前回、
『自費の補綴説明紙や
資料を用意しよう』
(http://haisyakaigyo.com/?p=833)
でお話した通り、
患者さんに補綴の説明を口頭だけで
終わってしまうのは
良くありません。
口頭で説明したあと
さらに患者さんがご自身で
検討される時に
きちんと補綴の違いや特性を理解
できるようにするための
資料が必要です。
この資料があるのと無いのとでは
患者さんの補綴への理解度も
大きく変わります。
保険でも出来るものを
費用をそれなりにかけて
自費で治療することは
患者さんにとっても、不安が
あります。
自費のものが良いことは
分かっていても、どれが
どの点において、どれだけ良く
また、他の補綴と比較した際に
どのように違うのか。
専門的な細かいことまでは
分からなくても
自分の口の中に入れて
健康を維持するために毎日
ずっと使用するものを、患者さんは
理解し選択した方が、患者さんのため
にも安心材料になることでしょう。
では、この補綴説明資料をいざ作る
となると、どんなことを書けば
良いのか?
どんなレイアウトならば、
患者さんに分かり易く伝わるのか?
と言うポイントで、
悩まれる先生が多いです。
ですので
今回は患者さんにお渡しする
「補綴説明資料」を作る時の注意点
をお話します。
今まで、あまり患者さんに渡す資料
などを作った経験のない方は
少し尻込みしてしまうことも
ありますが、そんなに凝った感じで
作る必要はありませんので
あまり億劫にならないで下さいね。
とは言え、
制作のポイントはあります。
今回はその6つのポイントを
お伝えします。
①写真を載せる。
人間は耳で聞くだけではなく、
目で見て、視覚からの情報があると
購買意欲が、聞いた情報だけの場合
よりも湧きやすいです。
百聞は一見に如かず
ですね。
そして、同じ視覚からの情報でも
文章だけでは購買意欲を高めるのは
難しいです。
もし、補綴の説明内容を全て
文章のみでした場合
パッと見て、患者さんが読む気に
なるでしょうか?
答えはノーです。
読んでみると、すごくきっちりと
説明されていて良い内容であった
としても、まず読む気になりません。
新聞を想像して見て下さい。
新聞は大量の情報が、ぎゅうぎゅう
に詰め込まれています。
隅から隅まで、きちんと毎日読む方
もいますが、まず目を引くのは
写真の掲載されている記事では
ないでしょうか?
写真を見て、
「おっ!これは一体何があったん
だろう?」
と興味を惹かれ、それに関する記事を
読みます。
毎日、きっちり隅々まで読むと言う方
以外は、このようにして
まずは目について興味・関心のある
記事を読むことと思います。
補綴説明資料も同じことで
まずは患者さんの目を惹くと
それに関する文章も
すんなり患者さんの頭に入り易く
イメージし易くなります。
ですので、そのためには
それぞれの補綴の写真を撮って
載せてください。
②材質を書く。
何で出来ているのかを書いて
ください。
そして、その材質がどんなものか
が患者さんにも、わかるように
補足説明も書いて下さい。
歯科医は当然のように
レジンやセラミックといった言葉を
普通に使用していますが
患者さんからすると
「レジン?」
「セラミック?」
と聞いても
なんのこっちゃ???な言葉です。
しかし、歯科知識がない方にでも
わかるように誰の身の回りにも
あるもので
レジンは簡単に言うとプラスチック
セラミックはお茶碗などの陶器だと
想像して下さい。
と言えば、患者さんにも
必ず伝わりますよね。
なので、材質をただ書くだけでなく
どんな方が読んでも
それがどんな材質なのかが
わかるように書くと良いと思います。
③評価をつける。
見た目
歯のもち
などいくつかの項目を作って
5段階評価などで評価を付けて
ください。
そうしないと、患者さんには
その補綴のどの部分が良くて
他よりも優れているのかが
分かりません。
患者さん自身で、補綴を検討される際
には自分が求めている条件が
必ずあります。
それを、5段階評価などで
他と比較できるのであれば
患者さんも決め易くなります。
「費用はいくらかかっても良いから、
最高のものを!」
という方もいれば、
「費用は抑えたいけれど、
銀歯にはしたくないので
白くて、そこそこ費用が
抑えられるものが良い」
と言うように
求められるものも様々です。
前者であれば、5段階評価であれば
全て「5」のものを選べば良いですし
後者であれば、全てが「5」でなく
中には「3」や「4」の評価のものが
あるでしょう。
しかし、自分の求めている条件に
当てはまれば、良いのです。
それを、わかり易くするのが
項目を設けた評価です。
④コメント
それぞれの補綴に対して院長から
一言で良いのでおススメの理由を
書いてください。
例えば、
こんな方に最適。
こんな効果があるんです。
などで構いません。
飲食店などのメニューでも
スタッフ一押し!などのコメントや
ポップがあると目を引きますし
内容を完璧に理解できていない
場合でも
オススメなら良いものなのかな・・・
と思いますよね。
⑤金額を書く。
これは、当然ですよね。
自費の補綴に対して、
患者さんの一番の不安要素
は絶対に、金額です。
そして、口頭でいくらきちんと
説明していたとしても
たくさんの情報を一度に与えたれた
患者さんは、ほとんど、その内容を
きっちりとは覚えていません。
金額が一番気になるところなのに
それを記載されていない補綴説明資料
であれば、あまり役に立たないかも
しれません。
⑥保証があれば保証期間を書く。
保証期間があると安心される方も
いらっしゃいます。
確かに1歯あたり10万円する補綴を
10歯も装着して1年以内で
抜歯にしないといけない・・・
となると、確実に自費補綴を入れるのを
躊躇しますよね。
しかし、もし5年以内に何かあれば
無償で・・・などといった保証があれば
患者さんも安心して治療を
受けることが出来るでしょう。
他にも
もし自費の保証制度を設けてるなら
それも書いてください。
無ければもちろん書かなくて
大丈夫です。
制作は大したPCスキルが無くても
パワーポイントとかで簡単に
作れます。
外注する必要は全くありません。
あと!
患者さんに紙を渡すときに
各種補綴があっても
その人のその歯に一番お勧めの物に
○をつけたりして更に患者さんに
個人のことを考えて分かりやすく
お渡しすると、良いですね。
では、今回のポイントを踏まえて
まずは、作ってみて下さい。
伊勢海 信宏
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