初診は、ひと月でどれくらいの
来院数があれば良いのでしょうか?
初診患者数は、どれくらい来院すれば良い?
歯科医院を安定して運営させていく
ために初診患者さんは
必要不可欠です。
もちろん、継続して来院してくれる
再診も必要ですが
余程、再診患者さんが安定して
来院してくれる医院で、
その状態が何年も何十年も
続いている状態の医院でなければ
初診患者さんが少ないと
一定以上の来院数、売上を維持する
ことは困難になるでしょう。
ましてや、開業して数年の間は
再診だけで安定させることは
出来ませんし、開拓の時期なので
初診は常に必要になります。
とは言っても
初診数を増やすには、どうすれば
良いのか?と頭を悩ませている人は
大勢います。
そして、具体的には
どれくらいの初診があれば
良いのか?
平均的には、どうなのか?
と言うのも、皆さんが疑問に
思っている点です。
ある医院では月に初診が50人
来院されていて、これで良いのか?
と不安に感じていて
はたまた、別の医院では
月に20人でも、満足しています。
このように、指標がわからないと
不安を感じたり、反対に
焦らないといけないのに
安心してしまい、行うべき対策を
怠ってしまったり・・・
と言うことになってしまいます。
ですので、今回は
どれくらいの初診数があれば
良いのか?
と言う平均値を理解し
医院の運営に役立てて欲しいと
思います。
では、早速
初診患者数についてですが
初診患者数は少ないと
経営的に問題ですが
だからと言って多ければ多いほど
良いと言う訳でもないんです。
意外ですよね?
多い方が、診療点数的にも
再診料より初診料の方が点数もあるし
初診患者さんは沢山の方が良い!
と思っている先生は多いと思います。
しかし、今のアポイントの状況を
考慮した上で初診を取るように
しないと問題が生じる場合が
あります。
この問題については
後ほど説明するとして・・・
初診患者数の理想の割合ですが
これは、ユニット台数など
自分のクリニックの規模によって
多少の違いはありますが
基本的にはレセプト枚数の
10%の初診数が来ると安定します。
例えば、月のレセプト枚数が
300枚ならば、30人の初診数が
あれば良いということです。
この数字を見て、どうでしょうか?
ご自身のクリニックの数値を
当てはめて、
初診数10%を達成できている
でしょうか?
これを先ほどの例えでお話した
初診50人で不安に思っている医院
20人でも大丈夫と思っている医院
に当てはめて見ると、もしかすると
もし両者同じく月のレセプト数が
500枚の医院ならば
前者は10%をクリアしているので
安心して良いし、
後者は50人は初診で来院して
欲しいところ、その半数も来院されて
いないので、余裕を感じている場合
ではなく、何か対策をとるべきだと
言うことがわかります。
まずは、現状で自分のクリニックが
ある程度アポが埋まっているという
場合は、今のレセプト数の10%の
初診数程度が来ているかを確認して
みてください。
これで、10%を到達しているよう
でしたら、ひとまず初診患者数的には
安定していると思って下さい。
そして、この10%に到達していない
と言う状況なら、今よりも初診患者数
が増えるような対策、取組を始める
べきでしょう。
また、現に10%はクリアしているが
これからもっと売上を
伸ばしたいと思う先生は
理想のレセプト数の10%の初診数が
来る様にトライする事が大切です。
もし、
現時点では月300枚のレセプト数で
月30人の初診数だけど、
月500枚のレセプトが目標だと
言うのであれば、
500枚×10%=50人
の初診数を目標にします。
初診患者さんを月30人から50人に
増やすことは大変だと思いますが
具体的な数字が出れば
どう言った対策を立てれば良いか
考えやすくなりますよね。
この場合だと1日あたり
だいたい一人の初診患者さんが
増えると目標達成となるわけですね。
しかし、この目標もクリニックの
チェアー台数、スタッフ数によって
可能な場合と、かなり無理のある
場合があると思いますので
それもきちんと考慮した上で
無理のない目標にして下さい。
初診は多ければ多い方がいい!わけではない理由
また現状でアポが埋まり過ぎている
クリニックは、その状態で初診が
多く来すぎると、前述した
『問題』が発生してしまいます。
それは
既存の患者さんからのクレームにも
なってしまうかもしれないと
言うことです。
これは、先ほどの初診患者の目標を
30人から50人にするケースでも
同じことが言えます。
それだけの数をこなせる規模の
クリニックならば、全く問題は
ありません。
しかし、すでにアポイントが
パツパツであれば、そこに初診数を
増やしたいばかりに、無理矢理
アポイントを詰めてしまうと
どうなるでしょうか?
今まで通院してくれている
既存患者さんのアポイントを
削って初診を入れざるをえなく
なってしまいます。
そうなると、
当然、既存の患者さんはアポイント
が取りづらくなり治療が進みません。
こうなってしまうと
クレームになる、もしくは
クレームすら出さずフェードアウト
してしまうと言う状況に
なりかねません。
これでは、元も子もありません。
勿論、初診患者さんは大切です。
どんどん増やしていきたい気持ち
にもなりますが、まずは再診で
通院されている患者さんです。
そこを大切にしないと
再診患者さんが離れて行って
しまいます。
そして、患者さんの口コミほど
効果をもたらす宣伝はありません。
その患者さんが
『あの医院は、初めは予約が
すぐ取れるけど、いざ治療が
始まると、なかなか予約が
取れない!』
と、周りの人に話したら
どうでしょうか?
きっと、再診で通院されている
他の患者さんは勿論、これから来院
しようと考えていた初診の患者さんも
この口コミを聞いて
「それなら、他を探そう」
となってしまいます。
これでは、初診は増えない&再診まで
来なくなってしまいます。
こうならないためにも
もし現状でアポイントが埋まっている
なら、初診はある程度セーブした方が
いいかもしれません。
初診患者さんへの対応が大事
では、次に受け入れが難しい
初診患者さんに対しての対応です。
医院のキャパシティーを超えての
初診は断らざるを得ない状況が
どうしても生じてしまいます。
これは、先ほどもお伝えしたように
無闇に受け入れてしまって
既存の患者さんへの治療、対応の
クオリティを下げてしまわないため
です。
初診を増やすことは難しいですが
来てくれた患者さんを受け入れること
は簡単です。
しかし、来てくれた患者さんを
断ることは、また難しいものです。
たまに、忙しいのでしょうが
受付で、初診患者さんに対して
『無理です!』
と一言で、患者さんをバッサリ切って
しまっている医院があります。
一度、断られた患者さんは
時間が経っても、そのクリニックに
対して断られたという意識は残るので
戻ってくることは少なくなります。
いざ、再診の患者さんも落ち着いて
そろそろ初診のアポイントを
入れようかと思った時には
初診が来なくなってしまいます。
こうならない為にも、
セーブする為に、初診を断る場合も
丁寧に、そして
「本当は診察したいが、
アポイント的に難しい。」
と言った事情をきちんとお伝えする
ようにしましょう。
そうすれば、患者さんもアポイント
を取れなくても、
「そんなに人気のある歯医者さん
なんだ!」
と好意的に捉えてくれるでしょう。
また、初診の方は痛みが出て
予約なしで突然来院と言う場合も
多くありますが、こう言った患者さん
にも、できることであれば
「予約外だけど、痛みがあるなら
診させてもらいたい。
でも、予約の方優先で待って
頂かないといけない。」
と言った旨のことをお伝えできれば
「痛いと言っているのに
放っておかれた!!」
と思われません。
予約外の患者さんへの対応は
無下にしてしまっていることが
多いですが、この対応が大切だと
思います。
こう言った対応をスタッフ全員が
日々しっかり出来ていると
初診が来て欲しい時に、
来てもらえるようになります。
話は少し逸れてしまいましたが
レセプト数の10%の初診数が
安定の目安となりますので
今後の医院の目標と現状を
この数値を参考に考察してみて下さい。
伊勢海 信宏
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