あなたは、スタッフにも
成長してほしいと感じていますか?
歯科医院は、院長だけが
すごいスキルを持っていたとしても
成り立ちません。
もちろん、ものすごく腕が良く
そのスキルだけで
「名医」と呼ばれる人もいます。
そして、その名医を頼って
全国から患者が来るなんて言う
ドクターもいます。
しかし、それでもドクターだけでは
診療は難しく、受付、衛生士、
アシストと各々がいてこそ
成り立つチームプレーです。
凄腕のドクターには
凄腕のスタッフたちがついています。
もしくは、いくら凄腕でも
スタッフが良くなければ
せっかくの凄腕のドクターの
スキルも発揮できず
患者さんが集まらなくなって
しまうこともあります。
それほどまでに、良い歯科医院には
スタッフのスキルが必要不可欠なのです。
したがって、スタッフを教育して
スタッフにも常に成長してもらうことが大切です。
と簡単に言っても、
自分のスキルアップは
自分が頑張れば可能だけど
スタッフのスキルアップ
成長は、個人のやる気が大いに
関係してくるので
なかなか簡単には出来ない・・・
と思いますよね。
実際、スタッフにも頑張って
成長してほしいけれど
どうしたら良いのか分からない
と言う先生方の声は
よく耳にします。
スタッフのスキルアップや
成長のためには
スタッフに「教える」ことが必要になります。
しかし、「教える」と一言で言っても
その方法には
コーチングとティーチングという
2通りの教え方があります。
今まで、スタッフを育成してきて
いろんなことを教えてきたけれど
いつも同じように教えてきて
教え方なんて考えたこともなかった
と思われるかもしれません。
そもそも、ティーチングや
コーチングと言う言葉自体
聞きなれない
と言う方も多いです。
しかし、この二つの教え方は
私たちが子供の頃から受けてきた
学校教育でも
大人になってから受けたセミナーでも
もちろん、それ以外の場でも
普通に行われています。
ただ、それを
「これはティーチングだな」
「これはコーチングだな」
と意識していないだけのことです。
では、コーチングとティーチングが
一体どう言うものなのかを
まず説明します。
コーチングとは
達成する為に自らに考えさせ
行動を促して相手をサポートする手法です。
「教える」「アドバイスをする」
ことはせず、相手に問いかけて
相手が考えた結果、答えが引き出されます。
そのため、コーチングする側と
される側の両者での
コミュニケーションの中で
自ら答えや考え方を導き出される方法です。
一方、
ティーチングとは
相手に考えや行動の答えを
教えていく手法です。
これは、まさに私たちが
学生時代受けてきた授業と同じです。
仕事に就いてからも同じように
仕事をティーチングされています。
要は、ティーチングは
その知識を知っている人が
それを知らない人に教えることです。
どちらも、今までに無意識にですが
経験したことのある方法ですよね。
教えられる側であっても
教える側であっても
どちらの方法も使われてきたはずです。
では、スタッフへ「教える」ためには
コーチングとティーチング
どちらがいいのでしょうか?
自発的に行動を起こせるように
するためにはコーチングが必要そう!
でも、知らない知識は
ティーチングで教えないと始まらないし…
と、両者の特徴が違うので
悩みますよね。
しかし、答えは
どちらも必要です。
どちらかだけでは
上手にスタッフを教育することは
難しいでしょう。
実際に
「教えるのが下手だな・・・」
と思われる人は、大概どちらかだけ
で教えている傾向があります。
両方を使い分けてこそ
教えられる側の成長に繋がります。
では、その使い分けについて
どのような時に、どちらを活用するか?
いろいろな場面について紹介します。
もう一度、コーチングとティーチング
の特徴を理解した上で見てください。
- ・本人が学ぶ気や、やる気がある時
ティーチングの方が早く、吸収して
成長します。
- ・本人のモチベーションが低い時
ティーチングだと「聞いてもやらない」
と言う現象が起こるので
コーチングの方が良いです。
コミュニケーションを
とりながらなので
相手の頭にも印象として
残り易くなります。
すぐ学ばないと危険だったり、
損が大きい時は
ティーチングで学ばせた方が早いです。
- 特にすぐやる必要はないけど、
長期的に考えると良い事は
コーチングの方が
行動のモチベーションが
長く続くので良いです。
人間は、自分で考え出した答え
失敗して得た答え
苦労して得た答えは忘れません。
逆に、答えだけを教えられた
丸暗記は、一瞬にして答えは得ますが
記憶に定着はしないので
忘れてしまうのも早いものです。
例えば、英会話。
英語のテストのために、
単語を丸暗記したら、
テストの点数は良いでしょう。
しかし、いざ英会話を
しなければならないとなった時に
覚えたはずの英単語が
全然出てこない。。。
なんて、よくある話です。
しかし、これが普段から
オンラインレッスンなどで
毎日のように英会話を
している人であれば
日々のレッスンで
「あぁ、本当はこうやって英語で
言いたいのに、言えない!」
と言う、もどかしい気持ちを
抱えます。
そして、レッスンが終わってから
復習し、自分で
「あれは英語では
どうやって言えば良かったのか?」
を調べるでしょう。
そして、次のレッスンでは
今回自分が言えなかったことを
英語で言えるようにと、練習します。
この時に、調べて覚え、練習した
単語、フレーズは、忘れません。
自分の感情と記憶が結びついているし
練習をするので定着します。
しかし、これが英作文の丸暗記を
オンラインレッスンで話すだけで
先生からの返事も
定形文ばかりだったら
レッスン中は英語を話せている気に
なりそうですが、いざ本当に英語を
話す機会になった時に
その英語は忘れてしまっていたり
または適切な使うタイミングが分からず
結局は喋れない
なんてことが多いです。
と言うと、コーチングだけで良くて
ティーチングは不要なんでは?
と誤解を招いてしまいそうなので
補足しておきますが
英会話も基礎がなければ
出来ません。
たまに、
「英語の勉強が出来なくても
ペラペラ英語で喋れるようになります」
「中1レベルの英語力だけど
自分は、英語でのコミュニケーションはとれる」
と言う人がいます。
しかし、それは間違いです。
正しくは、ペラペラ喋れている
気になっている
また、コミュニケーションを
とれている気になっているだけです。
海外に行って、少し遊ぶ程度なら
それでも良いかもしれません。
しかし、その英語では
ビジネス、または一般的な
大人の世界では通用しません。
そりゃそうですよね。
日本語で言えば、中1レベルの英語は
英語を母国語とする人にすれば
幼児レベルです。
遊んでいる程度であれば
幼児レベルの英語を話す日本人
でも快く受け入れてくれますが
ビジネスシーンで幼児レベルの
英語で話す大人。
自分が相手なら、間違いなく
仕事をしたいと思いません。
ゆえに、どれだけ英会話で
コーチングされるのが
本当の意味で身に付くと言っても
その大前提として
せめて中3レベルまでの
基礎的な文法力は必要だと
言われています。
その基礎を学ぶのには
まずはティーチングされる事が
必要です。
そこをコーチングだけで学ぶのには
かなりの時間を要するでしょう。
間違いなく、ティーチングで
学んだ方が効率的だと言えます。
英語の話ばかりになってしまい
話が逸れてしまったように
思われてしまうかもしれませんが
要は、コーチングの
ティーチングのどちらもが
必要だと言う事です。
どちらを使ったら良いのかは
状況によって変わります。
- 教える人の時間が
あまりにもないケースは
ティーチングの方が
時間がとられません。
- 時間をかけても長期的に
伸ばしたいケースでは
コーチングの方が、
本人がやる意味を理解しやすいので
長期的に結果が出やすいでしょう。
- 本人がすぐに結果を出したい
と思っていると
ティーチングを受けて
どんどん行動している方が
結果に出るのは早いです。
これ以外にも、シチュエーションは
色々とありますが
全て書き出すとキリがないので
大まかにだけお伝えしました。
これらの例を見てわかるように
コーチングとティーチングは
時間に関して大きな違いがあります。
時間がない
早く急いで成長させたい
結果を出させたい場合は
コミュニケーションをとって
考えを試行錯誤しながら
考えを導き出すコーチングよりも
どんどん知識を教え込んでいく
ティーチングが良いです。
また、本人にやる気があれば
ティーチングで、知識を詰め込んでも
自らしっかり咀嚼して
自分のものにする努力をするので
ティーチングで大丈夫です。
反対に、本人にやる気がなければ
それでは、いくらいろんな知識を教えられても
自分で咀嚼する気がないので
結局は「教えたのに理解していない」
「出来ない」
と言った状態になってしまいます。
だから、こちらも一緒になって
会話などのコミュニケーションをとりながら
考えさせる時間を作る
コーチングならば
本人も会話を通じて、考え
自分のものにしていくでしょう。
また、ティーチングと違って
時間的に余裕がある場合や
答えや結果が一つではなく
変化していくものの場合
同じことでも状況によって答えが
変わるものに関しては
コーチングの方が
自らしっかり考える必要があるので
状況が変わるたびに自分で考えて
行動できるようになる
癖をつけることが
できるでしょう。
では次回は具体的に
歯科医院のケースはどうか
当てはめてみましょう。
伊勢海 信宏
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