こちらから提案できることをすると
患者さんは、とても喜んでくれます。
さらに、その提案がホワイトニングを
無料でするなどと言う料金の負担の
ないものであれば
とても喜ばれるでしょう。
実際に、私は患者さんに
このような事をしていますが
すごく感謝されます。
別に、感謝を求めてやっている訳では
ありませんが、患者さんが喜んで
くれて、患者さんのためになっている
と言う事実は喜ばしいものです。
しかし、感謝の言葉よりも
重要なのは
患者さんから要求があって
それを受けるのでなく
自費治療の値引きや無料でも
自分がやった方が良いと思うときに
自分から提案すると言う事です。
患者さんから言われて値引きなどに
応じるのは、以前にもお伝えした通り
「歯科治療の商品化」要素が強いので
私的にはイメージが良くありません。
値引きせずとも、治療したいと
思われる歯科医であることが
信頼してくれる患者さんにも
自分自身にも必要なことだと
思います。
しかし、自分から提案する値引きや
無料にすると言う心遣いは
全く別物です。
そして、それをされた患者さんの
捉え方も、別物です。
値引き交渉されて
値引きしてもらえた患者さんは
「言ってみるものだな、ラッキー」
と思っているでしょう。
そして、次も自費治療の時は
値引き交渉しようと思うこと
でしょう。
逆に一度値引き交渉に成功したら
次から値引きしてもらえないと
不満を持つようになります。
結果、値段を安くしてもらえるから
行く歯科医院になってしまいます。
自分がしたい歯科治療は
安さが売りの自費治療なのか
患者さんに満足される治療をできる
自費治療なのか
そこを考えて行動してみると
どのように患者さんに
何を提案することが、それに繋がる
のかもわかると思います。
伊勢海 信宏
【ステップで学びたい先生へ】
メルマガ登録されると
体系的に学べ、
理解や成長が早くなります。